第44回日本賞 優秀作品

特別賞 <国際交流基金理事長賞>
アイハム 僕の新しい生活
機関名 スイス公共放送 SRF
国/地域名 スイス
メディア テレビ
(マーカス・ニケル)
「アイハム 僕の新しい生活」は、家族とともに戦禍のシリアを逃れ、難民となり、数カ月の旅の果てにスイスに辿りついた、少年アイハムの姿を描いたすばらしい短編作品です。私たち審査委員はアイハムにとても好感を持ちました。視聴対象年齢の子どもたちや、あらゆる層の視聴者も、きっとアイハムを好きになるだろうと思います。家族とともに叔父が住むチューリッヒに移ったアイハムは、新天地で友だちと自分の居場所を見つけるにはどうすればよいか悩みます。アイハムが悩み努力する様子を描写した手法は、審査委員の高い評価を得ました。この作品を観ると、難民になることはどういうことなのか明確に知ることができるのです。視聴者の共感や理解を促し、アイハムのストーリーは世界共通のものであると、私達に気づかせてくれます:彼と同じ境遇に置かれれば、私たちの誰もがアイハムになるのだと。
(イロナ・シュテンプフリ)
「アイハム 僕の新しい生活」が国際交流基金理事長賞をいただき、とてもうれしく、光栄に感じています。私たちにとっても、アイハムにとっても、たいへん意義のある受賞です。14歳になったアイハムは、今でもスイスで家族と一緒に暮らしており、熱心にサッカーに打ち込んでいます。シリア難民のアイハムのストーリーは、移民の社会統合は友情と相互理解を通して実現できることを示しています。温かく「ハロー」と呼びかけ、一緒にサッカーをしようと誘うだけで、誰かが受け入れられていると感じ、幸せな気分になれるのです。このようなことは、毎日、世界のどこかで起こりうることです。アイハムの気持ちや恐れや望みは、誰もが理解できるものです。この作品によって、難民の置かれている状況に対する人々の理解が深まり、地域や学校やサッカークラブに新しく入ってきた人たちに気軽に「ハロー」と言えるようになることを願っています。

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