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私にも出来るヒグマ対策!

~飯尾が放棄果樹の伐採ボランティアに挑戦~
  • 2024年6月4日

“クマの市街地への出没を減らすために私たち市民にもできることがある”と聞いて、その活動に参加してきました。向かった先は、札幌市南区北ノ沢の住宅。敷地にあるサクランボやクリなどを伐採するボランティア活動の現場です。

(1)市民参加のクマ対策って?

現場に到着すると、総勢20人のメンバーが作業の準備中。ボランティア活動の呼びかけ人でフットパスの専門家の小川巌さんをリーダーに、チェーンソーの使い手など、そうそうたるメンバーだけでなく、「クマの足跡をよく見るので貢献したい」と話す地元の人もいて、どうやら私でも役立ちそうです。

なぜ果樹を伐採するのがクマ対策なのか? 手入れされないままになっていると、実った果実がヒグマを引き寄せる原因になってしまうのです。
果樹のなかでも注意が必要なのが“サクランボ”。春から夏に向かうこの時期、クマたちが食べていた山の草がかたくなっていき、食べ物が乏しくなっていきます。秋のドングリやヤマブドウがなるまでにはまだ当分かかりそう…。

そんな時期に、誰も面倒を見ていないサクランボの木に、赤くて甘い実がなっているのを見つけてしまったら、恰好の餌場になってしまいます。そこで、サクランボが実をつける前のこの時期に切り倒して、ヒグマを引き寄せる原因を取り除いてしまおうというのです。

5月30日のサクランボの木
よく見ると青い実がついています

(2)去年クマが出没した場所で、いざ作業!

今回、果樹を伐採する現場では、去年のいまごろ、敷地にあるサクランボの近くに親子のクマが出没していました。幸い、けが人などはいませんでした。その時、自宅の窓からヒグマの様子を目撃した女性は—

「この場所に住んで50年になるが、初めてクマを見て怖かった。作業に人手が必要なので、ボランティアは助かります」

敷地内にサクランボやクリなど、実のなる木を数10本植えて、家族で楽しんできたということですが、歳を重ねるにつれてあまり利用しなくなり、伐採を依頼することになりました。

樹木の伐採は素人ではなかなかできません。そこで、普段からチェーンソーを使い慣れている専門家の出番。直径20センチほどもあるサクランボの木を、一気に切り倒します。
ここからは、私たち、”一般”ボランティアの出番です。切り倒された木の枝を、ノコギリを使ってどんどん小分けにしています。実はこの作業が、意外に手間がかかる工程で、力はそれほど必要ありませんが、枝を細かく切っていくのには、人手と(ちょっと)根気が必要です。

このほかにも大事な作業があります。それは、ヤブの刈り払い。クマはヤブの中に身を隠しながら移動します。なので、そうしたヤブを取り除いて見通しをよくすることが、出没を抑えることにもつながります。
休憩を取りながら4時間の作業で、住宅の敷地内は、見通しがきくようになりました。

(3)ボランティアだからできること

ヒグマを引き寄せてしまう放棄果樹の問題は、手入れが行き届かない果樹があるけれど高齢化で伐採する人手がない、私有財産なので行政が伐採するわけにもいかないという、悩ましい状況にありました。
この事態を解決できるのがボランティアの存在です。

2020年からこの放棄果樹の伐採ボランティアをしてきた小川巌さんは

「市民ができるクマ対策もあると思います。全部役所任せにするのでは無く、市民参加でやるきっかけになればとはじめました。続けてきたところはクマがあまり出てこなくなったという声もよく聞きます。これは1つの成果だと思います」

通称「クマボラ」の呼びかけ人
小川巌さん

札幌市によると、こうしたヒグマ対策のボランティア活動は、市内の各所に広がっているとのこと。身近な場所で市民ができるヒグマ対策、ぜひ探してみてください。

(おまけ)ぜひ参考に!ボランティアファッション

\Point/
✔帽子・・・これからの時期熱中症対策に必須
✔首巻タオル・・・汗対策だけでなく害虫対策にも
✔長袖長ズボン・・・日焼け対策とけが防止
✔軍手・・・ノコギリ使うとマメができます トゲのある植物対策
✔長靴・・・これがあれば湿ったところも快適
✔夏場は“黒NG”ハチ対策です

  • 飯尾夏帆

    アナウンサー

    飯尾夏帆

    2019年入局。大分局を経て昨年度から札幌局。現在は北海道で放送中のニュース情報番組「ほっとニュース北海道」を担当。

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