NHK札幌放送局

#theLocals

瀬田 宙大

2020年5月28日(木)午後3時34分 更新

「the Locals」は、北海道の179のまちのローカルプレーヤーと道内NHK7局がつながりを強め、よりよい地域を創る未来志向プロジェクト。コロナ前に準備をはじめ、コロナ禍の3月末に発表、ローカルが厳しい環境におかれる中、おとといオンライン会議を開きました。

オンライン上に集まったのは道内各地のローカルプレーヤーとNHK職員50人ほど。一時間強、意見交換を行いました。

完全に私の主観でお話ししますが、各地域で厳しい現実に向き合いながらも、しなやかに今と向き合う姿がなにより印象的でした。単に前向きということではなく、各々に事業や活動を維持発展させるためにも、マインドをポジティブに転換せざるを得ない面が大きいことは言うまでもありませんが、地域のために、北海道のために、そしてそれぞれのよりよい未来のために活動する人が全ての地域にいるということは希望そのもの。地域をつくるのも、よくするのも、結局は人の力。心強く思います。
その一方で、私たちがどれだけみなさんと関係を密にしていけるのか―。そのことを改めて問われているとも感じました。これまで同様、報道機関として、指定公共機関として、公共放送として生命・財産を守るために伝えるべきことをお届けするのはもちろんですが、地域で暮らしているからこそ感じる素朴な疑問や、今発信したいと思っている情報もきちんとお届けすることが重要だと思います。この両輪を強く意識しなおすことから変わっていきたいと思いました。

theLocalsの第1期メンバー10人は、NHK北海道のホームページで詳しくご紹介しています(「the Locals」オンラインミーティングを実施しました!)。

このオンラインイベントをきのうのほっとニュース北海道でお伝えしましたが、時間の制約もあり全員の声をご紹介できませんでした。このブログではオンラインミーティングでの各プレーヤーのみなさんのメッセージをお一人ずつご紹介させていただきます。

クリエイター・コンプレックス&コミュニティ「ハウモリ」発起人 山形 巧哉さん

森町の山形です。普段、みなさん“地域課題”とかっていうんですけど、地域課題は主観なのかなと思っています。だから僕は地域課題という主語のでかい話ではなくて、うちの奥さんと家族と友達とかがいる自分の町が好きなので、この好きな町をこじゃれた感じに、いい町にして過ごしていけたらいいなと考えて暮らしています。またいろんな活動すると、家族が褒めてくれるんですね。それがうれしくて、モチベーションになっています。また、森町で古写真を集めて、森町アーカイブ「記録の記憶」なども行っています。「北海道新型コロナウィルスまとめサイト」JUST道ITの立ち上げにも関わっています。


「KAMIKAWORK」フードプロデューサー 絹張 蝦夷丸さん

上川町の地域おこし協力隊をしています。同時に、個人で自家焙煎のコーヒーを提供する店を大雪上川ヌクモという施設でやっています。僕が住んでいる上川町は観光の町なので、コロナの影響はすごく大きい印象です。層雲峡や、地域の観光施設・ホテルは特に深刻です。大雪上川ヌクモという施設も休業していたのですが、27日から営業再開予定なのですが、全部が元通りにというのは時間がかかりそうです。コロナ時代は都市部からの移住の流れも出てくるかもしれないと思っています。ただ上川町は移住の取り組みがこの数年で始まったばかりという状況で、PRや受け入れ体制などがまだ十分ではないと感じています。今後は観光や移住PRのイベントをオンライン上で開催できないかと企んでいます。個人的な話でいうと、シャトルランと私は呼んでいますが、道内を車を使って各地行ったり来たりして人との親交を深めて新しいプロジェクトやネットワーク構築を普段からしていたのが、いまできなくなってしまっています。いまやっていることでいうと、カミカワークイーツというデリバリーのお手伝いなどもしています。行き来できなくなった分、シャトルランラジオというネットラジオ番組も道内の仲間と始めています。あとは仲間のアーティストが厳しい状況なので、僕のコーヒーと友人のCDをセットにして販売するなども取り組んでいます。


