今月5日、札幌市のコンサートホールで大学生によるアカペラコンテストが開かれました。
新型コロナウイルスの影響で活動の機会が少なくなったアカペラサークルを応援しようと、道内の大学生でつくる実行委員会が音楽団体「オトキタ」や、学生の就職活動支援を行う「ジョブキタ」と共同で企画し、開催したものです。
運営の中心を担った北海学園大学4年生の萩澤雄大さんはコロナ禍に学生時代を過ごした仲間の”思いっきり歌いたい”という願いをかなえたかったと話しています。
初開催!
北海道アカペラコンテスト
道内17の大学から総勢100人ほどが参加したコンテスト。
予選会は8月、札幌市内の商業施設に設けられたステージで行われました。

この中から10組がファイナルに出場。
決勝大会の舞台は…

札幌市の中島公園にあるコンサートホール Kitaraです。
特別な舞台にあがったアカペラバンドの大学生らは会場いっぱいに歌声を響かせていました。
審査の結果、最優秀賞には小樽商科大学の「Rosa Rossa」が選ばれました。

コンテストを通してかけがえのない経験をしてほしい。
北海道のアカペラに明るい未来を創り続けたい!という思いに賛同した多くの人たちがコンテストを支えました。

実行委員運営リーダーに聞く
コンテスト開催まで
今月7日(月)のほっとニュース道央いぶりDAYひだかの放送の中で、コンテストの実行委員会の運営リーダーを務めた北海学園大学4年の萩澤雄大さんにお話を伺いました。

まず聞いたのは、そもそもなぜコンテストを開くことにしたのか。
背景にあったのは新型コロナウイルスでした。
萩澤雄大さん
コロナ禍でアカペラサークルは大会・ライブはもちろん、みんなで集まって練習を行うことも満足にできない状況で、モチベーションが上がらない状態が続きました。アカペラというと円になって練習をするイメージがあるかもしれませんが、それも難しく横一列になって歌っています。
また、マイクを使うときは、マイクカバーを使ったり、消毒をしたりと制限の多い中での活動でした。最近は観戦対策をしながら大会が少しずつ行われるようにはなっていますが、以前のようにとまではなっていません。

こうした現状を知った二つの団体がサポートを申し出ます。
インディーズバンドなどを支援する音楽団体「オトキタ」と北海道の学生の就職活動を支援する「ジョブキタ」が「何かサポートをできることはないか」と声をかけてくれました。
萩澤さんは「ぜひお願いしたいと思いましたし、声をかければ他大学のアカペラサークルのメンバーも協力したい、一緒に何かをしたいと言ってくれるとわかっていた」と話し、北海道アカペラコンテストの開催に至ったといいます。
交流の喜びを表現
“アカペラオープンキャンパス”

萩澤さんは実行委員会として運営の裏方を担いながら、みずからもステージに上がり歌声を披露しました。しかし、一緒に歌うのは普段から一緒に練習をしている仲間ではなく、この日のために特別に集まったアカペラバンド。3つのサークルから2人ずつ、計6人が声を重ねました。
コンテストのオープニングアクトとして1曲を披露。
背景には「コロナ禍で減ってしまった他大学との交流の喜びを伝えたい」という思いがありました。
萩澤雄大さん
アカペラは仲間がいないとできません。それは同じ大学、同じサークルだけではなく他大学の仲間も含めてです。実際に、この企画の練習会で初めて出会ったアカペラ仲間がワイワイお話ししながら、1曲を完成させ、この大会に勢いをつけられたのではないかと考えています。
こうした他大学との交流の喜びを伝えると共に、今後は少しずつコロナ前のようにしていきたいという願いも込められています。
実際にコンテストに参加したグループがそれぞれ一緒に写真を撮る様子などを目の当たりにして、その種はしっかりとまけたのではないかなと感じました。
ステージに立ったからこその思い
萩澤さんが知る限り、大学生がKitaraでアカペラを披露したのは初めて。ステージに立った萩澤さんも「特別な響き」とホールで歌った感想を話していました。

出場したバンドからも
今までで一番気持ち良く歌えた!
こんな豪華なステージで歌ったことない!
など、多くの感想をもらい、萩澤さんは大きな手ごたえを感じていました。
萩澤雄大さん
コロナ禍でもアカペラを続けてきた大学生には、アカペラを披露する、披露できる喜びを改めて感じてもらえたと思っています。
今の4年生は1年生の時はまだ新型コロナはなく、大会に挑戦したり、活躍する上級生の姿を見たりできました。しかし、2年生の時にコロナ禍に。後輩たちはずっとコロナ禍でさまざまな制約を受けながら活動してきました。どの年代も満足にアカペラを楽しめていませんでしたが、うん年分の悔しさがKitaraで感じた喜びによって少しは晴らせたのではないかと思っています。
また、豪華な審査員のみなさんからメッセージ動画を事前に頂き、当日も歌い終わった後にコメントをもらい、アカペラの素晴らしさに改めて触れることができました。

豪華な審査員
活動を支援する大人たち

萩澤さんが豪華と語った審査員やゲストとしてステージに上がったみなさんは集合写真の最前列に座っています。
一番左は萩澤さん。
そのお隣から順に、審査員をつとめた「ジョブキタ」などを手掛ける北海道アルバイト情報社の伊藤新さん、シンガーソングライターでゲストパフォーマンスを披露した村上佳佑さん、RAG FAIRリーダー引地洋輔さん、ほっとニュース北海道の21年・22年テーマ曲「NANTE HOT」を歌うHAMBURGER BOYSのボーカル山田雄太さん、6人組アカペラバンド「パインアメ」のリードボーカルとして全国ハモネプリーグ2019に出場した小瀬和記さん、”面白いことしかしません”を社是に掲げ映像制作やキャンペーン企画・宣伝プランニングからタレントマネジメントなどを手掛けるトリプルワンの伊藤翔太さん。

こうした大人たちとふれあい、北海道のアカペラの未来を創りつづけたい!という思いがより強くなったという萩澤さん。来年以降も続ける努力をしたいと話していました。
萩澤雄大さん
まず、今回開催することができて本当によかったです。
支援をいただいたみなさま、ご来場いただき活動を応援してくださったみなさまに感謝を申し上げます。
実現したことで見えてきた新たな課題を解決していきながら、もっと大学生に喜んでもらえるような形式で来年以降もコンテストを開催したいと思っています。
また、大会の開催期間だけではなく、Instagramで大学生のアカペラが活発になるような情報を発信するなどして、これまで以上に北海道のアカペラが盛り上がるように取り組んでいきたいと思っています。

頑張って!
放送終了後の記念撮影
放送終了までスタジオ内のソファーで番組を見学していた萩澤さん。午後7時を回り「萩澤くん、お疲れ様でした。ありがとう~」と声をかけると、「僕、大丈夫でした?」と返してきました。堂々と話していましたが緊張していたとのこと。今回の出演も何か次のステップにつながることを願っています。…というか、そうなったら嬉しいです。
初めてのテレビ出演ということで、記念撮影をしようとあれこれ撮りました。
▼まずは家族写真風。

▼コロナ時代の逆風と笑顔で闘うファイティングポーズ。

▼テレビ局に来ました①(じゃんけんなら石川キャスターが勝ちですね)。

▼テレビ局に来ました②(じゃんけんなら瀬田が負けですね)。

今後の活躍、期待しています!
2022年11月9日 瀬田宙大