NHK札幌放送局

#ローカルフレンズ (45)ローカルラッキー続く番組に

瀬田 宙大

2022年1月27日(木)午後4時32分 更新

あす、1月28日(金)夜8時00分から、滞在記スペシャル第2弾を放送します。
放送カウントダウンブログの最終回はこれまでの2年あまりの軌跡も含めて、いま思うことをつらつらと書いてみました。

いざ、素顔のローカルへ!
滞在記前身「ローカルフレンズ出会い旅」

いざ、素顔のローカルへ・・・!
このテーマを掲げて、2年前の1月末、ローカルフレンズ出会い旅が初めてほっとニュース北海道のいちコーナーとして放送されました。

この時は、オホーツク海側の魅力を3日間にわたってご紹介しました。

初日は北見市のSDGsな企業、2日目は津別町から世界を目指す家具メーカー、3日目は北見市常呂町の漁師が取り組む6次産業化を特集。
当時から地域の人と地域の人。メディアと地域の人。
それぞれをつなぐ「ローカルフレンズ」がキーマンとなり、地域を案内する旅番組で、初代フレンズはドット道東の代表理事 中西拓郎さんが務めました。
さらに、ローカルフレンズのコンセプト設計を行った佐野和哉さんも同行。オホーツク海側遠軽町出身の佐野さん、北見市出身の中西さんと、このエリアに明るいフレンズ2人体制の贅沢な案内で、人間関係も含めて、地域の素顔をお届けしました。

(写真左から佐野和哉さん、中西拓郎さん 最高のロケ日よりに恵まれた結果、頑張って目をあけようとしてもあかない・・・ロケ開始前の思い出の一枚)

トライアル➡不定期レギュラー放送へ

滞在記を含むローカルフレンズプロジェクトの起点はどこか。
これには、いろんな考え方があります。
NHKに企画が持ち込まれた時。
レギュラー放送がはじまった春など。

私にとっては20年1月29日がその日です。
初めてほっとニュース北海道で人目に触れることになった日です。

3日に渡った放送は、いわばお試し放送。トライアルでした。局内はもちろん、局外の方にもご覧いただき、”評価”をもらいました。

その結果、20年4月~「ローカルフレンズ出会い旅」というタイトルで、ほっとニュース北海道のコーナー放送&不定期の15分や25分の特集番組として放送がスタートすることになりました。

全てのはじまりです。

移動とふれあいが難しい時代に

ところが、目の前に大きな壁が現れます。
いまも世界を翻弄する新型コロナウイルスです。

私たちが目指した姿は、スタート直後にとん挫しかけます。

なぜなら「出会い旅」は札幌にいる人間が地域にお邪魔し、フレンズが紹介してくれる地域の人と出会い、ふれあい、その中で見聞きした感動を放送とWEBで発信する番組だからです。

企画の根幹ともいえる「旅人の移動」と「ふれあい」が難しい社会情勢となってしまい、NHKの制作チームはものすごく頭を抱えました。ものすごく・・・。

こんな時だからこそ「旅」じゃないですか?

どうするのか・・・。
NHK制作班は「『フレンズのおうち時間』とタイトルを変えて放送を始めて、状況がよくなったら旅を始める」という案を考えました。

ただ、本当にそれでいいのか・・・。
フレンズのみなさんはどう考えるのか。
地域のみなさんと一緒につくる「出会い旅」。みなさんの思いが大事だからこそ、率直に聞いてみることにしました。

定期的に開催していたオンラインミーティングでこの議題について話していたところ、初代フレンズの中西さんからこんな言葉が返ってきました。

「こんな時だからこそ”旅”とか”出会い”が大事なんじゃないですか」

このミーティングに参加していた、新メンバー3人(しおさん・おっくん・せいらさん)からも同様に「やりましょう!」「明るい話題をつくりましょう!」と賛同の声があがります!