Li world(株)代表取締役 山口 雄平さん

地元の魅力を伝えていきたくて、できることをとスタートしました。知らないうちになくなってしまうお店が地域にはたくさんあって、でも広報をしっかりすればお店を継ごうかとか、廃業を防ぐことができるのではないかという思いが原点にあります。はじめはWEBサイトからはじめました。活動する中で室蘭は景色が本当に素敵な街で、それをいかして「撮りフェス」という写真のイベントも企画してやっています。地域のためにという思いが一番ですが、いろいろ考える中で、都会の仕組みは地域になじみにくいですが、地域の仕組みはほかの地域でも応用できると思っています。ここでみなさんとお話しする中でいい方法を共有して、いい形にしていければいいなと思っています。ただ地域のことをやるなら地域を愛している人と一緒にやらないと変なことになると思うので、誰と仲間になっていくのかが大事だと考えています。こういう場所でみなさんとまずつながりを持てたのが私は嬉しいです。


一般社団法人ドット道東 代表理事 中西 拓郎さん

北見に住んでいます。個人的なことで申し訳ないのですが、課題としては今年予定していたことができなくなってしまったというのが大きいです。いま「.doto」というガイドブックを制作しているんですが(詳しくはこちら)、完成したら各地をキャラバンしながら広報をしていこうと考えていたんですが、それが難しくなってしまったというのが一番大きいです。また、移住関係のイベントコーディネートや観光関係の仕事などがなくなってしまいました。ガイドブックが完成したあとの仕事がなくなってしまって困っているというのが正直なところです。とはいえ、いまやれることをやるしかないので、前を向いています。いい材料としては、自分たちは会いに行って地域で関係を作り様々なことをやってきたのが難しくなってしまった反面、ある程度関係はあるので、リアルでは難しいけど別の方法でその関係を発展させていこうと考えています。例えば、ある求人を僕が代表を務めるドット道東のTwitterで紹介したら反響をもらったので可能性を感じていたり、移住や就職の地域情報と地方に魅力を感じている人のマッチングの役割ができたらいいなと考えているところですね。ガイドブックももうすぐ完成しますので、すごいものになると思いますのでぜひ手に取ってほしいです。


「クスろ」副代表/ゲストハウス「コケッコッコー」代表 名塚 ちひろさん

釧路市阿寒町に住んでいる名塚です。出身も釧路です。市民団体「クスろ」と、ゲストハウスコケコッコー、ドット道東の理事をしていますが、キャリアとしてはデザイナーとしての仕事が一番長いです(詳しくはこちら)。東京からUターンしていまに至るんですが、経営しているゲストハウスがもろにコロナの影響を受けています。お客さんが9.5割減となっています。GWから10月までがハイシーズンですが、収入がいまないのが目下の課題です。またゲストハウスがある場所が観光地ではない住宅街にあるので、多くの人が訪れる場所はあまり多くなく、感染拡大の中で気を払わなければならないことがとにかく増えました。宿をこのままの形態でやっていいのかどうかって言うのは非常に今、悩んでいるところです。とはいえ、部屋は空いていて、従業員もいて、かつ暇なので、例えば宿にクリエイターの方やアーティストの方に1か月滞在してもらって、制作活動をしてもらうような拠点に今年はできたらいいのかなと思っています。あとは「クスろ」についてこのあと夏堀が報告してくれますが、釧路出身者でやっているんですが、メンバーが住んでいるのは釧路以外なので、オンラインはもともと駆使していたんですね。それが在宅勤務の人も増えたことから結果として打ち合わせが密にできるようになったので、コミュニケーションがスムーズになったのはよかったなと思っています。いまはガイドブック「.doto」の制作にとにかく注力しています。


