一次審査通過作品の紹介[予告編] (2013年)

一次審査通過作品の紹介(予告編)

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*国・地域のアルファベット順

Australia The Time Traveller's Guide

  • Entering organization:Essential Media and Entertainment
  • オーストラリア
  • TV /Film/Video

世界の中でも、オーストラリアほど地球の生成と生命の進化の過程が保存されている大陸はないだろう。気軽に車に乗って、地球の歴史をひも解く旅へと出かけられる場所は、ここ以外ないのではないだろうか。本作品では、地球が誕生してから現在の姿に至るまでをたどる楽しい冒険へと出発する。ホストのリチャード・スミス博士が、視聴者を、時間をさかのぼる波乱の旅へとお連れする。1時間の長さの4つのエピソードでは、巨大恐竜やジャイアントカンガルー、海の怪物や、先史時代の甲殻類動物、消えゆく山々、爆発する小惑星を見に行く。これは、全てを包み込む一大陸—オーストラリア—の、今まで語られることのなかった壮大で自然にあふれた物語である。さあ、教授と一緒に、オーストラリア大陸の、目も回るような窓(冒険)を通して、地球の歴史を訪ね、究極の奥地へと出発だ。

BullyPROOF: Classroom Confidential with Mark Kelley

  • Entering organization:Canadian Broadcasting Corporation (CBC)
  • カナダ
  • TV /Film/Video

2012年春、CBC-TVのマーク・ケリーは一週間、母校ケベック州ガティノー高校に行き、いじめの問題をじかに扱ってみようと決意する。我々の制作したドキュメンタリーは、一つの学校に的を絞り、対話を促進することで、国全体における話し合いを巻き起こした。生徒達と接するというユニークかつ、まれな手法が採用され、生徒たちは一対一のインタビューで、心が痛むような話を語って聞かせてくれた。また“Bully Booth”では、150人以上の生徒たちが直接カメラに向って、様々な事柄—いじめっこ、いじめられっこ、生徒たち、教師たち—について、率直な生の話を語ってくれた。

Five broken cameras

  • Entering organization:Guy DVD Films
  • イスラエル
  • TV /Film/Video

本作品は数々の受賞を果たし、米国アカデミー賞ノミネート作品でもあるドキュメンタリーで、パレスチナで農業を営みながら、独学でカメラを学んだイマード・ブルナートの話である。2005年イマードは、息子ジブリールが生まれると、最初のカメラを手に入れた。そのころ彼の住む村では、村人の耕作地を分断する境界をイスラエルが建て始めるが、村人たちはこの決定に抵抗する。その後数年にわたり、イマードはジブリールが成長していく様子をカメラに収めると同時に、この非暴力運動も記録していく。この運動は程なくして、彼の家族と人生を巻き込んでいくことになる。軍による夜間の踏み込みや逮捕が村で相次ぎ、彼の家族は恐怖にさらされる。彼の友人や、兄弟、そして彼自身も、撃たれる、あるいは、逮捕される。カメラも次から次へと弾に当たり、粉々になる。それぞれのカメラには、彼の歴史が刻み込まれているのだ。ついに、イマードはイスラエルの映画監督ガイ・ダヴィディと協力し、力強い作品を作り上げた。

この作品は、イスラエルの40の高校で上映予定である。この作品のねらいは次の通りである。

  • • 「他人」に、イスラエルの若者が思い入れできるような個人的ストーリーを
      与えることで、固定観念を崩す。
  • • 紛争についての決めつけを崩し、対話に新しい声を持ち込む。
  • • 協調する方法を議論する。
  • • 紛争に終止符を打つにあたり、アートや映画製作が担う役割について、討論をする。
  • • 市民一人ひとりが、紛争解決に向けて貢献できるということを
      イスラエルの若者に喚起し、紛争に終止符を打つために、
      問題解決の努力を惜しまないよう促す。

NINJA & SOLDIER

  • Entering organization:BRAVO FILM
  • 日本
  • TV /Film/Video

8歳になる二人の男の子が話をしている。日本生まれのケンは、忍者の格好、アフリカのコンゴで生まれたニトは、子どもながらに兵士の姿だ。ニトは兵士に強制されて、自分の母親を殺したのだ。男の子たちは“自分達の違い”について、話し始める。 差別は、自分と他人との違いをネガティブにとらえるところから始まる。ここから互いに対する敵愾心(てきがいしん)が生まれ、ついには人々が殺しあう戦争へと発展していくのだ。コンゴの少年兵の問題は、アフリカのどこか遠いところで起こっている自分とは無関係なことなのではなく、私たち自身に関する問題なのである。この映画を通して、観客が少年兵について問題意識を持ち、日本人の間でその意識を高めていってほしいと願うばかりである。また、10代では、いじめのような個人間の問題が悲しい結末を迎えることもある。そのようなティーンエイジャー世代にも観てほしいと願っている。