気がつけばミーティングは「どうすればコロナ禍で旅番組をつくれるのか」を議題に話が進んでいました。この時も含め、私たちはフレンズの皆さんに多くの励ましや提案をいつも頂いています。

みなさん、本当にありがとうございます。

この議論を経て、リモートを最大限活用した旅番組「オンラインで旅してみた件」を制作。5月、函館、伊達、中標津の3か所とリモートでつないでほっとニュース北海道で放送。その後、15分の特集番組も放送しました。

フレンズの力で緊急事態宣言下で旅を実現させたのです。

放送をご覧いただいた方はご存知ですが、このリモート旅の最後は、画面越しに再会を約束しました。

その約束は、20年7月に函館、11月に伊達、21年3月に中標津を訪問することで果たしました。
このほか、夏には観光客が減った知床半島と清里町のネイチャーガイド2組の豪華案内で「出会い旅」を制作、放送。特別な人が登場することが多いテレビの世界に、地域で地道に活動する人や、これから活躍が期待される人、あるいは地域でみんなと楽しく生きている普通の人がたくさん登場したことも、フレンズプロジェクトでつくる番組の凄さであり、フレンズのみなさんが大切にしている普段着の地域を見せたいという思いがあったからこそだと思っています。

出会い旅の記録はこちら

困難な時代でも前を見て、歩み続けるローカルフレンズのみなさんに支えられたからこそ、私たちもチャレンジ出来た一年でした。

出会い旅➡滞在記へ

そして21年4月、スタイルは旅から滞在へ。
地域とのつながりをより深めたいと大幅な変更を決断しました。

キービジュアルに記された通り「北海道の仲間と宝を探す旅」というコンセプトは維持したまま、「出会い旅」では届けきれなかった情報や人を紹介することを目指しました。

「出会い旅」のロケは長くても3泊4日。
フレンズのご紹介の元、事前取材で多くの地域の魅力に触れながら、旅スタイルにあわなかったり、構成すると放送時間に入りきらなかったりと、泣く泣くご紹介できない人や出来事が数多くありました。

最も悔しい思いをしてきたディレクターから「新しい取り組みのはずなのに、放送にするプロセスがこれまでと同じではダメだ。抜本的に違う取材スタイルをつくろう」と声があがります。

そこで、たどり着いたのが「滞在」でした。
ディレクターが1か月間フレンズの協力のもと地域に住んで、これまでよりも深く地域を知り、地域のみなさんと一緒に、地域から情報を届ける放送&WEB発信を実現しようと考えました。

全ては地域の為に。地域と共に。
「ほっとニュース北海道」が掲げたテーマ「超ローカル宣言!」を体現する企画として、今年度は毎週木曜日、1つのエリアを4週にわたってお伝えしてきました。

4月には宗谷エリア、5月には喜茂別町、6月には弟子屈町。
9月には西興部村、10月は十勝エリア、11月が道南・環駒エリア。
12月は足寄町、22年1月は江別市に滞在しました。

さらに3か月に1回、43分番組も制作。
第1弾は4月~6月の総集編的な番組をお届けしました。

そして、あす夜8時00分から放送する第2弾は、9月~11月の地域を取り上げ、出会い旅のニュアンスも付加したスペシャル番組になっています。

≪ローカルフレンズ滞在記SP第2弾≫
西興部村・十勝エリア・道南 環駒エリア編
28日(金)夜8時00分~8時43分【全道・総合】

ローカルラッキーを大切に

地道ながらも雪だるま式に大きくなってきたこのプロジェクト。
先日の収録中、番組に「ローカルラッキー」が来ているなと感じるできことがありました。

それは、環駒エリアのローカルフレンズ・鍋谷雪子さんとお話を進めている時でした。

「ローカルラッキー」が何をさすのかの前に、まずはこの言葉が浮かんだ経緯からお伝えします。

鍋谷さんは、みずからが運営する駐車場で行われたフリーマーケットで、小学生の出店をサポートしました。11月の滞在記でも、初回にその様子を放送しています。

小学生が主役となる放送を出すことになった背景は、鍋谷さんプロデュースの滞在記が始まるひと月前、10月の札幌局でのイベントがきっかけでした。
ローカルフレンズプロジェクトの現在地をお伝えするトークイベントで、滞在記を担当したフレンズから「若い世代への訴求力が課題」という声があがりました。