「クスろ」イラスト・にぎやかし 担当 夏堀 めぐみさん

釧路出身の夏堀です。名塚と一緒に「クスろ」をやっています。私はいま茨城県つくば市に住んでいますが、引き続き6年以上やっている「クスろ」にはメインで関わらせてもらっています。釧路にもっとユーモアをというコンセプトをもとにメディアだけではなく、イベントやワークショップもやっているんですが、課題感としては現状活動内容は変わらないのですが、リアルイベントにかわるオンラインコンテンツをどうやって増やしていくかということを自分たちに与えられたミッションだと感じています。ガイドブック「.doto」にも掲載しますが、オンライン上に架空の“クスろ市”という街をつくって、そこでフィクションの企画ものをどんどんやっていく準備を進めています。釧路出身者や「クスろ」に興味を持つ人、関わってくれる人とグッズ制作や企画もの、オンラインイベントなどに発展させていくことを計画しています。


「田舎の未来」著者 さの かずや さん

オホーツク海側、北海道遠軽町出身の佐野です。オホーツク島という、オホーツクに関するいろんな取り組みを発信するWEBサイトをやっていましたが、こないだ一区切りをつけました。課題感と取り組み状況というお話しだったと思うんですけど、今まで東京とオホーツクを2週間ずつくらいのペースで行ったり来たりしていたんですが、それができなくなりました。できることも限られるので、いろいろ整理する機会にしています。直接会う機会が減ったということで、逆に直接会えることの価値がすごく高まったんじゃないかなと思っています。私がまさにそうですが、オホーツクにかえれなくなってしまったことからも、物理的に遠くにいることのハンデも高まったような印象を持っています。多くの人が取り組みを始めようということで、たくさん声をかけてもらっているところではあるんですが、自分がいまやるべきことなのかを価値基準に、いろいろ判断をしていかなければならないなと思っているところです。いまは動けないので準備期間ですね。


一般社団法人ドット道東 理事 野澤 一盛さん

拠点は十勝の帯広です。僕は会社員なのですが、副業としてものを書いたり、写真や動画をとったりしています。現状でいうと、僕はこの4年ずっとリモートワークで自宅で暮らしていたので個人の暮らしとしてはあまり変わっていません。十勝の人の温度感でいうと、十勝は比較的感染確認がいまのところ少ない地域という意味でストレスはほかの地域よりも低いのかなという印象を持っている人も少なくないのではないかなと感じています。仕事柄農家さんとよく話をするのですが、お手伝いをしてくれる人は秋まで例年ずっと足りないところが多いんですが、十勝では確保できたという声が聞こえてきています。例えば大学生が飲食の仕事ができないから農業のバイトをしているというある意味でポジティブな話もあったりします。農業が一大産業であるよさを改めて感じている人もいるのではないかなと思っています。課題としては、コロナで本当にすべてが変わるのかなとも思っています。いまリモートワークを推奨していましたが、またもとの出勤スタイルに戻すという企業の話も聞こえてきています。実は大きくは変われないのかなと。でも変えるべきは変えていくチャンスでもあると思うので、いい方向に動いたらいいなと思っています。声をあげるという作業をNHKさんと一緒にやっていきたいなと思っています。また、北海道全体が常に言われてきたことでもあるんですが、どうしてもメディアの情報の中心地は札幌になってしまうという課題はやっぱりまだまだあるなと思っています。人口が多いのでわかりますが、北海道は広いし、179市町村がひとつのかたまりなので。今回のコロナも、北海道=札幌、札幌=北海道と全国では特に報道されてしまっていて、十勝のことはあまり伝えられない。そんな報道のあり方も少し目線を変えて、地域のことを取り上げる仕組みがもっともっと生まれてくれたら嬉しいなと思っていますね。