The Universe at Our Feet

  • Entering organization:Japan Broadcasting Corporation (NHK)
  • 日本
  • TV /Film/Video

自然の世界は、生き生きとした生命の形にあふれている。普段見慣れている植物や花も、驚くほど力強い働きや、振る舞いをしている。82歳の植物写真家埴 沙萠は、そのキャリアを通して、植物の一生の中のわずかな全盛期間を間近で観察し続けた。彼は、糸杉の若木の葉の上にちょこんと乗った、まるで宝石のような水のしずくや、顕微鏡の中で踊るスギナの胞子、細いカテンソウのおしべがピッチングマシーンさながら花粉を力強く投げる様子を見せてくれる。埴は、私たちを彼の庭や朝の散歩へと連れ出す。そこで彼は、地面にはいつくばり、愛する植物の真っただ中に身を横たえて、愛らしい生き物たちのドラマを記録するのだ。これらの植物は、身の回りに生えているのに、往々にして見逃されている。普通、植物は動かないものだと考えられている。埴のレンズを通して、素晴らしきドラマと躍動に満ちた世界が目の前に繰り広げられる。この番組は、私達の住む世界が、いかに多くの生命とその働きにあふれているかを明らかにしている。それは、私たちの身近にあるごく普通の植物とて同じなのだ。時には、植物の持つ美しさに息をのむこともあれば、活気に満ちた振る舞いに微笑を誘われることもある。私たちは一年間に渡って埴を取材したが、それを通してどんなにちっぽけな姿をした命でも気高いこと、そして私たちの足元には魔法のような驚きの世界が広がっていることを学んだ。

Straight to the Dream ~18 years Following of a Blind Swimmer, Chikako

  • Entering organization:Sapporo Television Broadcasting Corporation (STV)
  • 日本
  • TV /Film/Video

18歳になる智華子は、未熟児網膜症のため、視力を持たずに生まれてきた。しかし彼女の両親は、目が見えないからといって、智華子が物事に挑戦することを止めないと決めた。様々なことに挑戦する彼女は、幼少時代に水泳を始める。苦労を重ねた後、智華子は2012年ロンドンパラリンピックに参加し、背泳ぎで8位を獲得する。
その4年前、智華子は北京パラリンピックにも参加が決まっていたが、彼女の種目である背泳ぎは廃止されたのだった。絶望した彼女は、高校入学と同時に水泳を断念し、一年間家から離れて暮らした。しかし競争心を取り戻し、再び泳ぐことを決意する。我々は、ポップグループのメンバー、SHOKICHIとともに彼女の生活を追った。SHOKICHIは、智華子の力強さに感銘を受け、智華子と、夢を実現させようとしている人たちにささげる『Hello』という歌を作曲した。この作品は、身体障害、家族、夢、希望、勇気についての物語だ。我々は十年にわたり、盲目のスイマー、小野智華子とその家族を追った。母親である薫は、智華子は盲目ではあるが可能性を秘めていることを信じている。時に厳しくあたることもあるが、それは彼女が将来、自分の力で生きていくためなのだ。彼らは私たちに、身体障害とは何か、家族とは何か、夢や希望、勇気を持つことの重要性を見せてくれた。家族に支えられ、人間として、そしてアスリートとして成長して行く彼女の姿は、私たちに感銘を与えずにはいられない。

The Age of Media

  • Entering organization:Swedish Educational Broadcasting Company (UR)
  • スウェーデン
  • TV /Film/Video

私たちはウートオイヤ島にいる。ここで、アンネシュ・ベーリン・ブライビークが69人を殺したノルウェー連続テロ事件から数ヶ月がたつ。殺されたのは、ほとんどが若者だ。我々は、生存者の一人であるJorid Nordmelanに会った。彼女は当時20歳だったが、2011年の夏を境に人生が一変した。
この番組では、生存者のみでなく、この殺りくを取材したメディア関係者たちにも話を聞いた。多くのリポートでは、隠れたり泳いだりして助かったティーンエイジャーの証言が取り入れられている。多数の若者は、友人が死ぬのを目の当たりにした。ジャーナリストとして、これほど困難な状況をどう乗り切ればよいのだろうか?世界中に配信するには、どの写真が使えるのか?大衆の興味に合わせるには、何を前面に出せばよいのか?そして売り上げを伸ばすためには何が使われるのか?
我々が増大するメディアの消費者であり作り手でもある現在、ジャーナリズム上の倫理ルールは重要な問題である。我々は自分の声を届ける素晴らしい機会に恵まれてはいるが、同時に、発信したものがどのような影響を及ぼしうるかについても、注意が必要とされる。
当番組の教育面でのねらいは、感情と思考に訴えること、メディアの倫理について、また、ソーシャルメディアで若者自身がどのような内容を発信しているかについて、建設的かつ有益なディスカッションを促進することである。教育的な要素を組み合わせることで、この番組は学校でも教材として容易に活用することができるであろう。

