イベント

Japan Prize 2022
 イベント&授賞式

11月2日(水)

午後5時~6時10分

ファイナリスト作品上映会:共感

「共感」は人間が社会生活を営んでいく上で欠かすことができない能力だ。
このセッションではファイナリスト作品から、「共感」を軸に障害やジェンダー、貧困、難民問題など困難な社会問題に迫る作品を紹介。
登壇者は、子どもたちがよりよい世界を築いていけるように、教育メディアの制作者として、共感を育むストーリーを紡ぎ続けていくことの重要性を語った。

*このセッションで紹介されている作品の映像は、日本賞ホームページ用に短く編集してあります。

上映作品

  • アイラブみー
    • I046 アイラブみー
    • 日本
    • 包括的性教育(CSE)の入門編となることを目的としたシリーズです。このエピソードではくすぐりに焦点をあてます。「こちょこちょ」は無邪気に行われることが多いのですが、くすぐられるのが嫌な人もいますし、性的虐待につながっているケースすらあります。くすぐりという身近なテーマを通して、パーソナルスペース、同意の概念、子どもの「からだの自己決定権」(right to bodily autonomy)について掘り下げます。
  • ペッツィ学校の動物たち
    • I049 ペッツィ学校の動物たち
    • スウェーデン
    • ペッツィ幼稚園に通う動物たちには、楽しいことも困ったことも起こります。誰かが名前のことでいじめられていたら、どうしたらいいの?お友だちが幼稚園に行きたくないときには、どんな声をかければいいの?今回のエピソードでは、犬のウールがハグされるのを嫌がって「やめて」と言います。だって、お友だちに悪気はなくても、「やめて!」と言われたらやめるべきでしょ。
  • クロックハウス:体はあなただけのもの
    • E059 クロックハウス:体はあなただけのもの
    • オランダ
    • 不適切で不道徳な性的行為は、深刻な社会問題になっています。このエピソードでは、心理学者と子どもの頃に性的虐待を受けた女性が、スキンシップについてのルールと経験を語ります。どういう状況ならスキンシップを受け入れていいのか、いつならダメなのか。体はあなたのものであって、主導権はあなたにあるということ。悪いことが起こったときはどうすればいいのか。何よりそれは、決してあなたのせいではないということ。
  • ドゥーニャとアレッポのお姫様
    • E061 ドゥーニャとアレッポのお姫様
    • カナダ
    • 国を追われたドゥーニャとおじいさん、おばあさんは、新しい家を探す旅に出ました。安息の地を求めて世界中を回っていると、ドゥーニャはたくさんの人と出会い、予期せぬ出来事に遭遇します。乗り越えられないような問題が立ちはだかったときには、古代の賢人が、植物のタネや祖国の英雄へと姿を変えて、助けてくれます。
  • まだ見ていないすべてのもの
    • Y001 まだ見ていないすべてのもの
    • デンマーク
    • 息子のシーラスが、校庭にいる友だちを見分けられなくなった。母のクリスティーナはそれが何を意味するか、身をもって知っている。「視力を失いかけている」、自分が子どもだった頃と同じだ。悪化するとすべてがどう変わるかも、クリスティーナは知っている。次第に光を失っていく息子に、どうやって勇気や自信を教えることができる?
  • スポットレス
    • Y009 スポットレス
    • オランダ
    • 生理になっても、15歳のルビーは生理用品を欲しいと母親には言えない。買う余裕がないと知っているからだ。周りに負担をかけまいと、ルビーは自分で問題を解決しようとする。多くの人にとって未知の問題である、「生理の貧困」に焦点を当てた短編ドラマ。
  • メデューヤ:傷を癒やす
    • L019 メデューヤ:傷を癒やす
    • コロンビア
    • さまざまな立場の女性が、個人的な体験について思いの丈を打ち明け、差別、暴力、男女不平等といった人権侵害にさらされた経験に向き合う。実際におこった出来事を体験談として語る中で、自らの記憶を解きほぐし、あらためて分析し、新たな価値を与える。その姿は、コロンビアの首都ボゴタのシンボルツリーであるクルミの木が、根を広げてゆく様子に象徴されている。
  • ヤング プラトン
    • L023 ヤング プラトン
    • アイルランド
    • エルビス・プレスリーを愛するケビン・マカリビー校長は、都市の荒廃、宗派間の抗争、貧困、薬物乱用に苦しめられる、低所得者が多く住む地域の運命を変えようと決意する。番組はこの型破りな教師の夢を追う。紛争終結後のベルファストにある男子校で、ケビン校長は日々、古代ギリシャの哲学者の知恵を説く。すると生徒たちは、小学生という早い段階で、暴力に疑問を呈するようになっていく。
  • ひとりぼっち
    • L064 ひとりぼっち
    • カナダ
    • アフシンとアランとパトリシアは命の危険を感じ、たったひとりで祖国を後にした。同伴者のいない未成年として、カナダですべてを一からやり直すことになる。より良い人生を送りたいという願いを胸に抱きながら。 実写とアニメを織り交ぜたこの作品を、希望にささげる。すべてを——両親すらも——祖国に置いてこなければならなかった未成年の若者たちは、どのようにして新しい国での再出発をはたすのだろうか。
アルダナ・ドュハルデ
モデレーター

