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ヒグマニュース その後 DNAで追う

  • 2024年5月13日

5月に入って札幌市内の市街地に隣接する森でも、ヒグマが目撃されるようになりました。人とヒグマ、あつれきを減らすために何が必要なのか、ヒグマニュースのその後に注目してみます。
2024年5月13日午後6:40- ほっとニュース道央いぶりDAYひだかで放送 NHKプラス見逃しで

ヒグマニュースに出てきた「あのこと」

大型連休があけた5月7日、札幌市西野8条付近の住宅街の裏の山の斜面に親子のヒグマが出没しました。10日には近くの西野11条付近の山の斜面で同一とみられるヒグマの親子が目撃されました。
ニュースでは、札幌市が現地調査を行い、ヒグマがオオハナウドやクルミを食べていたあとが見つかったこと、付近で警察などが警戒を続けていることを伝えていました。
その中で今回注目するのは、こちらです。

現場でに採取されたヒグマの毛です。なぜ毛を集めるのかというと、状態がよければ、その個体を識別するためのDNAをとることができるからです。

あのヒグマ 小樽から来たんです!

ヒグマのDNA情報は、毛以外にも「ふん」からとることができます。2023年に真駒内公園周辺で目撃が相次いだヒグマは、その「ふん」から得た情報をもとに、小樽市から、西区西野を経由して、藻岩下までやってきたことがわかりました。

2023年の真駒内公園での出没
6月20日、藻岩山のふもとの藻岩下で複数のヒグマが目撃されたあと、6月21日の早朝に真駒内公園にヒグマ1頭が出没、翌22日の未明に付近の道路を横断するところが目撃されるなど、真駒内公園周辺で出没が相次いだ。

この若いオスのDNAが最初に採取されたのは、6月10日小樽市見晴町の出没現場でした。現場に残された「ふん」からDNAをとることができました。
続いて6月17日・18日に札幌市西区西野に出没したヒグマのふんからも、DNAを採取。
さらに、6月20日に藻岩下で採取したヒグマのふんからDNAがとれました。

道立総合研究機構、エネルギー・環境・地質研究所が分析を担当、この3つのDNAを比較したグラフがこちらです。

グラフの波形が同一で、この3か所で採取したDNAは、同じクマのものであると判定されました。

この結果、真駒内公園周辺に出没したクマは、小樽市から西区西野を経て、藻岩山の森に入り、真駒内公園をとおって別の場所に抜けて行った、推定できました。

このケースのような若いオスのヒグマは長距離を移動することから、ヒグマ対策では、自治体ごとに集めている情報を共有していくことが重要です。道庁のヒグマ対策室などでも、自治体間の情報共有の強化を進めていて、そのひとつの形になりました。

No.82を追う

2023年、札幌市南区内で出没を繰り返していたヒグマが捕獲されたニュースが3つあります。それは、4月の白川、7月の北ノ沢、9月の南沢です。

このうち、北ノ沢で捕獲されたヒグマは、DNAから、札幌市が「No.82」という個体識別番号で動向を注目していたメスの成獣と判明しました。
札幌市は、出没現場で採取したDNAや、市内に定点においた毛を集める「ヘアートラップ」で集めたDNAをもとに、2003年から130頭以上のクマを個体識別してきました。
No.82はそのうちの1頭で、DNA情報から割り出した行動圏は、北ノ沢から中ノ沢にかけて広がっていました。

注意すべき個体は、必ずしもこのNo.82だけではありませんが、出没を繰り返していたNo82が捕獲されたことで、この地域での目撃がどう変化していくのか、引き続き注目していきたいと思います。

 

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  • 向井徹

    札幌・デジタル戦略G

    向井徹

    ヒグマとサケを主なテーマに森や川のお話をお届けしています。 月末の土曜日午前7:55- の5分番組「755DDチャンネル」担当。 ひるナマ!サケお兄さん コーナーも担当中です。

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