NHK札幌放送局

ほっと通信(87)【瀬田宙大】

瀬田 宙大

2020年1月28日(火)午後1時55分 更新

あすから始まるほっとニュース北海道の新企画「ローカルフレンズ 出会い旅」。このローカルフレンズというのは、地域に根差してネットワーク=仲間の輪を広げ、地域で暮らしているからこそ知っている魅力や面白い取り組みをSNSなどを駆使して発信している人たちのことです。独自のネットワークを持つ彼らの輪に飛び込むことで、地域の素顔が見えるかもしれない…そんな期待をもって始めます!

三日間のシリーズでお伝えする今回の出会い旅。案内してくれるローカルフレンズは、北見市出身で地域のプレイヤーのつながりを紡ぐ団体「ドット道東」の代表・中西拓郎さん(写真左)と、遠軽町出身で「田舎の未来」という著書がある佐野和哉さん(写真右)です。

二人の案内で訪れたのは、北見市中心部、端野町、津別町、北見市常呂町、網走市。地域に根差して働く4人のローカルプレイヤーを紹介してもらいました。皆さんそれぞれに地域を見つめ、現実と向き合い、仲間と共に夢を追う姿が印象に残りました。皆さんからもらった熱量やバイブスが、札幌に帰ってきたいまも体中をめぐっています。

今回の旅のおわり。
網走市の天都山展望台を訪れた私たち。知床半島や斜里岳、オホーツク海を前に語り合いました。

~以下、敬称略~

瀬田
ありがとうございました。面白かった。はじめは中西くんや佐野くんのように、人と人を繋ぐ人がいるからこそプレイヤーが次々に生まれてくるんだと思っていたんですが、それは違って、地域に数多くのプレイヤーがいるからこそ、二人みたいな人が出てくるんだということがよくわかりました。

中西
そうなんですよ。僕たちがやりたいしできるのは人と人、地域と人をつなぎ合わせる“ハブの役割”だと思っているんです。地域には掘る人、深める人と、僕らみたいにハブになる人との両輪がいるのが大事なのかなと思っています。ある分野を特化して掘る人、攻める人みたいな人がいっぱいいて、そこを横串さすみたいなことになれば、もっといろんな魅力が自然と生まれてくるのではないかと考えています。

瀬田
両輪ね!

中西
そうです。全体でインパクトを残すことが大事だなと。個人だと、その分野で特化して、点で印象を残すということになるんですけど、それだけだともったいないかなと。もう少し重なる部分とか、相乗効果、埋めあえる部分って本当はあると思うんです。そういうものを繋ぐ役割を自分はやりたいと思っています。

瀬田
中西くんは一度関東に出て、Uターンして帰ってきたわけじゃないですか。帰ってきて一番やりたかったことは地域の情報を発信することだと話していましたけど、地元に帰って8年、つなぐことにだいぶシフトした感じですか?

中西
そうですね。帰ってくる前は、僕が情報を発信しているところにうまくたどり着けなくて、Uターンするにも「地域で暮らすための情報が少ないな」ということが課題だと感じていたんです。それは今もそんなに変わっていないんですが、自分が地元に帰ってきて暮らすようになって、情報発信もしつつ、地域に足りないことというか、自分ができることを確実に精一杯たくさんやっていくことが今はとにかく大事だと思ってるんですよ。情報を集めたり、人をつないだり、それを発信したり。うん、自分のできることをどんどんやっていくということなのかなぁ。根本は変わっていないと思うんですけどね。つながるから情報が厚みをもってきたというか。それを愚直に伝えていく。それが大事だと、いまは思っています。

瀬田
別のことではなく、延長線上にそれぞれがあるということなんですね。中西くんは「自治体ごとの切れ目・区切りをグラデーションにしたい」とよく話しているけど、これって広い北海道では特に大事なのかもしれないね。

中西
そうですね。隣町に行くのにも時間がかかるのが北海道ですからね。そんな地域で、どんどんやりたいことをやれる人が増えれば一番いいなと思っているんですよ。まずはプレイヤーとよく言うんですけど、そうしたローカルプレイヤー同士が繋がりあうとか、自分のことを応援してくれる人と出会うとか、そういう環境を作ることがとにかく大事だなと思っています。ある分野に特化していくと、孤立もしていって、その結果心が折れたりして続かなくなるというのは凄くもったいないですよね。業種とか年代とか町とかが違っても、同じ思いを持っている人が繋がるということが実現出来ると、より自分のやっていることにもポジティブにフォーカスできるのかなと思っています。

