NHK札幌放送局

#中標津ではじめてみた件

瀬田 宙大

2021年3月3日(水)午後0時26分 更新

#ローカルフレンズ出会い旅 中標津編の放送日が確定しました。3月9日(火)、18日(木)にほっとニュース北海道で。19日(金)よる10時45分からは25分版を放送します。中標津を案内してくれたフレンズはDJ会社員しおさんこと塩崎一貴さん。放送を前に、フレンズしおさんのパッション大公開です!!

フレンズは公募で!

地域のリアルを伝えるためにも番組のフレンズは公募制でスタートしよう。
去年3月、会議の結果、そう決まりました。が、ワタクシ、正直不安でした。そもそもこれから始まる番組、つまり認知度がないにもかかわらず、どれだけの人が手を挙げてくれるのか。。。手を挙げてくれないと番組自体が成立しないし・・・。と。でも、そんな心配はありがたいことに杞憂に終わりました。

募集を始めてすぐ、3名の応募があったからです。
上記写真、左から中標津のしおさん、伊達のおっくん、函館のせいらさん。3人はそろって、去年5月末に放送した #オンラインで旅した件 に登場。緊急事態宣言下ということでオフラインで旅ができなかったので、”オンラインで旅しましょうよ”という声をきっかけに制作したニューノーマルな旅番組でした。結果として、思いのほか旅ができたし(これは発見&驚き)、何よりも皆さんに会いたくなりました。
その後、7月11日には #函館は秘密基地だった件 でせいらさんに。そして、夏に #知床と清里にほれこむ件 をはさんで11月には #伊達は応援合戦だった件 でおっくんと会うことができました。せいらさんとおっくんが旅を終える中、中標津に行く予定がなかなか立たず「しおさんもう少し待っててね…」と言って早9か月。ことし1月になって、ようやく、道東・中標津にお邪魔することができました。

長いお付き合いになったしおさんは、ローカルフレンズを知り尽くしたフレンズと言っても過言ではありません。なぜなら、放送を毎回視聴し、優しく鋭いフィードバックをフレンズや私たちにし続けてくれたから。さらに私たちが斜里を拠点にロケをしていると聞くと「近いので行きます!」と会いに来てくれたり、おっくんが伊達市でイベントを開くというと「面白そうだし、おっくんにも会いたいから参加する!」と言って駆けつけるなどフレンズの輪の中心にいつもいました。気がつけば、各地のフレンズが中標津のしおさんの元を訪問するようになるまでに。凄いですねよね。そんなしおさんは、この一年、番組を最も引っ張ってくれたフレンズとも言えます。

一方、熱量は高いものの、いつも冷静に言葉を発するのがしおさんだったのですが、今回のロケで、激熱な言葉が数多く飛び出しました!!

ゼッタイ諦めてほしくない!

#中標津ではじめてみた件 
これが、今回の中標津旅のタイトルです。
タイトルに込められた思いが象徴的に表れているのは、しおさんが企画したライブイベントです。DJとしても活動するしおさんと、中標津町を代表するアーティスト・バッファローソルジャー(左端KOUTA-LOWさん 右端MUSA-Cさん)がオンライン配信で音楽を届けるというものです。でも、3人にとってこの日の主役は紅一点のジュリさん。フリーランスで東京を中心に音響の仕事を8年間続け、去年、ふるさとで働きたいと中標津に帰ってきました。

機材は、東京で所属していた会社が応援の証として”無期限”で貸してくれたもの。しかし、新型コロナウイルスの影響で軒並みイベントが中止となり、自宅に眠ったままとなっていました。

そんな状況を知ったしおさんが一肌脱いだわけです。

この写真を撮った後、私はしおさんが運転する車に同乗し、ライブ会場となった野付半島のカフェに向かいました。その道中、しおさんの思いに触れました。

自分がDJを始めた時、なかなか周囲に受け入れてもらえなかったんです。何年間か経って、ようやく認知してもらって、地域でDJをする機会も増えていったんですけど、そうなるまで意外と長かったなって。周囲にあまりDJやっている人がいなかったのでイメージ先行で誤解もあったんだと思うんですけど・・・。正直、思うようには全然いかなくて悩んだんです。でも、自分が楽しんでいれば、ついてきてくれる人もいるはずだと思って続けていった結果が今なんですよね。やり続けたから今があるんです。ジュリさんを見ていると、自分が重なったんですよね。理由は違うけど、せっかく故郷に帰ってきたのにやりたいことをやれない。そんな姿を見たら、何かしたい。後押ししたい。一緒にやりたい。という思いがどんどん強くなって、勝手に動いてましたね。認知されないと頑張れない。まずはやらないと。俺、何度も見てきたんです。諦めてしまった人を。そうはしたくないし、もうさせたくないので。

