NHK札幌放送局

ドッグランに湘南、家賃ゼロの繁華街ビルオーナー…2022年の締めくくりにローカルフレンズ滞在記・釧路市編が見せてくれたのは地域の幸せをつくる人たちの姿だった

瀬田 宙大

2022年12月28日(水)午前10時40分 更新

アナウンサーの瀬田宙大です。ニュース情報番組「ほっとニュース北海道」のキャスターをしています。179市町村すべてまわることを目標に掲げて、取材やプライベートで各地に出かけて4年9か月。「北海道はでっかいどう」とはよく言ったものです。現在も達成できていません…!
いっぽうで、何度も足を運ぶ地域も。その一つが釧路市でした。アイキャッチは釧路の代名詞でもある夕陽です。「この街、なんか好きなんだよな」というふわふわした感覚の正体がつかめずにいましたが、番組のコーナーで一か月、釧路市の特集を見続けてわかったのは「幸せをつくる人が多い」からなんだと気がつきました。

釧路市にディレクター滞在
幸せつくるプレイヤーを一か月紹介

ほっとニュース北海道では、毎週木曜日「ローカルフレンズ滞在記」という企画を放送しています。我がマチを紹介したいと手を挙げた人をローカルフレンズと呼び、その人の人脈を中心に地域のイマを1か月かけてみていくものです。
普段はその地域で暮らしていないディレクターが1か月間滞在しながら、新鮮な目で記録し、自ら編集して放送するものです。

2021年から始まったこの企画。16番目に滞在することになったのが釧路市でした。滞在記録のアーカイブは以下4つのバナーからでご覧いただけます。

釧路市を紹介してくれたローカルフレンズは田辺貴久さん

田辺さん(上写真 左)の視点がそこにあったということかもしれませんが、4週間見てわかったのは、釧路市には地域の幸せをつくろうと励む人が多いということ。ぜひ、上のバナーからディレクターの滞在記事をご覧ください。

私は滞在記録を見ながら、これまで「なんか好きなんだよな」と漠然としていた好きな理由が明確になった気がしました。

2022年最後のブログでは、私の釧路市での思い出を交えながら、滞在記をふりかえりたいと思います。

釧路市での思い出と重なった滞在記

釧路には祖父母が暮らしていた時期があり、実は北海道赴任前にもプライベートでお邪魔したことがありました。
転勤してきてからも取材やロケで何度も訪れています。

過去の写真をさかのぼり、最も多く撮影していたのはこちら。

釧路駅です。
家族に到着したことを伝えるために撮影していました。

このほかにも街並みの記録がたくさん。

時間があれば訪れた街を歩くようにしていて、「おっ」と心にひっかかるスポットを記録しています。

写真フォルダを見ながら発見も。
何度も訪れていたはずななのに、釧路の代名詞の一つ・夕陽を見ることができたのはたったの一回だったようです。天気に恵まれなかったり、そもそも番組終わりで特急に飛び乗って釧路入りしていたことがほとんどだったからです。

夕陽を唯一撮影できたのは今年の10月29日。
自然写真家の水越武さんの取材のために訪れた時でした。

この後、ことしの3月11日に放送した企画「北海道に光をあてるデザインを」で取材したデザイナー小野寺千穂さんがロゴを手掛けた釧路のクリエイティブスペースのエントランスも見学しました。

「なんか好きなんだよな」と漠然としたイメージは、釧路ゆかりの人が増えたことをも大きかったからだなと改めて気がつきました。

釧路市を舞台に活動する人で私が初めて取材したのは大野良太さんです。

大野さん(上写真)は釧路市の繁華街末広町で炉端焼きのお店など複数の飲食店を経営しています。コロナ禍の中、インターネット放送のくしログを立ち上げた他、飲食関係でも新たな業態に挑戦するなどしています。

当時くしログでは、飲食関係者らが本音を吐露するドキュメンタリーのほか、地域情報の発信などが行われていました。

釧路で生きる人を応援したい。
そんな、大野さんの思いを感じました。

私は、チャレンジできる街をテーマにした滞在記第1週や、湘南のような景色や人が交わる空間など街の景色を情熱で生み出す様を描いた第2週の放送を見ながら、大野さんの存在を思い出していました。

大野さんを取材させていただいてから1年数か月たったことし。カウンターでひとりサンマを食べながら、大野さんの店にも戻った賑やかな声にホッとした自分がいました。

あさイチ時代の取材先のご実家
第3週の滞在記事に登場?!

