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室蘭出身 女性の審判員第一人者 サッカーへの思い

  • 2024年5月17日

日本人女性として初めて女子ワールドカップの決勝で審判を務め、女性の審判員の第一人者と知られるのが室蘭市出身の大岩真由美さんです。現在は、この夏に初めて室蘭市と伊達市で開催される全国高校総体=インターハイの女子サッカーの準備をしながら、多くの人にサッカーの魅力を知ってもらいたいと取り組んでいます。(室蘭放送局記者 小林研太)

女性の審判員の第一人者

室蘭市出身の大岩真由美さん(52)。現在は登別市の中学校で事務職員として勤務するかたわら、北海道サッカー協会の副会長も務めています。中学生のころ、地元の高校生が活躍する姿をテレビで見て、サッカーのとりこになったといいます。

大岩真由美さん
「私が中学生のときに、地元の高校の男子サッカー部が全国大会で3位になったのをテレビで見たんです。そのときに『ああ、サッカーってすごい!』って思いました。それが、サッカーの魅力にハマった最初のきっかけですね」

そして、高校卒業後には仕事をしながら室蘭市で少年サッカーチームのコーチを務め、よりサッカーに深くかかわろうと審判員の資格を取得しました。

2005年 JFLの試合を担当する大岩さん

徐々に技術を高め、2004年には女性として初めて日本サッカー協会の1級審判員となりました。その3年後に開かれた女子ワールドカップでは決勝で審判を務め、国際舞台で活躍した女性の審判員の第一人者として知られるようになりました。

しかし、大岩さんはワールドカップを終えると審判員としての現役を引退しました。その決断の裏には、歴史をつないでいきたいという思いがありました。

大岩真由美さん
「ワールドカップも最初で最後のチャレンジにしようって決めていました。仲間のために道を譲るじゃないですけど、私はもう十分だから、今度は仲間の誰かが世界でチャレンジしてほしいという思いでした」

指導者としての道を歩む

その後、大岩さんはふるさとの室蘭市で新たな形でサッカーと向き合います。2010年には、現在の北海道大谷室蘭高校の女子サッカー部監督に就任しました。指導者として選手の育成に励む中で、新たな大きな舞台ができました。それが、全国高校総体=インターハイです。「なでしこジャパン」が女子ワールドカップで初優勝したよくとし、2012年に女子サッカーがインターハイの種目に加えられたのです。

監督として、大岩さんが掲げていたのが「選手自身が考えプレーするサッカー」でした。大岩さんが就任した年にチームに加わり、3年生となった選手たちが期待に応え、北海道の代表として初めてのインターハイでベスト8に輝きました。

2012年 インターハイに臨む北海道大谷室蘭高校

大岩真由美さん
「初めて出る大会で選手たちが本当に頑張ってくれました。相手チームにも物怖じせず、やりきってくれたなっていうのを今でも覚えています。競技がインターハイに加わったことについてはすごくうれしかったというか、『この世代、高校年代の女子サッカー選手にも可能性が広がってきたな』という喜びの気持ちでした」

インターハイがふるさとで

それから12年がたち、この夏、インターハイが室蘭市と伊達市で初めて開かれることになりました。大岩さんは、今度は実行委員会の役員として、大会の運営にかかわることになりました。ふるさとで大会が開かれることには特別な思いがあるといいます。

大岩真由美さん
「全国大会、インターハイが自分の地元で開催されるっていうのは本当に特別な思いがあります。今こうして自分がサッカーに携われて、いろいろなことをチャレンジさせてもらえて、いろんな経験をさせてもらったのは、やっぱり振り返ると、自分のそばに、室蘭にサッカーがあったからです」

大会に向けた準備に取り組む中、大岩さんの姿はかつて指導にあたった高校のグラウンドにありました。チームから声をかけられ、激励に訪れました。

この日、選手たちが取り組んでいたのが、あえて走らずに行う試合形式の練習でした。スピードや力に頼らず、考えて動く意識を持たせるのが狙いです。指導にあたっていたのはコーチの三澤絢子さん。大岩さんが監督に就任した年の3年生で、その時に学んだ「考えるサッカー」を受け継いでいました。

北海道大谷室蘭高校 女子サッカー部 三澤絢子コーチ
「トレーニング中はできるだけ選手たち自身に考えてもらって、私たち指導者はどうしたらいいかを導く指導を心がけています。大岩さんにも、『指導者ではなく選手自身が考えることが大事』ということをずっと教わってきたので、それを自分の指導にいかしてやっています」

教え子からさらに若い世代にみずからのサッカーへの思いが伝わっていると感じた大岩さん。懸命にインターハイを目指す選手や指導者の姿を見て、改めてインターハイという舞台の意味を実感しました。そして、選手たちが輝ける舞台を地元で整え、大会を通じてサッカーの魅力を多くの人に知ってもらいたいという思いを強めました。

大岩真由美さん
「サッカーで本当にたくさんの人に恵まれ、たくさんのチャンスに声をかけていただいて、人間としても成長させてもらえたと思います。1人でも多く、このインターハイをきっかけにサッカーの魅力に気づいてもらって、サッカーの道を、あるいはサッカーの世界に入ってきてくれたらうれしいなと思います」

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  • 小林研太

    室蘭局記者

    小林研太

    東京で雑誌編集者を経て2021年入局。地元でもある初任地の室蘭放送局でスポーツや市政、選挙報道などを担当。趣味は自転車ロードレースと室蘭の工場夜景撮影。

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