”語っちゃった”しおさん

オンライン配信で行われたライブはおよそ200人が視聴。端末の画面越しに、各々の場所で中標津サウンドを楽しみました。

会場には撮影クルーのほか、右から、オオスミDや、ネクストフレンズ(=いずれ”フレンズ”として登場する人たち)十勝のハマイエさん、番組の企画者かずきゅんなども訪れ、それぞれの思いを胸に時間を共にしました。涙した人もいたとか、いないとか・・・。

配信後、みんなに見守られながらしおさん、ジュリさん、私の3人でプチ対談を行いました。その最後にしおさんがやや恥ずかしそうにつぶやいたのが”語っちゃった”でした。この一年の思いが言葉になったということだと感じ、とても印象に残りました。お疲れ様です。そして、ありがとうございました。

では、その対談の全貌をテキストで公開します。

――――ジュリさん、しおさんに誘ってもらってこういう舞台に立って、率直に、今どんな気持ちですか?
ジュリ)
めちゃめちゃ楽しかったですね。音楽ってやっぱりいいなって思ったし、地元の人と一緒に、地元でできるという点に特別な感じがありました。東京で音響をやっていたころとは全然違う感動があった。親近感もあるし、すごく温かい気持ちになりましたね。
――――中標津に帰ってきて、なかなか音楽の仕事、音響の仕事ができない。そうなると、この仕事を続けられるのかという不安もあったんじゃないですか?
ジュリ)
不安を通り越して、もう諦めモードでした。でも、きょうこうしてステージを一緒につくることが出来たので、これからまた、いろいろできればいいなと思います。しっかりと前を見られるようになりました。
――――そういう話を聞くと、しおさんは嬉しいですよね。
しお)
そうですね。今回は彼女でしたけど、これからさらにいろんなことをやって、僕らよりも下の世代が故郷に、中標津にちゃんと興味を持ってくれるきっかけをどんどん作りたいですね。僕は、一度、地域を出ることはいいと思っているんです。だって、何かやりたいことがあって学校に行くんだし、いろんな地域に行くので。でも、また中標津に帰ってきてくれるっていう循環、帰りたいという思いが生まれればいいかなって思ってます。
――――今回の旅のスタートとなった空港で、新しいことを始めようとしている人たちがどういう気持ちでこの町で生きていってほしいのかを見てほしいと言っていましたけど、そのあたりの思い、いま旅を終えてどうですか?
しお)
何かを始めようと考えている人には、すごくポジティブになっていってほしいというのが根底にあるんですよね。例えば、こういう風に、きょう1回やったら、またできるかもしれない!すげえ楽しくなる!そういう気持ちをたくさん持ってほしいです。それが、自分の好きなことをもっと好きになることにつながるし、続ける力になるので。そういう機会があれば、ジュリさんのように「決めたら真っすぐ走り出す力」を存分に発揮できると思うんですよね。それが少し見せられたかなっていう感じです。
――――そうなるためにも、周囲が応援するっていうことが必要ですね。
しお)
本当にそれにつきます。だって、チャレンジしようとしている人たちに、なんというか、僕らも責任があると思うんです。どうすれば、うまく地域に馴染ませることができるかというか、僕らがどう動けばいいのかというか、仲良くみんなでやっていくためには双方が気持ちを合わせなきゃいけないので。理解と応援と歩み寄りっていうんですかね。
――――しおさんは、今回、ジュリさんにそういうメッセージをステージで伝えたかったんだ。
しお)
そうですね。やり続ければものになるし、周りの認知も広がる。でも、やり続けられなきゃ、やめちゃう。やめずに頑張る、続けるってことは大事ですからね。
――――地域では続けるのが大変な時もあるってこと?
しお)
僕がDJ始めたときって本当にもう辞めようかなって思うことが何回もあったんですけど、周りにも支えてもらって続けることができたなと。それで、だんだんと、力を抜いて好きなことができるようになっていったんですよ。その環境をみんなにもあげたいなと思いますし、つくりたいなと思って。ジュリさんを見ていたら当時を思い出して、いろいろ重ねてしまって気になってたんですよね。
――――実はそういう話をしながらここまで来たんですよね。凄く素敵な話だったから、みんなにもこの場で聞いてもらいたくて聞いちゃいました 笑。こういう先輩が地域にいるって、ジュリさん、いいよね。
ジュリ)
うれしいですよね、本当に。高校卒業してすぐ東京に出ちゃったので、地元のことを全然知らないんです。それでも、こうやって帰ってきて、こういう人たちがいるっていうのも知って、すごいうれしいし、やっぱり楽しいですね、すごく。
――――出る前と、今、帰ってきてからのふるさとの見え方って変わりました?
ジュリ)
そうですね。やっぱりこういうことがあるからこそ、本当にいいなって。もともと地元は好きで帰ってこようかなと思っていたんですけど、こういう仲間がいると余計に、すごい好きになりましたね。
――――ジュリさん、はじめの一歩は踏み出せましたけど、この先ってどんなイメージをいま持ってますか?
ジュリ)
この先も、町の人とかに密着したっていうか、本当、温かい、アットホームな感じのイベントができればいいなって思いますね。中標津って、もともと結構、音楽が好きな人が多いなっていう印象をもっているんです。私もやっていたし、私の同級生もバンドをやってた人が多くて。でも、自分の趣味だけで終わっちゃうので、それをもっと共有して、みんなで楽しめるようになっていけたらいいなって思いますね。そう変わっていってほしいですね。
――――なんか、頼もしい仲間ができましたね。
しお)
本当、そうですよ(笑)。
――――しおさんは、どうやって支えていきたい?
しお)
そうですね、今回は僕と同じ共通の音楽という趣味があったんですけど、音楽に限らず文化芸術だったり、ジャンルを問わず、都市で学んできたことを、中標津に帰ってきてやろうとしている人をどう受け入れるか、その環境をどうつくるのかっていうのは、中標津にいる人の役目だと思うんですよね。すごく寛容で協力的になるか、排他的でブロックしてしまうのか。どう対応されるかで、チャレンジしたい人、個人の動き方が変わってくると思うので、どっちがいいかですよね。答えは簡単で、俺は、もうちょっと寛容で楽しくみんなで盛り上げれたらいいなと思います。
――――そのために自分もできることを続けていくという宣言。
しお)
そうですね(笑)。生まれたところって選べないので、変えられることを変えるってことですよね。例えば、都市と変わらず、自分の趣味に全力投球できる、仲間がいる、豊かに暮らせるってことがわかったら、家族がいる故郷に帰ってきやすいと思うんです。そういう受け皿になりたいし、つくっていきたいと思っています。
――――結構大変そうな仕事にも感じますけど。
しお)
頑張ります(笑)
――――カメラにも記憶にも記録しましたんで。
複数)

