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メロディー式の信号機 今どこにある?

  • 2024年4月26日

皆さんから寄せられた疑問を調べてお答えする「シラベルカ」。
今回は「音が出る信号機」について質問をいただきました。

街の色々な場所にある音の出る信号機。今主流のものは『カッコー』や『ピヨピヨ』といった鳥の鳴き声ですが、少し前までは『通りゃんせ』などの音楽が流れる信号機でした。最近道内では聞きませんが、音楽が流れる信号機が今もあるのか調べてほしいです。

確かに昔は信号機から音楽が流れるのをよく聞きましたが、最近はあまり聞かなくなりました。取材班が調べてみると、道内にもまだ音楽が流れる信号機があることがわかりました。音が出る信号機を通して見えてきた、安全性を求めて進化を続ける信号機の最新事情についてもお伝えします。(旭川局・伊勢谷剛史カメラマン)

道内唯一の音楽が流れる信号機

音楽が流れる「メロディー式」の信号機が道内で設置されているのは、ずばり旭川市。旭川市民にとってなじみ深い常盤ロータリーの旭橋側に、その信号はあります。

旭川市にある常盤ロータリー

この信号、青になると童謡「故郷の空」が流れます♬
北海道警察本部によりますと、音楽や鳥の鳴き声など音が出る信号機は道内におよそ1200基ありますが、そのうち音楽が流れるメロディー式の信号機はこの1基だけだということです。

道内に唯一残る「メロディー式」の信号機

メロディー式信号機は、道内では昭和48年に札幌駅前に初めて設置されました。それ以降、各地で設置が進みましたが、今ではほとんどが鳥の鳴き声が流れる信号機に入れ替わっています。常盤ロータリーにも3基の歩行者用信号がありますが、音楽が流れるのは1基だけです。旭川にメロディー式の信号機が最後まで残った理由は特になく、たまたまだということです。

しかし、この信号機も今年度中に更新時期を迎えて交換される予定だということで、近いうちに道内からメロディー式信号機は無くなる見通しです。

なぜ音楽が流れるメロディー式信号機は減ったのか?

メロディー式信号機が減ったのは道内だけではありません。全国ではかつて2000基ほど設置されていましたが、警察庁によりますと令和5年3月末の時点で278基しか残っていないということです。

代わりに増えたのが鳥の鳴き声が流れる「擬音式」と呼ばれるタイプ。なぜ音楽が流れるタイプから切り替えが進んだのか。それは、視覚に障害のある人へのわかりやすさを重視したからです。

北海道では原則として、交差点の南北に渡る信号からは「ピヨ」という音が、東西に渡る信号からは「カッコー」という音が流れます。

そして、南北の信号のうち、道路の南側からは「ピヨ」、北側からは「ピヨピヨ」という音が交互に流れます。こうすることで、例えば南から北に渡る場合「ピヨからピヨピヨに進めばよい」と判断しやすくなっているのです。同様に、道路の東側からは「カッコー」、西側からは「カカッコー」という音が流れます。

「ピヨ」と「カッコー」の音が使われているのは全国共通ですが、設置するときのルールは各都道府県の警察本部が決めているので、都道府県ごとに異なります。北海道のように東西南北で決めている場所もあれば、大きい道路と小さい道路で使い分けている場所もあります。

鳥の鳴き声が流れる信号機では複数の音を使い分けて横断歩道の方向を利用者に伝えることができるのに対し、音楽が流れる信号機ではそういったことはできません。そのため、警察庁は平成15年に鳥の鳴き声が流れる信号機の整備を進めるよう、全国の警察本部に通達。それ以降、置き換えが進んでいったのです。

進化を続ける信号機

利用者の安全のために進化してきた信号機。そして今、視覚に障害のある人がより安全に道路を渡れるよう、最新式の信号機が導入され始めています。

最新式の信号機はBluetooth機能を使って、信号の位置や色などの情報を、専用のアプリを入れたスマートフォンに送ることが出来ます。利用者はアプリを起動したまま信号に近づくと、「東西方向が赤、南北方向が青」「南北方向の青がまもなく終了します」などと、音声案内をスマートフォンのスピーカーから聞くことが出来ます。

この最新式の信号機は道内ではおととしから導入が始まり、これまでに道庁の近くや札幌視覚支援学校の近くなど、札幌市内13か所の道路に設置されています。

音を頼りに信号を渡っている方はどのように感じているのでしょうか?札幌市で暮らす髙橋あけみさんは視覚に障害があり、ふだんは車の走る音や歩行者の足音、信号から流れる音などを頼りに横断歩道を渡っています。現在広く普及している音が出る信号機は青か赤かが判別しやすいものの、不安を感じるときもあるといいます。

 髙橋あけみさん

髙橋さん
「車の動きが激しいとピヨピヨもカッコーも聞こえなくて、どちらに渡ればいいのか判断できないときがある」

また、音が流れる信号機は夜になると止まってしまうため、髙橋さんは車の音から判断するしかありません。最近はハイブリッド車や電気自動車など、走行音が静かな車も増えていて周囲の状況を判断するのが難しいと教えてくれました。

取材をきっかけに最新式の信号機の使い心地を体験

音声機能を利用してふだんからスマホを使っている髙橋さん。最新式の信号を渡ってみたいと思っていたということで、今回の取材をきっかけに実際に体験してもらいました。アプリを起動して交差点に近づくと、スマホから案内の音声が流れます。「北5条通、東西方向が青になりました」「西5丁目線、南北方向が赤」と、方角と信号の色を繰り返し案内します。髙橋さんはスマホの案内や信号の音などを聞いて横断歩道を安全に渡りきりました。

スマホから流れる音声を頼りに横断歩道を渡る髙橋さん

髙橋さん
「詳しくてわかりやすいと思います。信号から流れる鳥の鳴き声では青信号が点滅しても音が鳴らなくなるだけですが、このアプリでは『青信号がまもなく変わります』と言ってくれるので助かります。信号の設置されている交差点の名前も読み上げられるので、自分のいる場所がすぐに分かるのも便利ですね。信号から流れる音が止まってしまう夜間も利用できるのも助かります。これならできるだけ多く増やしてほしいです」

北海道警察本部は、今後も利用者の要望を聞いて優先度の高いところから重点的に最新式信号機の導入を進めていきたいということです。

取材後記

道路を渡るとき、信号機から「ピヨピヨ」などの音が鳴っていることは知っていましたが、それぞれに意味があるということを今回の取材で初めて知り、とても驚きました。しかし、音が止まる夜間に不幸にも事故に遭ってしまうケースがいまも数多くあります。最新型の信号機の整備など、誰もが安心して道路を渡ることができる環境作りが進むことを願わずにはいられません。私も、横断歩道で困っている方がいたら、「お手伝いしましょうか」とこれまで以上に積極的に声かけをしたいと思います。

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  • 伊勢谷剛史

    旭川放送局カメラマン

    伊勢谷剛史

    2014年入局。 岡山局、札幌局、北見局などを経て、現所属。 音楽が流れる信号機は子どもの頃よく聞きました♬

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