やる気!元気!渡邉美希です。
今回のコンサメモは、沖縄キャンプ(後編)です。来年行われるパリオリンピック、そして、次のワールドカップ出場を目指す選手たちの姿を取材しました。
“雑草魂で北海道から五輪目指す” プロ3年目FW中島大嘉選手

「のぞいてみてもいいですか?え!白黒に見える。すごい」
取材スペースに来た瞬間から、その場の雰囲気をパッと明るくするこちらの選手。坊主頭でおなじみの中島大嘉選手です。

(思わず中島選手ワールドに引き込まれてしまいます・・・・)
「(音声マイクの)このふわふわ、何の毛ですか?」
スタッフが準備をしている最中も話が止まりません。何事にも関心を示すだけでなく、グラウンドでお会いすると、チームメイトだけでなく、私たち報道陣にも明るく挨拶をしてくださいます。

プロ3年目の中島大嘉選手は、大阪府出身の20歳。昨シーズンまでもピッチで闘志あふれるプレーが印象的ですが、今シーズンは、さらに燃えています。パリオリンピック出場に向けて、“勝負の年”と位置付けているからです。昨シーズンは、21歳以下の日本代表に選ばれたほか、持ち味の打点の高いヘディングで得点を重ね、存在感を示しました。それでも、シーズンを通して、十分に出場機会を得ることができませんでした。その悔しさを糧に、中島選手が、単独インタビューで語ったキャンプのテーマは、『大化け』。

その言葉通り、キャンプ初日からペトロヴィッチ監督から求められている守備やチームプレーなど積極的に臨んでいます。また、キャンプで重視されている「走力」のメニューでは、先頭に立って走り、オフに徹底したという下半身のトレーニングの成果がでていると手ごたえを感じていました。今シーズン飛躍を誓う中島選手のインタビュー、ほぼ全文をご紹介します。
渡邉)
太もも周り大きくなったような気がします。
中島選手)
わかります?そうなんです。太くなりました。筋トレしてプロ入り後、10キロくらい増えました。ここ3,4か月で3キロくらい体重を増やして、いい感じです。
渡邉)
目的は何ですか?
中島選手)
かっこよくないですか?強くなったほうがいいじゃないですか。もっと速くなるし、パワーもつくし、最強でしょ。かっこいいし。
渡邉)
昨シーズンは、中島選手にとってどんな1年になりましたか?
中島選手)
めちゃくちゃ悔しかった。もどかしさ、ふがいなさがありました。その中でも、ピッチの中も、ピッチ外でも気づきがたくさんあったので、去年1年間を振り返ったらあまりよくない1年でしたが、もっと長いサッカー人生を考えたら、いい1年でした。
渡邉)
どこに気づきがありましたか?
中島選手)
サッカーでは、もちろんたくさんありますが、コンサドーレを一緒に作っている方がたくさんいることに気づきました。サポーター、グラウンドキーパー、キャンプでグラウンドを提供してくれた方、記者やテレビの方も。みんなでこのチームを作っていると気づきましたね。

渡邉)
去年の悔しさや気づきを生かし、今シーズン出場機会を得るためにどのように臨んでいますか?
中島選手)
実は、去年、意地になっている部分もあって、自分を曲げたくないというのが強すぎたんです。とても大事なことだとも思いますが、チームプレーとしてミシャさん(監督)が求めているところを上手く判断してプレー出来ればよくなる。自分にしかできないプレーを持っているし、出場時間が増えると思う。増えたら日本で1番点を取れる選手になると思っているので。3年目なのでしっかり体現したい。そして、感謝の気持ちを持ちながら、ピッチ外で戦ってくれている人を失望させないように、パフォーマンスができるようにしたいのでそのために毎日生きています。
渡邉)
守備面の強化を図っていると思うが、特に磨きをかけたいところは?
中島選手)
守備もやし、ボールを持った時のアタッキングサードで、最後シュートを打つか、見方を使うか、という判断をこのキャンプで上手く整理したい。とんでもなくいいシーズンを送れると思う。送らなダメなので、来年オリンピックもあると考えたら、21になるし、ことし相当気合入っています。
渡邉)
2023年はどんな年にしたいですか?
中島選手)
大嘉(大化)の改新。100年後、教科書に載る。令和の次は大嘉ですね。
渡邉)
パリオリンピックに向けては、今シーズン、チームにオリンピックを目指す馬場晴也選手が加入しました。
中島選手)
晴也さんは(世代別日本代表)常連。俺みたいな落ちこぼれ、雑草魂はないので、頑張りたいなと。ポジションが違いますが、マッチアップすることもある。同世代の選手がいることでより刺激もありますね。来てくれてよかった。2人でオリンピックに行きたい。楽しみにしていてください。
渡邉)
最後にサポーターへメッセージと、今シーズンの目標をお願いします。
中島選手)
今シーズンはサッカー人生の中でも勝負の年だと思っているので、北海道を盛り上げられるように頑張りたい。(目標は)30点。めちゃくちゃうまくいったら達成できる。そのためにサッカーのベースをしっかりインプットしているので、アウトプットしていきたい。中でも祐希(小林)さんとかパスを出したり、しゃべったりしてくれるので、祐希さんのアシストでゴールを決めて、祐希さんをアシスト王にしたい。