――――みんな聞きました!
しお)
語っちゃった。
複数)
大爆笑
――――でも、確かに大事ですね。こうやって地元に帰っても夢をつかみ取ろうとする、地域で仕事をする、あるいはつくる姿はこれからのトレンドですよね。
しお)
こういう時期なんで、都市にいることが絶対正義ではないし、ローカルに帰ってきて好きなことをやるっていう選択肢がもうちょっと大きく広がってくれればいいですよね。
――――なんか、いい話聞いたな~。しおさんが熱く語るの、この2日間で、いや一年で、今が一番かもですね。
しお)
そう、あんまりないですね。あんまりない・・・。ちょっと声が震えてきている。
複数)

しお)
まぁまぁ、楽に。楽しくやるのが一番。そう口にして、落ち着かせます。楽しかった。ありがとうございました。

最後に「中標津編」の放送予定!
3月 9 日(火) 18:10~ほっとニュース北海道
3月18日(木) 18:10~ほっとニュース北海道
3月19日(金) 22:45~#ローカルフレンズ出会い旅 #中標津ではじめてみた件
さらに、「函館その後編」も放送予定
3月25日(木) 18:10~ほっとニュース北海道
3月27日(土) 22:10~「函館でまわりみちを」(ローカルフレンズ特別編)

2021年3月3日

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