NHK札幌放送局

”アイスが助けに”新型コロナ療養記

瀬田 宙大

2022年8月10日(水)午後1時58分 更新

「これはマズイ」
それが、最初の感覚でした。
7月23日(土)の朝、突如あらわれた喉の違和感。この時、体温は36度7分。小さな咳も出ていたことから、予定をキャンセル。一日、自宅で横になっていました。だるさはなく、頭痛もないことから「休めば治るかな」程度に思っていました。
ところが夕方、咳が多くなり、のどの痛みも強まります。「あれ?」と思い体温をはかったら37度8分でした。その後、平熱に戻ったのは1週間後。軽症でしたが思っていた以上に大変な療養となりました。
感染して初めてわかったこと。そして、自宅療養で家庭内感染を防ぐために気を付けたことや備えておいた方がいいと思った物などをまとめてみました。
※8月15日に一部追記しました。

”災害と同じで、できる備えが大事だね”

まず、感染してわかったこと。
それは、いつ自分が当事者になるかわからないということです。
局と自宅の往復が主で、周囲に陽性者も濃厚接触者もいませんでした。
手洗いもこまめにやる。万が一に備えてマスクも意識的につける。人が多い場所には極力いかない。気をつけていたはずでした。
心当たりがあるとすると、仕事詰めでかなり忙しく3週間ほど過ごしていたことから疲労がピークで体力は落ちていました。もともと体力には自信があり、過信していたところがあるかもしれません。
身体に無理をかけすぎないことも対策として重要だと今は感じています。

まさかの感染。
そして、記事後半でも書きますが療養中の様子を復帰後、アナウンサーらと話していたところ、芳川隆一アナウンサーがこう言います。

「災害と同じ考えが必要、事前の備えが大事だね」

本当にその通り。
私の場合は解熱鎮痛剤が自宅にあったため、発熱外来の予約がまったくとれないなかでも、なんとか数日しのぐことができました。
さらに、夫婦ともにアイスが好きなのでさまざまな形状・種類のアイスや甘い飲み物などがたくさんあったので、食欲がなく、特に強いのどの痛みで固形物を飲み込むことができない中、助かりました。

災害への備えとしてローリングストックという考え方がありますが、その中に、コロナを含め高熱に備えた食べ物や飲み物、市販薬も入れておくといいなと感じました。

”アイスが助けに”
療養中に口にできたものリスト

▷アイスクリーム(カップアイス、ひとくちサイズのアイス、吸い込んで食べるアイス)
▷粉末の甘いミルクティーなど(看護師さんからは水分補給の観点から「カフェイン」は避けてほしいと指導があったので、カフェインレスがあればよりベター ※Twitterのコメントでご指摘いただき”粉末”と変更しました ありがとうございます)
▷ゼリー(吸い込むタイプやカップ)
▷フルーツヨーグルト(飲むタイプやカップ)
▷野菜ジュース
▷たまご豆腐
▷経口補水液(糖分がある方が水より飲みこみやすい)

1日、頑張ってもアイス1個しか食べられない日もあるほど、咳とのどの痛みが言葉では表現できないほどつらい…高熱よりもそれが印象に残る療養でした。

自宅にあってよかったと思ったもの

▷解熱鎮痛剤
▷咳止め(薬やトローチなど)
▷おでこなどに貼るタイプの冷たいシート(氷まくらなどに加えて使用)
▷着替えやタオル(ものすごく汗をかきます)

用意しておくべきだったもの

▷抗原検査キットやPCR検査キット

私が発熱したのは7月23日。
札幌市2188人、全道で4636人の感染が確認された日でした。
発熱外来混雑のニュースも増えている頃で、病院にかかりたくてもかかれなくなっていた頃でした。
さらに、札幌市中心部の薬局などでは、すでに抗原検査やPCR検査のキットは売り切れが続出し、簡単に手に入らなくなっていました。幸い、妻の実家の周辺では購入することができたことから、急ぎ送ってもらい手に入れることができました。現在は、濃厚接触者になったり、再び感染したりするリスクを考え、検査キットを自宅にストックしています。

「コロナだろう」と思いつつも、判定できなければ何も始まらない。それが何日も続くのは、精神的に結構つらいものです。

▷のどあめやトローチなど
私がキャスターを担当するほっとニュース北海道の取材に対して感染症学が専門の札幌医科大学の横田伸一教授が症状を和らげるもののひとつとして持っておいた方がいいと話していたので15日に追記しました。

家庭内感染を防ぐためにしたこと

コロナに感染して気になるのはやはり家族の存在。
家庭内感染を防ぐために、いろいろ試行錯誤をしました。結果、家族にはうつりませんでした。我が家で実践したこともお伝えします。