IRENKA KOTAN 代表 種市 慎太郎さん

ことし19歳で、高校卒業してデジタルネイティブ世代を巻き込んだ街づくりをすることを目的とした会社を起業して札幌で活動しています。僕は若者世代を代表して発言させてもらいます。札幌は人口が多いので当然そうなのですが、学校が多い地域です。休校の影響で学校ごとに地域で行っていた活動や、部活動など全てが停止してしまっています。ちょっと前まで高校生とか大学生対象に、それこそ起業支援だったり、学外での探求型プログラムみたいなものとかを大手の企業さんとかがCSR的にやっていたんですけど、そこが軒並み資金を撤退するみたいな形で、ちょっと存続の危機になっているような活動や団体さんもちらほら出てきてしまっています。私たちは、高校生のコミュニティースペースもクラウドファンディングで支援を頂いて4月にオープン予定だったんですけど、できないので、オンラインに切り替えて活動しています。その中での取り組みとしては、北海道出身や道内の高校生・大学生に向けて「YOUtH」というオンラインスペースをオープンさせました。コミュニティースペースで、2週間ほど運営しているんですが120人程が参加して、毎日イベントや集まりが開かれています。オンラインでもいいから活動を継続することが大事だと思っていて、北海道のことが好きで何かできないかなという思いのもと、各地の先輩方と一緒にやっていければと思っています。


クリプトン・フューチャー・メディア(株)ローカルチームマネージャー 服部 亮太さん

「初音ミク」でも知られる私が勤める会社自体は1995年に札幌で設立された会社で25年くらいになります。私は2014年に入社しました。2016年に北海道に根差したことをやろうということでローカルチームという部署が立ち上がり、私はそこの責任者を務めています。今年になってからの影響は、私のローカルチームでは様々な事業を行っていて、例えば札幌では飲食店をやっていて、シメパフェのきっかけをつくったお店が当然ですが大打撃を今現在も含めて受けています。テイクアウトではこれまでの売り上げには及ばないので、この先見通し厳しいと感じています。また新千歳空港には360度北海道の様々な風景が見られるシアターも運営しているんですが、これが早々に休業を決めて今も継続しています。普段、北海道の全域の取り組みもアプリ「domingo」で行っていますが、ニュースとイベントを普段から情報提供していますが、イベントは普段は500件ほど掲載していましたが、延期や中止が増えていくのを2月以降目の当たりにしていました。何ができるのかを考えているなかで、リアルイベントは難しいけど、オンラインのイベントやセミナーを紹介したり、親子向けの北海道博物館さんとやり取りをさせて頂いた「おうちミュージアム」とか、北海道物産展が各地で出来ないのでオンライン物産展も私たちのアプリの中で紹介させていただいて、移動が制限される中でも北海道のいろんな地域のきっかけを何とか提供していきたいと取り組んでいます。毎年10月に札幌で開いているNoMapsでは最先端の取り組みを紹介しているんですが、地図のない世界にリアルで飛び込んできているので、このイベントが目指してきた課題を先端技術で解決する時がいまだと思っていろいろ検討しています。
全体を通してですが、本当に想像しきれない部分が多い時代になっていて、こういう生の声を聞いて、想像力を広げないといけないんだなと感じました。こういう機会をぜひ増やして、次のアクションにつなげていきたいと私も思いました。

みなさん、熱いですよね。地域での仕事の面白みをいつも教えてもらっています。
多くの人の心に一度は芽吹く、都会への憧れ。その裏にある地方のネガティブイメージをコロナ時代の北海道が取っ払える気がしています。

ここからどんなアクションを起こしていけるのか-。
まずは、この座組を継続することが大事だと思います。日常的に各地域のみなさんと顔を合わせ、議論をして、未来と課題を率直に語らうことからしか始まらないと考えています。転勤前提の組織体である私たちの中に、こうした地域とのつながりを持ち続けることを仕組みとして定着させていくことが、プロジェクトを立案し、運営しているいまのNHK北海道のメンバーに与えられたミッションだと思います。このチャレンジ、なんとか結実させようと思います。

なぜなら、「その時パートナーでありたい」から。

それでは、また\| ・vvvv ・ |/

※theLocalsのメンバー、佐野和哉さんと中西拓郎さんと協力して生まれた #ローカルフレンズ出会い旅 という番組の第二弾が今月31日(日)午後1時35分から全道向けに放送されます。こちらもぜひご覧ください。

(2020年5月28日)

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