NHK札幌放送局

#ローカルフレンズ (41) 西興部村へ

瀬田 宙大

2022年1月14日(金)午前11時07分 更新

オホーツク海側の興部町から下川町方面へと車を走らせると周囲に現れるオレンジ色の住宅群。統一された街並みが村に入ったことを教えてくれます。その村こそ、人口1000人あまりの西興部村。
9月のローカルフレンズ滞在記から3か月あまり。1月28日放送予定の滞在記スペシャル番組(第2弾)に向けて、村のその後を探りに行ってきました!

≪ローカルフレンズ滞在記スペシャル≫
ほっとニュース北海道で毎週木曜日にお伝えしている「ローカルフレンズ滞在記」。ディレクターが地域にディープな人脈を持つローカルフレンズの元に1か月滞在して、地域の知られざる宝をお伝えしています。地域のその後も伝えたいと、3か月ごとに制作するのが滞在記スペシャル番組です。
この度、西興部村・十勝エリア・環駒エリアのその後に迫るスペシャル番組の放送が決まりました!!
★今月28日(金)夜8時00分~8時43分【総合・全道】

西興部村にスーパーマーケット復活!

西興部村編のローカルフレンズ=地域の案内役を担ったのは主婦の髙橋啓子さんです。待ち合わせをしたのは髙橋さんの新たな職場・スーパーマーケットでした。

村では、去年2月まで、地域の有志が出資する会社が3年ほどスーパーの運営を続けていましたが、維持が難しくなり閉店。その翌月から村をあげてスーパーの復活に向け取り組み、上川地方を中心に営業する会社が天北峠をこえて初めてオホーツク地方・西興部村に出店することを決めました。

そして、去年11月にオープンしました。
むらのスーパーでよく売れるというのが生鮮食料品。

これまでは名寄や紋別まで、車を運転できる人は往復2時間近くかけて買い物に。運転ができない人はバスで定期的に買い出しに行っていたそうです。

取材にお邪魔したのは日曜日。
「お客さんが少ない」とスーパーの皆さんは話していましたが、およそ3時間のうちにほぼ切れ目なくお客さんが来店。
子どもを連れて親子で訪れる人、高齢夫婦、東京の大学からインターンで訪れた女性、単身で村で働く若い男性など年代も様々。
お話を聞くと、「便利になった」「食の幅が広がった」「肉や魚を買えるのがありがたい」などの声が聞かれました。

店内には、村の特産である木工製品も展示されています。

「店長の理解で」と紹介がありました。
地域に寄り添うあたたかさが感じられますね。

店長の株式会社「西篠」Qマート統括マネージャー 村下尚保さんにもお話を聞きました。

≪村西店長≫
人口1000人程の地域に出店するのはこれまでにない挑戦ですが、もともと商圏としては近いこと、村の支援があったことなどからこのような運びになりました。利用者の数や売り上げは今後さらに強化していかなければならないですが、一度出店したからには村の皆さんに5年、10年愛されるお店にしたいです。撤退によって村のインフラともいえるスーパーをなくしてはならないという思いで働いています。

「あの人がきっと買うから」

スーパーでの取材中、印象に残ったことがあります。
それは「これはあの人がいつも買うから」「そろそろこれを買いに来るよね」など、人の顔を思い浮かべながら商品の発注を行う様子でした。

スーパーの働き手は、5人。このうち店長を除く4人が村民です。
店長は「これまでも人口2000~3000の地域でも同様のことがありましたが、西興部村の店舗はより人と人の距離が近いと感じています。みんなよくお客さんのことを見ています」と話していました。

4人の村の働き手は10代ふたり、高校生を育てるお母さん、髙橋さん。年齢差を感じさせない家族のような仲の良さと明るさがあります。

「村が好きだから」「村で働きたかった」と話し、やりがいを語ってくれました。村のために働く姿が素敵でした。

皆さんと話をしていると、スーパーのほかの役割も見えてきました。
「お客さんとお話ししながら“元気かい”とやり取りをすることもあるんです。スーパーだけど村の人との交流空間にもなっています」と、話していました。
顔なじみが集う場所、大切ですね。

復活したスーパーを今後、維持するためには村民からの支持を集めることが重要です。そこでこの店では、お取り寄せができるようになっています。

これはグループ会社が村に入ったメリット。
実際にこの日も長靴やベビー用品のお取り寄せ品が届いていました。
インターネットが使えない人も、対面で必要なものを注文することができます。大量に在庫を持つ大型店舗を設置できない分、こうした工夫で住民ニーズにこたえようとしていました。

このほか焼き立てのピザや揚げ物の販売もあり、それを目当てに訪れる人もいました。

髙橋さんは「他の地域にとって“あって当たり前”のものでも人口1000人の村では特別。あるかないかで暮らしが変わってしまいます。私はスタッフの中では一番最後に入った後輩なので、先輩たちとコミュニケーションを取りながら、楽しく村を盛り立てていきたい」と話していました。

村で働く“かあさん”を見られて、村がより好きになりました。
訪問するとわかりますが、施設名やポスターには”夢”がいくつも踊ります。その一文字に象徴されるように、村に流れる人が人を応援する空気をたくさん吸うことができて幸せでした。行けてよかった。ありがとうございました!

~#ローカルフレンズ(42)へつづく
次回(17日公開予定)は、村を全国に!ソフトクリームを開発した男性の思いを、お届けします。

★関連記事:フレンズニュース「村の2つの変化」
★ローカルフレンズ滞在記Web はこちら

2022年1月14日

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