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ケベック州の小学校のクラスで、女性教師が“差別を体験させる授業”を行う。それを記録し、女性教師へのインタビューとあわせて構成したドキュメンタリーである。
ある日、教師は生徒たちに、「背が低い人は、背の高い人よりも優秀で、創造的で、何でも丁寧にできると科学の本に書いてありました」と話し、「身長 1m34cm を境にクラスを2つに分けましょう」と背の高い生徒に赤いベストを着せる。それを前提に授業が行われ、背の高い子が黒板で問題を解くと、「ほらね、字がきたないでしょう?やっぱり、背が高い子だからね」などと話す。背の低い子どもは「休み時間の5分前に教室を出てよい」「雪遊びをしてよい」といった特権を与えられ、目を輝かせる。実際に自分が「差別」を受けたらどう感じるかを体験させる授業なのである。2日目に立場を交代させた時、予想した効果が出ないと教師が嘆く場面もある。
この授業は、1970年に放送された番組が元になっている。アメリカ人の女性教師が、青い目の子は優秀で、茶色の目の子は劣る、と教えて人種差別を経験させ、その実験授業が放送されて話題になった。それを見た小学校の教師が、生徒の親、委員会、校長の了解をとって実施した、と番組中に説明がある。
2日間の実験授業から3週間後。こういう経験は子どもたちの“心に刻まれる”ので、差別や侮辱の軽減に繋がるでしょう、と教師は語る。 |
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