気さくな性格と、にじみ出る熱意。パリオリンピックに向けて、まずは、今シーズン、ピッチで躍動する姿を早く見たくなりました!インタビューありがとうございました。
初の移籍 “迷いはなかった” パリオリンピック目指す 新加入DF馬場晴也選手

そして、中島選手と同じく、パリオリンピック出場を目指すのがJ2東京ヴェルディから加入した馬場晴也選手です。ポジションはDFで16歳以下の日本代表から続いて、世代別の代表に選ばれています。昨シーズンは、チームのレギュラーとして、J2で31試合に出場しました。そんな中、ユース時代からプレーしてきたチームを離れ、今シーズン、コンサドーレへの移籍を決断。夢に向かって“チャレンジしたい”という思いが大きかったといいます。

キャンプ序盤、持ち味の攻撃力を生かし、積極的にゴールに迫るシーンも。今シーズンにかける思いが、すでにプレーと気持ちに表れていました。

渡邉)
コンサドーレの雰囲気は?
馬場選手)
みんな仲が良いなと感じますね。初めての移籍ですし、小さいころからヴェルディにいたので、慣れないことが多いですが、頑張りたいです。
渡邉)
新入団会見で、移籍にあたっては、“夢をかなえるためのチャレンジ”と言っていました。
馬場選手)
厳しい環境で自分を置いてさらにレベルアップしたいなと。オファーをいただいて、チャレンジしたいと決めました。迷いはなかったです。代表のスタッフの方からも、高いレベルでやれと、常に言われているので。ヴェルディではいろいろなポジションで使ってもらって、色々な景色を見ることができたので、コンサドーレで生かしていきたいです。
渡邉)
パリオリンピック出場に向けては、どんなところを高めていきたいですか?
馬場選手)
攻撃のところは特徴があると思うので、守備のところでも武器というか、自分のスタイルというのを早く確立させることができれば、近づいていけるのかなと思います。
渡邉)
理想とする守備については?
馬場選手)
1対1で負けないところ。ヘディングのところも。ディフェンダーの中では、そんなに身長がないので、どうやって勝つか、というのを考えながらやっていきたいです。
渡邉)
コンサドーレには、パリオリンピックを目指す中島選手がいます。
馬場選手)
大嘉の特徴も自分はわかっているし、大嘉もわかっていると思うので、2人で一緒にJリーグでいいプレーができれば、同時に選ばれると思うので、頑張りたいです。
渡邉)
キャンプのテーマはありますか?
馬場選手)
コンサドーレのサッカーになれることはもちろんですが、ピッチ以外のところでも溶け込んでいかないと、1人はさみしいので、仲を深めていきたいです。

渡邉)
今シーズンの目標は?
馬場選手)
試合に出続けるということ。初めての移籍なので色々考えながらやっていきたいです。チームとしてはタイトルを取りたいので、少しでも貢献できるようにしたい。開幕戦の広島との試合については、J1の試合は色々とみてきたが、実際にやってみないとわからないこともあると思うので、頭の中で整理してやっていきたい。
渡邉)
開幕はスタメンを狙う?
馬場選手)
それはもちろん、先発で。プラスでいいプレーができるといいと思う。キャンプでしっかりアピールしていきたいです。チームのタイトルに向けて、力を出せるようにしたいので、サポーターの皆さん、熱い応援をお願いします!