その話を会場で聴いていた鍋谷さんは、自らの滞在記でその課題に挑戦したいとこの日、宣言。それが小学生の取り組みを放送で紹介することにつながりました。

今回のSP番組のスタジオ収録中、この経緯を振り返っていたところ、鍋谷さんは”偶然が重なっただけ”と謙遜していました。
さらに話を進めていたら、もう一つの”偶然”が発覚。
SP版では”きょうだいユニット”Siblings(シブリングス)についてクローズアップします。ユニットについて鍋谷さんは「滞在記で紹介した翌月にライブが予定されていて、これもタイミングよく地域の魅力としてご紹介できて良かったです。結果、今回のSP番組では、ライブの様子も撮影していただいてラッキーだったなと。そういう意味で、私の感覚では、タイミングよくお盆の上にぽんぽんぽん、と、駒が勝手に並んでいった感じ。小学生にせよきょうだいユニットにせよ、番組のラッキー力、引き寄せる力こそすごいなと思いました」と話していました。

この話を聞いたときに思い出したのが「ローカルラッキー」でした。

「ローカルラッキー」とは、前出のドット道東の中西さんがラジオ番組などで私たちに教えてくれた言葉で、NHKの放送に頻繁に出演するようになった頃を振り返り「地域で地道に積み上げていると、誰かが見ていて、ある時”ふっ”と引き上げてもらえる瞬間があるんです。そのことを僕は”ローカルラッキー”と呼んでいるんです」と、話していました。

いい言葉です。

地道に積み上げたからこそ今がある。

ただのラッキーではなく、人と人の関係が近い地域で稀に起こる”必然のラッキー”ということです。

ローカルフレンズプロジェクトは、地域のみなさんが日々積み上げてきたことをご紹介する仕掛けであり、道内各地のフレンズ同士、あるいは地域活動に取り組みたい人と情報を共有するためのものです。
その積み上げの結果、番組にも「ローカルラッキー」が最近頻繁に起きていたんだな~と、強く感じました。

番組の「ローカルラッキー」を途絶えさせぬよう、私たち公共メディアのメンバーも努力を惜しまず地域の為に頑張ります!

これから目指すもの

プロジェクトに関わるみなさん、それぞれに思っていることがあると思います。なので、総意ではなく、わたくし一個人の思いを最後に。

北海道にきてこの4年、多くの地域に足を運ばせてもらいました。
共通する悩みや課題、解決法はありながらも、地域のカタチは様々だということを改めて感じる4年間でした。
だからこそ、各地を丁寧に見つめることが大事だし、その時には、地域の中に入らせてもらって、その地域で生きる人の視点から何が大事なのかを考え、発信することが重要だということ。誰が主役で、どこから語るのかということかもしれません。
当たり前と言えば当たり前ですが、そういったことをちゃんと意識しているか。できているか。その確認作業が私たちには必要ですし、もし異変があれば「なんか最近おかしいよ」と地域のみなさんに声をかけてもらえる距離感が大事なんだろうなと思います。みなさんいつでも、なんでも言ってくださいね!

番組でも掲げる「超ローカル宣言!」2年目のことしも、地域にディープな人脈を持つローカルフレンズのみなさんと一緒に、知られざる宝をどんどん探していきたいと思います。時間をかけて、継続的に。頑張ります。

あす夜、総合テレビで7時57分から8時40分まで放送するスペシャル番組は、プロジェクト開始から2年の現在地を示す内容にもなっています。ぜひご覧ください!

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2022年1月27日

今夜は江別編最終回!
夜6時10分からのほっとニュース北海道でお伝えします。

■ローカルフレンズ滞在記WEBはこちら
■ローカルフレンズニュース”地域の伝え手たち”WEBはこちら

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