クリエイティブ・フロンティアカテゴリー最優秀賞<経済産業大臣賞>

第45回日本賞 優秀作品

クリエイティブ・フロンティアカテゴリー最優秀賞 <経済産業大臣賞>
わたしを葬って〜シリアからの脱出
機関名 ザ・ピクセル・ハント
フィグス
アルテフランス
国/地域名 フランス
メディア ゲームアプリケーション
(ロブ・ミクロークリン)

 「わたしを葬って」は、新しい技術で描くストーリーでも、心に深く働きかける体験を伝えられると証明しました。ここで語られているのは、こんにちの最も深刻で重要な問題に関する体験です。作品には、メッセージアプリのインターフェイスと絵文字を交えた視覚的な言葉が使われています。制作者たちは、新しい表現形式と今どきの語り口を丹念に融合して、プレイヤーが感情移入しやすい状況設定をよく考え抜いて構成しました。


 意欲的な作品であり、その飾り気のなさとは裏腹の周到な企画と緻密に実行されるプログラムにより、インタラクティブな体験としてとてもうまく機能しています。このプロジェクトには教育的にみて非常に大きな可能性がある、審査委員は満場一致でそう評価しました。実際に国境を越えて共感を呼び、その結果として移民に対する考え方が変わるかもしれません。

(フローラン・モラン)

 「日本賞」クリエイティブ・フロンティア カテゴリーの最優秀賞に選ばれ、とても光栄に思います。ザ・ピクセル・ハント、フィグス、アルテフランスの誰もが大喜びでした。ファイナリストに残った作品の質の高さを見ればなおさらです。


 世界にはいま、取り組むべき難問、不安な話題、軽減すべき危険があふれています。気候変動は世界規模での強制移住をもたらすでしょう。ナショナリズムの台頭は、国家間の緊張を誘発しかねません。要するに、未来は不確かなのです。


 しかし教育こそが、その不安と向き合う最善の方法であり、建設的な対処法を考え出す決め手であると信じています。人は、あまり知らないことに対して恐怖を覚えます。そして恐怖によって立ちすくんでしまいます。それが、「わたしを葬って」を制作した理由の1つです。この点に関して、「日本賞」にその価値を評価されたことを嬉しく思います。

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