NHK札幌放送局

札幌局からの「家族になろうよ~犬と猫と私たちの未来」公開生放送に足を運んでくださった皆様ありがとうございました

瀬田 宙大

2023年3月6日(月)午後2時53分 更新

家族になろうよ~犬と猫と私たちの未来~ 第8弾in札幌 の放送と札幌局1Fロビーでのイベントが無事に終了しました。ロビーでは「ボランティア団体 犬のM基金~犬の今日と未来のために~」のみなさんが保護犬の、「NPO法人ニャン友ねっとわーく北海道」と「認定NPO法人HOKKAIDOしっぽの会」のみなさんが保護猫の譲渡会を行い、複数の新たな家族が生まれることが決まったそうです…!幸せになってほしいですね。
今回は放送をご覧くださった皆様への御礼と、ご覧になれなかった皆様へ放送の概略、来場できなかった皆様に向けてイベントの様子をご紹介します。

ご紹介した保護犬・保護猫一覧
放送終了後もHPでご覧いただけます

こちらは、家族になろうよの為に組まれたセット。ふだん北海道道(全道 金曜よる7:30)の収録を行っている通称T1(ティーワン)スタジオに設営しました。

60名の観覧席に対して多くの観覧希望を頂きました。正確にはお伝え出来ませんが、定員のうん倍もご応募いただきました!抽選ではずれてしまった方もかなり多くいらっしゃいます。関心を持っていただきありがとうございました。

SNSでも #家族になろうよ とハッシュタグをつけた発信もいくつかありました。放送をご覧いただきありがとうございました。

番組でご紹介した保護犬・保護猫は放送後もホームページの≪🐶🐱保護犬・保護猫の情報は【こちら】▶≫をクリックいただくとご覧いただけます。

ホームページのトップ画像は2018年放送の第1弾に登場した“家族”の写真/わが家も犬を迎えるとき妻と一緒にワンちゃんに対して「家族になろう」と声をかけました 以来、いつもこの子どものように笑顔の源になってくれています

なお、ホームページでは家族が決まったワンちゃんやネコちゃんに≪家族になったよ≫と表示しています。

放送でお伝えしたとおり、番組ではこの5年で356匹の犬や猫を紹介して、そのうち261匹に新しい飼い主が見つかりました(2023年2月末現在)。番組では元保護犬と元保護猫のいまを「家族になったよ」と題して紹介しています。今回は4匹。ボス、ケティ、たかな、ごま大福の暮らしを取材させていただきました。

放送で紹介したそれぞれの暮らし、簡単ですがまとめました。

≪ボス≫

ボスにはサブという名の相棒ができ、池崎慧さん(サンシャイン池崎さん)が向けられたという鋭い眼光を封印!皆が驚くほどおだやかな表情で幸せいっぱいに暮らしていました。引き取ったご家族はキッチンに侵入しないように入り口を網で封鎖。よく使う場所だけに苦労もあるのではとディレクターが聞くと「不便はなれる。何よりもボスがケガをするリスクを減らすことの方が大事だ」と答えていました。ボスも自分に向けられる優しさを理解しているから、あんなにのびのび暮らしているんだろうな~と、心があたたかくなりました。

≪ケティー(現・ケティ)≫

新しい家族に迎えられ愛されているフレンチ・ブルドッグのケティ。先住犬のコータくんと、優しいお母さん・お父さんと暮らしています。保護時代は体重が増えない悩みもあり痩せていましたが、食事にも気を配ってくれるあたたかい家庭で暮らした結果、いまではツヤツヤむちむちのフレブルらしい姿になっていました。ご家族は「主治医の先生や保護団体のみなさんと連絡を取り合いながらここまできた。ケティからは強さを感じる。パワーをもらっている」と、一緒に暮らす喜びを語っていました。

≪チェリー(現・たかな)≫

2021年の土石流災害で救出された猫から生まれたチェリー。新しい家族にたかなと名付けられ、幸せそうに暮らしていました。ご家族は、たかなのやんちゃぶりに「コラーっ!」と大きな声を上げる日々だと笑顔で話したうえで、「でも、たかなとつきみが毎日機嫌よく暮らしてくれたらそれが一番です」と締めくくりました。この言葉に、スタジオにいた人たちは大きくうなずいていました。

≪ごま大福≫

飼育放棄されていたというごま大福。放送ではアウトドア好きの家庭に引き取られ、一緒にキャンプを楽しむ写真や家庭でのびのび暮らす様子が紹介されました。ごま大福を家族として迎え入れることを最初に決めたお父さんは「家族4人でも楽しかったけど、ごま大福がいる人生はもっと楽しい」と語っていました。はじめは犬を飼うことに戸惑いがあったというお母さんも「ひとりで散歩するよりもごまちゃんとの方が楽しい。犬が好きという人の気持ちがわかった」と変化を語っていました。犬と暮らすためのトレーニングを受け、お互いの幸せをつくる姿が印象に残りました。