(心機一転、ロン毛ヘアから現在のスタイルに!こちらも似合っています!)
サポーターに一言ありますか?と聞いたとき、意気込みとともに、「僕のことは馬場ちゃんと呼んでください。」と話していました。新天地でのチャレンジを私もしっかりと追いかけて、取材したいと思います!馬場選手、インタビューありがとうございました。
コンサドーレのスピードスター プロ3年目 FW小柏剛選手

こちらの選手も、北海道から世界の舞台で活躍することを目指しています。プロ3年目の小柏剛選手です。持ち味のスピードを生かし、おととしは、チームの日本選手トップタイの7ゴールをマークしました。日本代表にも召集されましたが、けがの影響などで参加を辞退するほか、肉離れなど度重なるけがで、昨シーズンは、長期間チームを離脱。夢が遠のき、大きな悔しさが残りました。今シーズンは、“けが0”を目指す小柏選手。オフには、パーソナルトレーナーのもとでトレーニングを行い、より体のケアを重視するようになったといいます。キャンプ中には、念入りにストレッチやアイシングをしていました。

夢の“日本代表”に向けて、飛躍を目指す今シーズンの意気込みを聞きました。
W杯出場目指し “コンサドーレを引っ張っていく存在に”
渡邉)
今シーズンはけが0を掲げていますが、特に意識したいところは?
小柏選手)
メインはハムストリングの肉離れの予防とかを継続していきたいですね。走りのところを改善していますが、パーソナルトレーナーの方には、少しハムストリングに負担がかかりやすい走りをしているといわれたので、改善したいですね。
渡邉)
走り方というのは・・
小柏選手)
重心の位置で、前に出たとき足を踏む位置とかハムストリングをかく動作が多く、使いすぎちゃうというか・・足を踏む位置や急に走り出すときのアジリティとか、体勢を崩すと、ハムストリングへの負担も大きいといわれています。なので、神経系のトレーニングもやっていただいたので、少しずつ続けていきたいです。
(動作を交えながら教えて下さいました)

渡邉)
よりプレーにも磨きがかかりそうですね。
小柏選手)
自分の武器は、一瞬のスピードのところなので、トレーナーなどからまだ伸ばせるといわれています。トレーニング次第で自分自身ももっと伸ばせると思うので、シーズンを通して、もっと速い自分を見せられるようにやっていきたいです。
渡邉)
今後の目標は?
小柏選手)
今シーズンの目標は、けがをせずに年間を通して試合に出場したい。それを達成した中で、FWとして二けた得点を取っていきたいです。夢といえば、やはりこの前、W杯が終わりましたが、次のW杯が自分にとって最後のチャンスだと思うし、まだまだレベルが足りないと思っているので、ここからもっともっと結果を残して、W杯出場&活躍するという夢を追っていきたいと思います。
渡邉)
そのために、どんな1年にしたいですか?
小柏選手)
コンサドーレを引っ張っていく存在になって得点を重ねて、チームを勝たせる試合をどんどん増やしていけば代表にも入れると思うし、まずは、目の前の開幕戦から自分がチームを勝たせるという目標を1つ1つ達成していきたいです。

困難が何度来ても、ひたむきに努力を重ね、必ず目標を成し遂げようとする小柏選手の強い覚悟は、とても印象的でした。今シーズンは、赤黒のユニフォームで、磨きをかけたスピードとゴール、そして、たくさんの笑顔が見られることを楽しみにしています。
輝きのプレーの裏には・・

キャンプ中、心に残ったのは、選手たちの姿だけではありません。毎日の練習終わりにみるこの光景。芝生の整備をするグラウンドキーパーの方々です。話を伺うと、毎回、選手たちが走った後や、ボールを蹴った後、さらに、スライディングなどでついた土の穴は、たくさんできてしまうため、手作業で修復しているということでした。最低でも1時間ほどはかかるそうです。それでも、「選手の皆さんがここで思いっきり、プレーする姿にわくわくします。練習後についた穴をみると、こっちも頑張らなきゃなきゃと思いますね。」と、話していて、チームへのエールも送っていました。中島選手が語ってくれたように、たくさんの方々がチームを支えているのだと、より実感しました。

(グラウンドキーパーの左が仲松康さんと、右が岸本天さんです。またお会いできることを楽しみにしています。)
コンサドーレの開幕戦は、2月18日(土)アウェーでサンフレッチェ広島と対戦します。沖縄、そして、この後行われる熊本でのキャンプを経て、幸先の良いスタートを切ってほしいですね。
沖縄キャンプ コンサメモの前編はこちらです。
アナウンサー・キャスター | 渡邉 美希 | NHK北海道