瀬田
佐野くんも中西くんに近い立場だけれど、「ドット道東」に入っているわけではなくて、お互いに距離を保ちながら、仲間として一緒に仕事をしていて、それって不思議な距離感だなと素朴に思ったんですけど。

佐野
僕は拓郎さんと共通する部分はありつつも、僕個人の問題意識でやっているということかなと思っています。いまは東京に住みながら北海道とを行ったり来たりという感じでやっているんですけど、感じるのは地元で生活したいけど、それがなかなか現実的ではないという現状を感じているんです。でも、それは北海道に限らず全国どこでもそうだと思うんですよね。そういった現状と客観的な距離感で関わることで見えてくるものがあるんじゃないかなと思ってやっています。その中で、地域を良くしたい、北海道を面白くしたいという思いで頑張っている先輩方がたくさんいるので、僕は僕なりに応援しながら、一緒にできることをもっともっと探してやっていきたいという感じです。

瀬田
一緒に各地をまわりながら佐野くんが「人口はたしかに減っていくけど、その中で人の熱量、熱量のある人がどれだけ減らないようにするか。あるいは、増やしていくことが、単純な数を問題にするよりも大事だ」と話していたのが確かにそうだなと印象に残ったな。

佐野
ありがとうございます。地域で楽しく暮らすというか、やりたいことをやっていくってために「熱量を持った人たちで一緒にやっていく」ということが近道なんじゃないかなと思っているんです。この地域に住んでなくても、例えば、地元のことに何か関わりたいっていう人はたくさんいて、例えばクラウドファンディングをやれば支援をしてくる人とかもいますよね。そういういろんな人の中にある熱量を形にする、ちゃんと地域に向けることをやっていきたいなと思っていますね。

瀬田
熱量って、お互いに伝播し合う、干渉しあうのが面白いよね!

中西
そうなんです!肯定されるって大事ですよね。なんかいいね!とか、一緒にやろうよ!ということが、その人のモチベーションになったり、救われることってたくさんあると思うんです。人口の母数が少ない分、そういう機会も比例して少なくなると思うので、そうした機会を増やすことで、もっともっと、やりたいことをやれる人が増えるのかなと思っています。だから会いに行くんですよね。そのあたりは佐野くんとも共通していると思うので、それぞれが自分のできることでとか、領域でとか、どんどんやっていくのがいいかなと思ってます。

瀬田
やってくし、やり続けるみたいな?

中西
そうですね。結局自分たちが楽しく暮らせるということにもなってくるので。

瀬田
「楽しく暮らせる」って最高に面白いよね。

中西
そうですね。それじゃなきゃ地元を生きる場所に選んだ意味ないんで。

瀬田
もうひとつ教えてもらってもいい。今回お会いした人みたいに地域に根差して熱量が高い人って、きっと知らないだけでまだまだたくさんいるってことなんだよね。

佐野
そうですね。僕が知ってる人だけでも結構たくさんいます。拓郎さんも知ってる人いっぱいいます。例えばNHKさんのニュースに出てくるようなことを成し遂げた人もいれば、そういうことではないけど、すごく強い意志を持ってやってらっしゃる方というのは本当に数多くいると思います。そういう方が増えていったり、注目されるということが増えれば、もっともっと良い形になっていくのではないか。そんな思いもあって、この企画も実は協力しようと思ったんですよね。みんなで、NHKさんも一緒にできることをやっていけたらいいなって感じていますね。

瀬田
僕たちメディアは、何かに到達した瞬間や、完成間近、目標達成みたいなところで取材にお邪魔することが多いから、実は見えていない面白い瞬間って本当にたくさんあるんだろうなということを改めて今回感じたなと。例えば、地域ではこういうことを大事にしているんだよとか、地域の横のつながりがあるから今があるんだよねとか…、途中経過が意外と見えてなかったんだなと思いましたね。

中西
そうですね。たしかに、繋がり合ってみたいなところとか、線で見えるとか…。普段は点をつなぎ合わせて、みたいなことを僕たちはやっているので、そこを見せるというのはもしかしたらこういう企画だから出来ることなのかもしれないですね。

