グランプリ日本賞

青少年向けカテゴリー最優秀賞 <外務大臣賞>

青少年向けカテゴリー最優秀賞 <外務大臣賞>
#タグづけされた世界
機関名 VERTOV
KRO−NCRV
オランダ公共放送(NPO)
国/地域名 オランダ
メディア 映画
(アナ・ビルゲルソン・ダルバーグ)

 スマホは、現代の若者たちの生活をどのように形作っているのでしょうか。「#タグづけされた世界」は短時間でかつ効果的に、この問題について考え話し合わなければという気持ちをかき立てます。若者たちが見てすぐに理解できるよう、革新的な手法が使われています。


 14歳の少女のスマホを通して語られる彼女の24時間。スマホは少女の生活の中心であると同時に、映像の中心でもあります。オンライン上の生活と、友人や家族のいる実生活の間でバランスをとろうともがく少女は、事態が手に負えなくなったとき、想像もしなかった結果に直面し、その影響は長く続くことになります。


 スマホの画面上で繰り広げられる物語を見ていると気付かされます。スマホによって、私たちの存在がいかに左右されているのか。さらには、自分をとりまく世界から、どのように切り離されているのか。私たちは皆、若い人たちは特に、自分自身や他者について何を投稿するのか、よく考えなければなりません。

(マルティン・ウィンクラー)

 私たちは、ある使命を持って「#タグづけされた世界」の制作に着手しました。生活においてスマホがどんな役割を果たしているのか、若者と大人、どちらの意識も高めることです。安全のため車ではシートベルト着用があたりまえであれば、デバイスから子どもと自分を守る術を考えない理由はありません。そうすれば利点を大いに活用しつつ、コントロールできるのです。


 この作品は、その問いに軸を置きました。ソーシャルメディアが持つ心地よい親密性と恐ろしい破壊力が、14歳の少女が所有するスマホ視点で語られます。一目でそれとわかる画面を直視し続ける視聴者は、実体験しているような感覚に陥ります。


 世界各地でこの作品が話の種になったことは励みとなっています。こうした会話が、何らかの方法を見出す助けになることを願います。私たちのためにテクノロジーがあり、その逆ではないのです。

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