2009年 第36回日本賞

グランプリ日本賞

作品名
きみのニュースはなーに?
機関名
TTアニメーション (TTA)
国・地域
イギリス
カテゴリー
幼児向け

子どもの視点からみた子どものためのニュースショー。対象年齢の4歳から6歳という年代は、子どもが家族だけの環境から、広く大きい世界に目を向け始める時期にあたる。この作品はその移行を、子どもたちに無理なく理解させ受け入れさせるための手助けになることを目指している。この日の主なニュースは女の子が新しく買ってもらったメンドリがいなくなってしまったというもの。(アニメのリポーターが早速他の子どもたちにニワトリのことを聞く。現地へ飛び、ヘリコプターでの中継などライブ感あふれるリポートも展開する。そこへ次のニュースが飛び込んでくる。今度は男の子が新しい長靴を買ったというもの。リポーターは彼にもメンドリ探しの情報提供を求める。)みんなが気をもんでいるうちに、ビッグニュースが。お父さんの協力を得て無事にメンドリが見つかったのだ。インターネットで集めた子どもたちからの本当の情報発信をもとに、巧みにデザインされたアニメーションと実写とを組み合わせ、子どもにとって身近なニュースショーという形をとることで、子どもの目を引きつけることに成功している。

コンテンツ部門

コンテンツ部門 最優秀賞

総務大臣賞(幼児向けカテゴリー)

作品名
きみのニュースはなーに?
機関名
TTアニメーション (TTA)
国・地域
イギリス
カテゴリー
幼児向け

子どもの視点からみた子どものためのニュースショー。対象年齢の4歳から6歳という年代は、子どもが家族だけの環境から、広く大きい世界に目を向け始める時期にあたる。この作品はその移行を、子どもたちに無理なく理解させ受け入れさせるための手助けになることを目指している。この日の主なニュースは女の子が新しく買ってもらったメンドリがいなくなってしまったというもの。(アニメのリポーターが早速他の子どもたちにニワトリのことを聞く。現地へ飛び、ヘリコプターでの中継などライブ感あふれるリポートも展開する。そこへ次のニュースが飛び込んでくる。今度は男の子が新しい長靴を買ったというもの。リポーターは彼にもメンドリ探しの情報提供を求める。)みんなが気をもんでいるうちに、ビッグニュースが。お父さんの協力を得て無事にメンドリが見つかったのだ。インターネットで集めた子どもたちからの本当の情報発信をもとに、巧みにデザインされたアニメーションと実写とを組み合わせ、子どもにとって身近なニュースショーという形をとることで、子どもの目を引きつけることに成功している。

文部科学大臣賞(児童向けカテゴリー)

作品名
小さな彫刻家
機関名
キリスト教放送 (KRO)
国・地域
オランダ
カテゴリー
児童向け

11歳のメーレが木工彫刻に興味を持ったのは9歳のとき。授業の一環で彫刻家のマルコから教えを受けて以来のことだ。そんな彼女に、市内の病院から初めての正式な作品依頼が舞い込んで来た。患者の子供たちを励ますために小児科病棟に彫刻を飾りたいというのだ。彼女が作品のテーマとしたのは「自由」。実は、1年前に3週間の入院生活を送り、退院した時に感じた気持ちを表現したかったのだ。彼女は巨木の幹から2メートルを超す初めての大作を切り出す作業にとりかかった。何かに取り組むことで子供が喜びや自信を得ていく姿を、あたたかく見つめたドキュメンタリーである。

外務大臣賞(青少年向けカテゴリー)

作品名
『種の起源』を実験する
機関名
イギリス公開大学ワールドワイド
国・地域
イギリス
カテゴリー
青少年向け

19世紀半ば『種の起源』を発表したチャールズ・ダーウィン。彼はビーグル号に乗って世界を旅し、様々な種類の植物や動物の生態を目にした。 母国に戻ってからも数々の実験をしたことが今も記録に残されている。番組ではダーウィンが生物の進化を考えるために行ったさまざまな実験を身近に分かりやすく再現している。植物が海を渡る実験では、海水に見立てた塩水の中で種は生き残ることができるのか、海を漂流し海岸に流れ着いた種が新しい土地で芽を出すことを確かめる。自然淘汰についての実験では人が丹誠込めて作り上げた肥沃な土地でも害虫や乾燥等あるがままの状況を作れば、全ての植物が育つわけではなく、強い種類だけが生き残ることを観察する。さらに「猫が多い土地はクローバーが多い」というダーウィンの推測についても実験をしている。こうした実験を積み重ねることで、青少年の視聴者をダーウィンの進化論の世界へといざなう。

東京都知事賞(生涯教育カテゴリー)