瀬田
普遍性というか、他の地域にも生かせることって意外とそこにヒントがあるかもって思った。熱量とか夢がちゃんと形になることを言い合うことも大事だし、つながりをどう作るのかも大事ってね。

中西
そうですね。相関関係があるというのは間違いないと思うので、地域のそのあたりの文脈も見えるようになったら、地方とか地域の見え方とか魅力が全然違ってくるなと感じてもらえるかもしれないですね。面白い。

佐野
そうですね、それこそ色々お話聞いた皆さんも、一人で頑張ってそれを成し遂げたみたいなことではなくて、それぞれ「みんなで頑張ろう」とか「やっていくぞ」という話をしてきた先にいまがあるわけですからね。

中西
これまでも、この先も途中で関われる瞬間というか、僕らみたいな人間が入れる余白もまだまだあるよなって。そうですよ、いろんな人が関われる余白が地域には本当にたくさんある、それだけ変わるチャンスがあると思うんです。点と点だと接地面が少ないかもしれないですけど、そこに線をひいたら、ここにめっちゃ引っかかる!人がめっちゃいるじゃん!みたいな…これは今の思いつきです(笑) いま思いついちゃった。タッチポイントめっちゃ増えるね、点と点を結んだ線の上!

瀬田
そうだねー。その線が、意外と僕たちも見えていなかったんだなと思った。でもそれはそのはずで、地域にいないと見えない。地域にいるからこそなんだよね。こうやって案内してもらうことの意味ってそこにあるんだなってすごく思ったな。

中西
まとめてくれたーーー(笑)

瀬田
そうやって綺麗にまとめすぎるのが、NHKっぽいのかもしれないね(笑)

全員
(笑)

中西
でも、地域の力とか、そこに価値があるって見いだしてくれるのは、やっぱりメディアの方の役割なんだなって思いましたね。僕らは実践者だと思うので、なんかそこに価値付けしてもらうとか、何かを見いだしてもらうとかは、メディアの皆さんにやってもらうと勇気が出る。こういう機会ってなんかめちゃくちゃ貴重でありがたいことだなと思いましたし、楽しかった。ありがとうございます。

瀬田
こちらこそありがとうございました。

佐野
ありがとうございました。

(握手しあう3人)

中西
それにしても、僕のさっきの、線の部分。これ、ちょっと

瀬田
いいよあれ。ビビッと来た!

中西
点だったら引っ掛からないけど、ここに線をひいたらめっちゃ引っかかりますよね…みたいな。いいよこれ。これ言おう!言っていこう!

瀬田
ジェスチャー、点と点を示して指でつないで、それと垂直に線を示す。その手が分かりやすかった!生まれたね~アイデア!

中西
これ、いろんなところで使えそうなので、使っていきます。言うようにします。いいですよね?

瀬田
いいよ!次、第二弾があったとき「ドット道東」じゃなくて、「ライン道東」の中西ですだったら面白いね(笑)

中西
でも、これでドットっていうか、ドメインが作られていく、面になるじゃないですか!面になると、立てられますよとか!!…おーー発明。3次元になるから!みたいなことも言えますよね?

瀬田
なんか生まれたね。

中西
いやすごい、いいのをいただきました!

瀬田
発明だ!この景色、この空間、このメンバー。いろいろ味方したね。

中西
そうですね、思いついた。2次元が、3次元に。これヤバくないですか(笑)

瀬田
でも最近頻繁に会ってわかったのは、中西くんってスゲェいいこと言ってたのに、いざという時に出てこないよね。インタビュー始めたら忘れるっていうこともね。

中西
(笑)忘れますよね。そういえばそういうこと言ってたよねとか(笑)モードに入ってるときはいいんですけどね、そうじゃないとよく忘れるんですよ。なんだっけ…って。

瀬田
今度は忘れないでね。

中西、佐野、瀬田
(笑)

ローカルフレンズの二人とは、これまでにも取材などを通じて何度か話したこともあったことから裸の言葉を使いすぎてしまったかなと反省をしている私。でも、これまで知らなかった地域の顔は見えた気がしました。そして地域の未来も。この会話だけでは伝わらないところが多々あるとは思いますが、きっと明日から三日間の放送をご覧いただくとニュアンスをつかんでもらえると思います。番組は鋭意製作中ですが、地域を堪能した大きな子供3人のオホーツク海側の旅をぜひご覧ください。ほっとニュース北海道午後6時10分からです。

それでは、また(^^)/


(2020年1月28日)


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