返還・譲渡 令和2年には68.5%
背景にある保護団体の努力

日本では、いまだに毎年2万匹を超える犬や猫が殺処分されています。一方で、環境省がまとめた統計資料によると令和2年 保健所やセンターに引き取られた犬や猫のうち68.5%が返還・譲渡され命がつながれました。背景には各地で活動する保護団体の存在があります。

2023年3月5日 NHK札幌放送局1階ロビーで行われた譲渡会とペット相談会の様子

今回、初めての試みとして公開生放送とあわせてスタジオのすぐ隣でイベントも開催。譲渡会や北海道獣医師会に所属する獣医師によるペットの相談コーナー、ペットと防災と題した展示を行いました。

3団体のイベント展示より

譲渡会は北海道全域で保護活動を行う3つの団体が実施しました。

「ボランティア団体 犬のM基金~犬の今日と未来のために~」のみなさんが保護犬の、「NPO法人ニャン友ねっとわーく北海道」と「認定NPO法人HOKKAIDOしっぽの会」のみなさんが保護猫の譲渡会を実施しました

それぞれのブースを拝見すると、新しい家族を待つ犬と猫の特徴が丁寧に書かれており、各団体のスタッフやボランティアの皆さんの優しさが感じられました。このうち、しっぽの会はこのようなチラシも用意していました。

毎回つくるというチラシ。長年活動をしてきたノウハウを感じました。

また、犬のM基金は保護エリアを示す地図や野犬への理解を深めるパネル、保護活動の様子などを展示していました。

広い北海道を相手に活動するには、お金も時間も人手もかかります。さらに理解を深めてもらおうと丁寧な展示まで…。改めて保護活動に従事する皆さんに敬意を表します。

そして、NPO法人ニャン友ねっとわーく北海道は、2018年の胆振東部地震や2000年の有珠山の噴火災害で救護活動を行った経験をまとめたパネルの他、災害に備えて普段から準備しておいてほしいものを展示しました。

まずは犬です。

布タイプのテープはケージが壊れてしまった時やペットがけがをしてしまった時などに活用できることから備えとして一緒に入れておくと便利だといいます。

つづいて猫です。

このうち、キャリーと一緒に洗濯ネットを用意しておくことをすすめています。脱走を防ぐためのものだということです。

命を比較しない
バトンを渡していきたい

地域発の家族になろうよ。
特集VTRとしてディレクターがNPO法人ニャン友ねっとわーく北海道の冬の保護活動に密着しました。

代表の勝田珠美さんは「殺処分としてはカウントされない、凍死によって命を失う動物がいる」と話し、冬は保護活動が忙しい時期だと指摘します。

また、重機にはさまれ大けがをした猫の保護についても放送。勝田さんは「目の前に来た命と、他の命を比べてこっちの方が得だからみたいな考え方はしない。それが結局、同じような子が全国で、例えば怪我だけじゃなく病気になった子が、私たちのブログを見て参考にしてくれたりする。その事で助かる子がいるかもしれない」と話し、活動の詳細をSNSで発信するようにしている思いを語りました。

事前にお話を伺った際、重機だけではなく乗用車でも同じような事故が起きるおそれがあると話していました。そのため、「車を動かす前にはボンネットをポンポンたたいて音を立てるなど、発進する前のちょっとした行動で不慮の事故を防ぐことができる」と仰っていました。

勝田さんの言葉はどれも考えさせられましたが、中でも活動にかけるこの言葉は深く胸に刻まれました。

酷いところから保護できて良かったねって、それだけじゃ全然ダメなんですよね。保護した命を新しい家族につなげていくこと、決して命を諦めないこと、新しい家族にその子のバトンを渡してあげること。これ以上でも以下でもない。

地域をこえたつながりを

番組では、埼玉、新潟、大阪、沖縄と全国各地の保護団体と中継をつなぎ、各団体から新しい家族をまつ保護猫の紹介や活動を通して感じていることなどを発信してもらいました。

最後に中継をつないだ沖縄県宮古島市のNPO法人ねこハピの代表・大出恵理子さんは「北海道では凍死が問題になっていたが、宮古島では通年で猫が増え続けるという現状がある。さらに島内の猫が好きな人や保護猫の活動に関心がある人はすでに多くの猫と暮らしており、譲渡が進まない。神奈川県の団体と協力をして宮古島の猫を関東の人に譲渡する取り組みをしているが、ほかにも協力いただける団体とつながっていきたい」とメッセージを発しました。

地域の実情を理解したうえで、どのような未来を描けるのか。東京のスタジオとはまた違う、「家族になろうよ」の姿を感じました。

ご覧いただいた皆様。ご協力いただいた皆様。ご来場くださった皆様。ありがとうございました。また次回、第9弾、そして地域発の機会がありますように。

これまでの「家族になろうよ」についてまとめた記事はこちら

2023年3月6日 瀬田宙大

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