作品名
シャークワールド
機関名
ランジ・シリアス・ゲームズ
国・地域
オランダ
カテゴリー
生涯教育

世界初となる大規模なサメの水族館を中国の上海に建設するためのオンライン・シミュレーションゲーム。プレイヤーはドイツ企業のプロジェクトマネージャーという設定だ。前任者が病気になってしまい、急遽、上海へ飛びプロジェクトを続行することになる。そこではクライアントや関係省庁、サメの専門家、建設現場との交渉をうまくこなして行かなければならない。プランニング、マーケティング分析、コミュニケーション能力、予算の管理、さらに異文化に対する理解や配慮など外交的な手腕もおおいに必要とされる。資金・時間・品質等細かく設定し、それらのトータルバランスをうまく調整しつつプロジェクトを進めて行く必要もある。例えば資金を削ったり、時間のスピードアップを無理に図ればどこかの部署で弊害が出るリスクも出てくる。実際の事業さながらにゲームを進めてゆくうちにプロジェクトマネージャーとしての経験や手腕を磨いていくことが出来るゲームである。

NHK会長賞(福祉教育カテゴリー)

作品名
絆よ、再び
機関名
デンマーク放送協会 (DR)
国・地域
デンマーク
カテゴリー
福祉教育

アルコール依存、両親の離婚など、家族に問題がある子どもたちのためのデンマークの学校。親の問題は子どもたちの心に重くのしかかり、深い影を落としている。13歳の少女セシリーの両親は父親のアルコール依存症が原因で離婚した。そのためにセシリーは傷つき、暗い影を抱えて毎日を送っていた。学校で働くサンネはセシリーをはじめとする子どもたちの心のケアをするアドバイザー。ある日、セシリーは親について書く作文をきっかけに、それまでほとんど連絡をとらなかった父親に会いに行く。父親への理解を深めつつあるセシリーと、セシリーが父親に近づくことを認めたがらない母親。サンネはセシリーの家族にとって、最も良い方法を模索する。やがてサンネの働きもあり、セシリーは父との関わりを少しずつ取り戻してゆき、学校での表情も明るくなってくる。子どもに過度の負担をかけることなく、難しい問題を解決するにはどうしたら良いのか?見る人に考えさせようとする作品である。

コンテンツ部門 特別賞

国際交流基金理事長賞

作品名
アフガン難民の苦悩 祖国は今
機関名
シネグラム (CINEGRAM)
国・地域
ギリシャ
カテゴリー
生涯教育

主人公はタリバンの侵攻のため、アフガニスタンからギリシャへ難民として逃れてきた青年カディール。パキスタン、イランの山中を歩きエーゲ海の荒波を小さなボートに乗り命がけで渡って来た。彼は現在、ギリシャ国内からの援助を受けコンピュータサイエンスを教えながら生計をたてている。そのカディールが家族の消息を求めて、祖国アフガニスタンへと赴くことになった。しかし、9年ぶりの故郷は破壊の爪痕が色濃く残り、政情も不安定なまま。苦労の末、遠く離れた土地に住む家族と涙の再会を果たす。しかし彼が選んだのは家族と暮らすことではなく、ギリシャへ戻ることだった。現在のアフガニスタンの状況や祖国を後にした難民が直面する困難な人生を描き出したドキュメンタリーである。

ユニセフ賞

作品名
ひばり
機関名
NTV
国・地域
モンゴル
カテゴリー
生涯教育

モンゴルの炭坑の村を舞台にしたドキュメンタリー。石炭拾いをしながらわずかな収入で生計をたてている子どもたちは「ひばり」と呼ばれている。10歳の少女サヴダアもその一人だ。病気の母親、行方の知れない父親、老いた祖父、姉と小さな弟、生活のすべてが小さなこの少女の肩にかかっている。彼女には学校に行く事はおろか子どもらしく遊んだり、甘えたりする事も許されないのだ。せめて文字を覚えさせて、自分の人生を歩めるようにと願う病床の母。厳しい自然、貧困のなかに彼女の未来はあるのか?リニアコンテンツとしてのテレビドキュメンタリーの手法を生かし、少女の生活のディテールをつぶさに追いながら、背景にある貧困の現状をリアリティーをもって浮かびあげている。

シリーズ番組部門

シリーズ番組部門 最優秀賞

前田賞

作品名
ワンダーペッツ!
機関名
リトル・エアープレイン・プロダクションズ (LAP)
国・地域
アメリカ
部門
シリーズ番組

ワンダーペッツのもとへ今日も世界中の悩める動物から助けを求めて電話がかかる。この回はインドのベンガル虎から、刺さったトゲが痛くて歩けないので抜いてほしいとの依頼だ。早速インドへ向かうワンダーペッツ。ワンダーペッツを見たベンガル虎は、こんな小さな動物に何が出来るの?と疑いの目を向けます。しかし、ワンダーペッツは出会ったネズミの協力を得て、みんなで力を合わせトゲを抜き取ります。このシリーズ作品は、ワンダーペッツのさまざまなチャレンジを通じ、一人では困難なことも力を合わせれば解決できるという、チームワークの大切さを教えてくれる。