滞在記事第3週を読んでいて驚きました。

冒頭、釧路市の名物「炉端焼き」を滞在Dが紹介しているのですが、そこに登場したお店は私が「あさイチ」時代にお世話になった取材先のご実家だったのです!!

釧路川の河口近くで半世紀続くこのお店、私も一度、お邪魔したことがあります。

当時は誘える人がおらず、ひとりで炉端に行くというチャレンジをしました。
あたたかく迎え入れていただき感謝しております。

この時は氷下魚に…

ホタテやカキ…

じゃがバター…などなど。

取材先のお母さまに食べ方を指南いただきながら、美味しく頂きました。

お店の人とやりとりしながらゆっくり過ごす時間を守るためにも、繁華街の灯りは絶やしたくないですね。贅沢な時間でした。

社会や街のピンチにアイデアを出し、汗をかける人はステキです。滞在記、第3週はそんな思いを抱きながらしみじみ読みました。

犬との暮らしをより豊かに
確かに広いドッグランはありがたい

第4週は元アイスホッケー選手・大嶋良介さんが歩みだした、“パートナー”との第二の人生がテーマとなっていました。

その“パートナー”というのは犬のこと。

愛犬のボーダーコリーのピノ。
写真を見るだけでいかに愛されているかが伝わってきます。

番組では大型犬に焦点を当てて紹介されていましたが、小型犬にとっても広いランはありがたいものです。
実は私も小型犬と一緒に暮らしていますが、ふだんは私たちのペースに合わあせてくれている犬が散歩やドッグランで見せる表情は特別なものです。

絆を強め、相手を知る空間は大切です。
大嶋さんの挑戦。
いち愛犬家としても応援していきたいと思います。

ことし最後ということで

ほっとニュース北海道は今夜がことし最後の放送。私の記事もこれがラストです。

NHK北海道の公式Twitterでは、放送の締めくくりに合わせて、今週キャスター陣の「今年の一文字」を順次公開しています。

私が選んだのは…。

「疾」です。

疾走・疾駆、疾病、疾苦などなど、掛け合わせる漢字で意味合いが大きく変わりますが、私は「はやい」と「やまい」という意味合いでこの文字を選びました。

この一年もトップスピードで駆け抜けたい。
そう思って「疾」走してきましたが、途中、新型コロナにつかまりました…。
医療関係者や職場、家族への感謝とともに、いまの自分を見つめなおす時間になりました。

2023年は健康に留意しながら、キャリアを重ねたからこそできるスピード感で仕事に取り組んでいきたいと考えています。

そして、少しでも皆様の暮らしに役立つ情報をお届けできるようどりょくいたしまします。

なお、気象の浜崎キャスター、スポーツの渡邉キャスター、石川キャスターはそれぞれ「外」「岐」「駆」という漢字を選びました。

これらの写真を撮りながら「それぞれのキャラクターが出ているな」と感じました。漢字を選んだ理由は公式Twitterでご確認いただけます。

こうしたメンバーでお伝えしてきたほっとニュース北海道。取材にご協力いただいた皆様。そして、放送やNHK+でご覧いただいた皆様。この一年も大変お世話になりました。

新年が皆様にとっていい年となるようお祈り申し上げます。

良いお年をお迎えください。

今年最後の一枚:5月 釧路市で撮影した桜
2022年12月28日 瀬田宙大

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