小石川養生所の責任者である医師。薬品の影響で髭が赤茶に見えることから「赤ひげ」と呼ばれる。武骨で、時に大声でわめき散らしかんしゃくをぶつけたりもするが、その内には優しさを秘めている。貧しい者には無料で治療を行い、金持ちには薬料を高額で売りつけ、時に幕府権力を巧みに使うなど清濁併せ持つ市井のヒーロー。
長崎でオランダ医学を学び江戸へ戻ってきた青年医師。遊学中に婚約者に駆け落ちされた上、お目見え医になる約束もほごにされ養生所へ。当初は養生所で働くことを不本意として反発していたが、やがて赤ひげの医療に対する姿勢に惹かれてゆく。貧困の病人と接することで、医師としてすべきことを見いだし人間として成長してゆく。
父の反対を押し切り医者となる。やや柔軟性に欠ける所もあるが、心酔している赤ひげの教えに忠実。病人を治すため多くの医術を身に着けようと勉強を重ねる努力家。
面倒くさがりでうわさ話が大好き。趣味は三味線。人生経験が豊富で、もめ事などには上手く立ち回る。冷めているようで病人を救いたいという思いを内包している。
伊勢屋の娘で気うつ症の入所患者おゆみの世話人をあるじから任されている。不満も漏らさず懸命におゆみの世話をしている。その凜とした姿や笑顔が周りの者を勇気づける。
長く勤めている養生所の使用人。去定や保本の通い療治にお供をする。無口で何を考えているか分からない。
公儀表御番医。ちぐさ、まさを姉妹の父。ちぐさが駆け落ちしたことを恥じ、ちぐさを勘当。赤ひげこと新出去定とは旧知の仲。
公儀表御番医、天野源伯の長女。利発で才色兼備な女性。保本登と婚約をしていたが、他の男と駆け落ちしてしまう。
ちぐさの妹。姉・ちぐさとは対照的でおっとりとしている。父・源伯から姉の勘当を解く手助けを願い養生所の保本の前に現れる。
快活な性格で養生所のムードメーカー。
無口で表立って感情を出さないが情が深い。
最年少でちゃめっ気がありうわさ話が大好き。