SCI - FIGHTING

  • Entering organization:The Institute for the Promotion of
    Teaching Science and Technology
  • タイ
  • TV /Film/Video

三つのセグメントに分かれたリアリティゲームショー。このエピソードは、シリーズ中のほかのエピソード同様、科学・数学・テクノロジーのコンテンツ・原理や、科学ノウハウの応用に、光を当てることをねらいとしている。一つ目のセグメントでは、10点満点のクイズが出題される。二つ目のセグメントはゲームで、科学・数学・テクノロジーの知識を使って問題を解いていく。正解のチームは30スコアを獲得する。最後の三つ目のセグメントでは、競合するチームに、与えられた課題を解決するための機械装置を作らせる。獲得スコアは60。日本賞では、排除のエピソードを紹介する。負けたチームが排除され、勝ったチームが優勝に近づくというものだ。
このエピソードやシリーズの教育上のねらいとしては、チームを競合させることで、彼らが自分たちの持つ科学・数学・テクノロジーの知識を応用し、問題を解決するよう促す、ということである。次いで、一般視聴者向けに分かりやすい言葉で、応用原理が説明される。科学を広く親しみやすくすることをねらいとしたこのエピソード・シリーズを通して、視聴者は、科学は思っていたほど難しいわけでも、込み入っているわけでもない、ということを理解する。

Young Legal Eagles

  • Entering organization:Mandrake Films
  • イギリス
  • TV /Film/Video

これはBBC Learning向けに、ロンドン刑事裁判所と英国中の学校で撮影された教育ドキュメンタリーであり、法律専門職のなぞを解き明かす。英国公立学校の生徒たちは、かつらとガウンを着用して、実際の法廷で起訴したり、弁護したりする。陪審員も若者たちで組まれており、実際の裁判官が監修をしている。訴訟案件は、経験豊かな法廷弁護士とQC(注:イギリスの法廷弁護士の中でも更に少数のものだけが持つ資格)の創作によるもので、「合同企業」についての調査が進められる。数人の学生が、個人に対して攻撃をする設定になっている。この番組を通して、法廷の閉じられた空間で実際に何が起こっているのか、法廷弁護士・裁判官・法廷先導役・法廷書記官・法廷記録係として成功をおさめるには何が必要か、ということを学ぶ。若者たちに法律についての知識を広め、出自に関わらず、立法を担う次の世代となるようヒントを与えることが、このドキュメンタリーのねらいである。
このドキュメンタリーは、学課プランと指導セッション、更に踏み込んだ情報が組み込まれた形で、BBC Learning Class Clipsで採用されている。また、シチズンシップ財団のウェブサイトにおいても、英国の法律と全国模擬裁判コンテストについてのより踏み込んだ解説とともに、紹介されている。

MISSION US: "Flight to Freedom"

  • Entering organization:Thirteen WNET
  • アメリカ
  • Game

本作品は、ゲームシリーズの第二弾。ゲーム自体は、中学生が歴史を学ぶことを目的とした、無料の全く新しいオンラインロールプレイングゲームだ。プレーヤーは、1848年、ケンタッキー州のプランテーションで奴隷として働いている架空の14歳の男の子、ルーシー・キングとなる。ルーシーになったプレーヤーは逃亡を図り、地下鉄道(注:19世紀のアメリカ黒人奴隷が南部から北部への逃亡する際、手助けしていた秘密結社)に助けられてオハイオへと旅立つ。そして“自由な”北部は危険と困難に満ちていることを知る。
『MISSION US』は、より効果的に中学生たちの興味を歴史に向けるという差し迫った要求にこたえるために、開発された。これは、米国公共放送協会が提唱する、生徒の学習におけるデジタル歴史物ゲームがもつ利点評価の一環である。直近の全米学力調査では、8年生のうち、合衆国の歴史について所定の習熟度に達しているあるいはそれ以上にある者は、わずか17パーセントである。『MISSION US』はこの流れを変え、過去における自分のような人物の目を通して歴史を見ることで、子どもたちが歴史に関心を持つようにすることを目指している。
“Flight to Freedom”では、奴隷であった人々の決断が、いかに個人の人生、ひいては国の歴史に影響したか、ということを生徒たちが学ぶきっかけとなる。その決断とは、日常における抵抗といったささやかなものから、奴隷解放を目指した運動までを意味する。生徒たちはインタラクティブゲームで遊びつつ、学校では、関連するディスカッションやアクティビティに参加することで、確固たる批判精神を獲得することになる。また、現実に即した論法や、体系的なものの考え方、決断能力、有効なコミュニケーション方法といった、問題解決能力を手にすることにもなる。そして、テクノロジーを有効に応用することにより、知識や21世紀に必要とされるスキルも提供している。

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