企画部門

企画部門 最優秀賞

放送文化基金賞

作品名
ねぇ、知ってる?
機関名
スワジランド・テレビ
国・地域
スワジランド
カテゴリー
青少年向け

普段ニュースの見る機会の少ない10代の子どもたちに最新のニュースを親しみやすく伝えることを目的としている。「ねぇ、知ってる?」では、まずスタジオのアナウンサーに見出しニュースを読み上げて紹介してもらう。それからインタビューに移り、若年層向けにかみ砕いた報道をしてもらう。子どもの為の子どもによる番組であり、アナウンサーもレポーターも12歳から18歳の子どもたちである。各ニュース枠に項目は4つ(各3分)で、最終項目で市民ジャーナリストのレポートが入る。そのタイトルは「今日はどんな誇りに思えることをした?」で、その週における子どもたちにとってのベストストーリーを選ぶ。番組には、障害をもった子どもたちも楽しめるように、手話や字幕が入る。ニュースを子ども向けにわかりやすく伝え、子どもたちの身の周りに起こる事件と、その解決の方法を提案していく。

企画部門 特別賞

日本ユネスコ協会連盟賞

作品名
ツェハイ 文字を学ぶ
機関名
ウィズ・キッズ・ワークショップ
国・地域
エチオピア
カテゴリー
子供向け

エチオピア語のアルファベットには35の原型があり、それぞれが7つの型に変化して245もの文字になる。現在の子どもたちにこのアルファベットを教える一般的な方法は、子どもたちが245の文字を何度も何度も大きな声で繰り返しながらノートに書き写すこと。彼らは教育が始まってからの最初の一年はほとんど毎日これを繰り返す。これは極めて効率の悪い教え方であり、その結果子どもたちは学校が嫌いになり中退率も上がる。現在、小学校1年生に入学する生徒は男子で71%、女子で66%。一方、小学校の出席率は男女ともわずか45%だ。5年生まで達するのは68%と推計されている。中学校の出席率は男子30%、女子23%に過ぎない。しかし、エチオピア語アルファベットを教える、音声を中心とした、系統的でインタラクティブで楽しい方法が開発された。この方法はエチオピアの教育に大きな恩恵をもたらす可能性がある。この企画はツェハイというエチオピアで人気のキャラクターと共に、新しい方法でエチオピア語を楽しく学んでもらうことをめざしている。歌やアニメを使ってテンポよく番組を進めることで、学習効果を高める工夫もされている。

審査委員

コンテンツ部門

第1部会

幼児、児童向けカテゴリー、シリーズ部門(~12歳)

コンテンツ部門審査委員長

名前:
デイヴィッド・クリーマン
国・地域:
アメリカ
所属機関名:
アメリカ子どもメディアセンター 理事長

第1部会リーダー

名前:
チャン・ライペン
国・地域:
シンガポール
所属機関名:
教育省 学習科学技術局 教育工学部 副部長
名前:
ベス・カルモナ
国・地域:
ブラジル
所属機関名:
シンギュラー・メディア・アーキテクチャー コンテンツ・ディレクター/MEDIATIVA 会長
名前:
サラ・デウィット
国・地域:
アメリカ
所属機関名:
PBSキッズ・インタラクティヴ シニアディレクタ
名前:
サラ・ハーキンス
国・地域:
イギリス
所属機関名:
BBCスコットランド 子ども局 エグゼクティブエディター

第2部会

青少年向け、生涯教育カテゴリー

第2部会リーダー

名前:
アヴァ・カーヴォネン
国・地域:
カナダ
所属機関名:
リール ガールズ メディア 社長
名前:
馬場 章
国・地域:
日本
所属機関名:
東京大学大学院 情報学環 教授/日本デジタルゲーム学会 会長
名前:
パル・シポス
国・地域:
ハンガリー
所属機関名:
ハンガリー国営テレビ(MTV) 文化番組部長
名前:
ヴァルター・スッヒャー
国・地域:
ドイツ
所属機関名:
南西ドイツ放送協会(SWR) 教育・科学局長
名前:
トニー・ライト
国・地域:
オーストラリア
所属機関名:
ディッセンバー・フィルムズ 統括プロデューサー

第3部会

福祉教育カテゴリー、シリーズ番組部門(13歳~、大人)、企画部門

シリーズ番組部門審査委員長

名前:
タピオ・クイオラ
国・地域:
フィンランド
所属機関名:
フィンランド放送協会(YLE) 学習科学局長

企画部門審査委員長

名前:
メレディス・ニアマン
国・地域:
アメリカ
所属機関名:
WGBH教育財団 国内番組副編集主幹

第3部会リーダー

名前:
マッツ・ルンディン
国・地域:
スウェーデン
所属機関名:
スウェーデン教育放送(UR) エグゼクティブプロデューサー
名前:
ジュン・インソン
国・地域:
韓国
所属機関名:
国際基督教大学 教養学部 教授

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