まずは完全隔離。
私は療養中ひとつの部屋にこもって生活。
ほかの部屋とつながるドアは、私の出入りをのぞいて常にしめていました。
一方、窓は全開。窓の対面にある部屋の入口・ドアのそばに扇風機を置いて、部屋の中の空気を撹拌しました。

声が出ないということもありましたが妻との会話はほぼ全てLINE。
お互いにマスクをつけて過ごしました。

部屋を出たら何をするよりもまずは石鹸で手洗い。
トイレや風呂、洗面所などで私が触れた場所はすぐに消毒。
私がいない部屋でも換気を徹底しました。

細かく上げればきりがありませんが、掃除や消毒で妻が疲弊するほど頑張った結果、我が家は家庭内感染を免れました。お子さんがいる家庭ではここまで徹底することは難しいと思いますので参考になるかはわかりませんが…我が家の場合でした。

病状経過

では、最後に発症日から職場復帰までの症状の経過をまとめてお伝えします。

ワクチンは接種していましたが、高熱、のどの痛み、咳、痰と症状を変えて表出するコロナと身体が闘っていることを感じる毎日でした。

7月23日(発症日)
▷夕方発熱37度8分 自宅に置いていた解熱鎮痛剤の服用を始める
7月24日(1日目)
▷朝38度6分/昼38度7分/夜39度7分 倦怠感と頭痛、のどの痛み
▷解熱鎮痛剤を飲むと頭痛は和らぐが、熱もあまり下がらず、のどの痛みが増す
▷飲食がつらくなり、朝カップアイスを1個食べた程度でほぼ何も口にできなくなる
▷午前 札幌市保健所に電話 発熱外来でこの日(日曜日)に開院しているクリニックを2つ教えてもらい電話 何十回かけてもつながらず 午前中かけ続けて昼前につながったクリニックは予約でいっぱい、もうひとつは26日であればPCR検査のみ予約ができるとのこと 
7月25日(2日目)
▷朝38度8分 のどの痛みがピークを迎え、水さえ固形物と感じるほど 飲食が一切できなくなる さらに声も全く出なくなり、咳もひどくなった
▷午前8時半頃から札幌市のホームページに掲載されている発熱外来受け入れ医院にかたっぱしからかけるも電話がつながらず、つながっても予約がとれない状況
▷普段の2割も食べられていないことや、水分補給もままならず、二日間一度もトイレに行っていないことを保健所に相談 アドバイスを受けて夜間救急を受診 検査で陽性が判明 解熱鎮痛剤と咳止め薬を処方してもらう
7月26日(3日目)
▷朝38度5分/夜38度2分 のどの痛みは強いものの相対的にましに 頭痛も比較的軽くなった 
▷咳がひどくなり、痰も絡むようになる 横になるたびに咳が出る状況で咳止めもほぼ効かない印象 30分に1回は咳で起きることから寝られない 咳のし過ぎで筋肉痛も
7月27日(4日目)
▷朝37度8分 熱がようやく薬なしで38度をしたまわるが、食べられない状態は続く 激甘のホットミルクティーを1杯頑張って飲むのがやっとだった 
7月28日(5日目)
▷朝37度5分 のどの痛みはさらにおさまってきたが咳はさらにひどくなる
▷症状はよくなりつつあるも食欲不振
7月29日(6日目)
▷朝37度2分 食欲不振と咳、痰が続く
7月30日(7日目)
▷朝36度1分 一日を通じて36度台に
▷食事も少しずつとれるように ただし、のどの痛みと咳は続く
7月31日(8日目)
▷のどの痛みがやわらぎ、声が出るように
8月1日(9日目)
▷ようやく普通に食事ができるようになる
▷痰もでなくなる 咳も減少
8月2日(10日目)
▷のどの痛みがなくなる
▷咳は横になると出る程度におさまる
8月3日、4日
▷一切症状がなくなる 体力が落ちていることから自宅で過ごす

感染しても無症状の人もいれば、軽症とはいえ私のように症状が長引く人もいます。重症化リスクが高い人たちはさらに壮絶な療養をされる方も。

さらに、私の知り合いにも何人かいますが、様々なコロナ後遺症に悩まされる人も現実にいます。

感染しなくていいのであれば感染しない方がいいのが新型コロナ。
対策をしていても感染してしまうことがあるのも事実ですが、感染して改めて基本的な対策を丁寧に続けることが重要だと痛感しました。

最後に、#7119にかけて相談にのってくださった保健所のみなさんや医療機関のみなさんには大変感謝をしております。
「つらいでしょうが酸素飽和度を見ると数値は悪くないのでいったん落ち着きましょう」「対症療法しかなくて本当にごめんなさい。つらいでしょうが負けないでくださいね」など、その時々でかけてもらった言葉に大変救われました。本当にありがとうございました。

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★自宅療養 準備しておくものは(首都圏)
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2022年8月10日 瀬田宙大

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