アルダナ・ドュハルデ

写真家/ジャーナリスト/脚本家

アルゼンチン

写真家、ジャーナリスト、脚本家、コンサルタント。文化・教育番組の制作やチャンネルプロデュースに携わる。プリジュネス・インターナショナルの「The day I become strong(私が強くなった日)」プロジェクト、フリープレス アンリミテッドの「WADADA News for Kids(子どものためのWADADAニュース)」プロジェクトのトレーナーとして貢献した。「チルドレン・イン・ザ・センター」基金の理事会メンバー。プリジュネス・スーツケースを筆頭に、メディアと子どもをテーマにした国際的な取り組みでディベートやワークショップのモデレーターを務め、ブエノスアイレス大学では子ども向けメディアに関する大学院セミナーを開設。子ども向け国営チャンネル、パカパカではコンテンツディレクターとして『Sound Hunters(サウンドハンターズ)』 『Petit(ペティート)』『PakaData(パカデータ)』などの番組フォーマットを開発した。CONACAI(幼少期の聴視覚コミュニケーションに関する国家諮問委員会)の常任委員でもある。

ファラズ・オズマン
プレゼンター

ファラズ・オズマン

ゴールド・ワラ 最高責任者

イギリス

制作会社ゴールド・ワラの創設者および最高責任者。近作に、子ども向け公共放送CBeebiesの『What’s On Your Head?(あたまの上にあるものなーに?)』、BBC「Tiny Happy People(小さなハッピーピープル)」(児童の言語スキル育成支援キャンペーン)の『The Parent Rap(あかちゃんのためのラップ)』、BBC Threeの『My Mate’s A Muslim(ともだちはムスリム)』、子ども向け放送チャンネルCBBCの短編ドラマ『Listen, Dad(パパ、きいて)』、『Yo! MTV Raps Streets(Yo! MTVラップ・ストリート)』など。アップル、レッドブル、ソニー、vevoほか多数のブランドとコラボ。若者向けインディーズ系制作会社レモネード・マネーの最高経営責任者や公共テレビ局チャンネル4の教育部門編集主幹を歴任。現在、英国アカデミー賞児童および青少年委員会議長、ブロードキャスト・マガジン誌の連載コラムニスト、およびメディア・ポッドキャストのコメンテーターを務めている。

シモン・ケスラー
プレゼンター

シモン・ケスラー

ドキュメンタリー映像作家

フランス

パリを拠点とする映像作家および撮影監督。アメリカ、カナダおよびオーストラリアで活動実績あり。ナショナル ジオグラフィック、ディズニープラス、カナル・プリュス、テー・エフ・アン(TF1)など、フランス内外のテレビ・ネットワークで多数のドキュメンタリー番組を監督。過渡期にある人物、場所、組織等の綿密な描写にフォーカスした作品で、社会問題や環境問題に重点が置かれている。2020年のドキュメンタリー『Generation Greta(ジェネレーション・グレタ)』(ヨハン・ブーランジェと共作)は、日本賞のファイナリスト作品。趣味は料理(ベジタリアン)、ウクレレ演奏、娘と歌を歌うこと。

ガニー・ヒョン
プレゼンター

ガニー・ヒョン

韓国教育放送公社(EBS)、EBS国際ドキュメンタリーフェスティバル(EIDF) エグゼクティブ・プロデューサー

韓国

建築学を専攻後、アメリカでマス・コミュニケーション学の学士号、テレビ・映像学の修士号を取得。韓国教育放送公社(EBS)に入社しドキュメンタリー番組の制作を始める、EBS国際ドキュメンタリーフェスティバル(EIDF)の創設メンバー。ラジオ・ネーデルランドで初の海外勤務。マレーシアに本部を置くアジア太平洋放送連合(ABU)に長く務め、上海、シカゴ、リオデジャネイロなどの映画祭で審査委員を、Tokyo Docs、アムステルダム国際ドキュメンタリー映画祭(IDFA)、ホットドックス・カナダ国際ドキュメンタリーフェスティバルではデシジョン・メーカーを務めた。『Architecture Happiness(建築の幸福)』『Our Urban City(私たちの都市)』『Memories of Sten Bergman(ステン・バーグマンの思い出)』などのEBSプライム・タイム・ドキュメンタリー・シリーズ番組を制作。現在は、EBS国際ドキュメンタリーフェスティバル(EIDF)のエグゼクティブ・プロデューサー。EIDFの上映作品のほとんどが公共放送のEBSで放送されることになる。

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