NHK札幌放送局

秘境 海峡 酪農郷へ

瀬田 宙大

2021年2月9日(火)午後4時07分 更新

どーも〜! #ローカルフレンズ出会い旅 ですっ!この週末、道東の中標津町に行ってきました。タイトルは、ロケ初日、根室中標津空港でみつけた町紹介を採用させていただきました。あまり主張せず雪に埋もれながらも、韻を踏んだ言葉が心地よく入ってきたものですから。さて、今年度の最終訪問地となった中標津。フレンズは、DJ会社員の塩崎一貴さん(以下、しおさん)です。“新しいことをはじめやすい町”が今回のテーマになっていましたが、しおさんと町をめぐり、“つづけられる環境をそれぞれが生み出そうと闘っている町”なんだということもわかりました。そんな旅の軌跡です。

旅のはじまりは根室中標津空港。
美しい知床連山が出迎えてくれました。

山並みを見て反応できるようになったのはローカルフレンズのおかげです。

久しぶりに会ったしおさん。ちょっと緊張気味?と思いましたが、すぐにその理由がわかりました。”伝えたい”という思いがあふれ出ていたのです。ディレクター陣と共にこのロケのために並々ならぬ準備をしてきたことが伝わってきました。

まず向かったのは住宅街。
出迎えてくれたのは…

最高の笑顔!!!

「佐藤さんちのぎょうざ」のみなさんです。ウリの餃子の写真は・・・ありませんっ!!!というのも、あまりに美味しく、写真を撮る前にすべてお腹に入れてしまったからです。ごめんなさい。放送をお楽しみに!でも、3月の放送まで待てないという方は、中標津に食べに行ってみてください!!定番の餃子は素材の味がしっかり伝わる優しい味わい。しかも、餃子専門店ということもあり種類も豊富です。私はすべてタレをつけずにそのまま頂きました。美味です。

ここでお店の歴史をちょっと共有!
今の店舗で営業を始めたのは2006年のこと。でも、餃子物語の原点はもう少し前、佐藤大介さん(黒い帽子をかぶっている男性)の学生時代にまでさかのぼります。

中標津の自宅を離れて学生生活を送っていた大介さん。健康を気遣って、母親の正子さんは餃子を送っていたといいます。しかも大量に。しかし、大介さんの冷蔵庫は単身用の小さいもの。とても入りきりません、。そこで、友人らにおすそ分けしていたら「おいしい」と評判になります。

そうした評判をきっかけに(経緯はもう少しあれこれありますが詳しくは放送で…)、餃子専門店を始めることになりました。しかし、餃子のPRがうまくいっていませんでした。

そこで、幼いころから「好きなことをしなさい」と背中を押し続けてくれた両親への恩返しにと、独学でデザインを学び、お店のPRを担うようになります。それが新たな展開を生みます。なんと、お店のポスターのデザインなどを見て、大介さんのもとにデザインの仕事が徐々に入るようになったのです。今ではデザイナーとして独立、起業するまでになりました。

両親との”思いやり交換”の結果つかんだデザインの仕事。大介さんは、街中で自らの作品を見つけると、3人の子どもに自慢しているといいます。でも、子どもたちの反応は「しつこい!!」なんだとか。「無理やり背中を見せています」と笑いながらお話になっていましたが、言葉とは裏腹に、お子さんの心に刻まれていることと思います。お互いの背中を見て、エールの交換を続ける素敵なご家族です。

ぎょうざから感じた優しい味の理由を知ることができました。

酪農体感の宿!

中標津での宿泊先はゲストハウス。

丑年に泊まるのにふさわしい宿です。実は、酪農家(農業)と不動産業(商業)を生業にする人たちのコラボレーションで生まれました。

オープンは3年前。
中標津町の中心部にあります。
ウエルカムドリンクもあります。中標津の「牛乳」とつくりたての「モツァレラチーズ」です。せっかく酪農郷に来たのだから、酪農を堪能できるようにというこだわりです。宿の中も、いたるところに牛さんが。美味しい牛乳を飲んで、チーズを頂き、牛のあれこれに囲まれ、牛乳が生まれるまでにかかる時間に思いをはせる壁などを見ていると、本当に貴重なものを頂いているんだなということが実感できます。農業は偉大です。

この宿、コンセプトを考えたのは写真中央の酪農家 竹下耕介さん(以下、たけちゃん)。そしてタッグを組むのが、地域で不動産業を営む山川優貴さん(以下、やまちゃん)です。

二人が仲良くなったのは、なんと偶然隣り合わせになったという飛行機でのこと。それまではなんとなく名前と仕事を知っている程度でしたが、意気投合し、わずか1年で宿をつくりあげました。

すると、集まってきたのは観光客だけではありませんでした。町の未来を考える人たちも集まるようになったと言います。

たけちゃんは、この宿を中心に人が街に繰り出す仕組み=まちやどの実現を目指しています。その為、食事の提供はしていません。その理由も含めてたけちゃんはこう言います。「私たちの町に出かけてほしいんです。地域全体が宿ですから。今後についても、店舗を複数に増やすということは考えていなくて、この場所が賑わいを生み出す機能にちゃんとなることが望みです」。コロナ禍で厳しい状況が続きますが、前を向いていました。

一方のやまちゃん。実は、元解体屋です。つまり、以前は空き家を壊す仕事をしていました。それがいつしか、町内の空き家を買い取り、貸し出すように。その理由を聞くと「空き家バンクを見ると、多くの空き家が売っている。でも、ニーズとしては買うではなく、『借りたい人』が多い。そこでまだまだ使える建物を買い取ったり、譲り受けたりして、修繕をした上で貸し出すようにしました」と教えてくれました。リスクと見るか、チャンスと見るか。やまちゃんは、仕組みが機能すれば中標津にやってくる人が増えるはずだと考え、後者の「チャンスを掴むための事業」と位置付けています。心配されることも多いと言いますが、継続のためにもシビアに収益に向き合いながら事業を続けています。

ともに町の将来を考えて始めた事業。
未来のためにも続ける覚悟を笑顔で語ってくれました。

音楽に”中標津プライド”をのせて

さて、皆さんが持つ中標津のイメージはどういったものでしょうか?私は、「酪農」と「音楽」です。酪農はご存知の通りですが、音楽をあげた理由は・・・

バッファローソルジャーの存在が大きいです。フレンズ役のしおさんもDJ会社員ですし、音が溢れる町のイメージが強いです。去年放送したオンライン旅の影響も大きいと思います。「今回はバッファローソルジャーに会えないのかな・・・」と思っていたら、旅の最後に登場。ライブ配信の現場に密着しました。ということで、注目したのは舞台上の人たち・・・ではなく、実は、ステージ上を見つめる女性です。

音響担当。
中標津町の樹璃さんです。
東京を拠点に音響として働いてきましたが、去年、ふるさとに帰ってきました。中標津でも音響を続けようと考えていましたが、コロナ禍でイベントが軒並み中止に。「諦めかけてた」と言います。

そんな樹璃さんの思いを知ったしおさん。「自分もDJを始めた頃には心が折れそうになった時があった。当時の自分を重ねてしまう。でも、続けたことで今があるからこそ、絶対にあきらめてほしくない」と、2月7日、イベントを開きました。それが、中標津を代表するバッファローソルジャーのKOUTA-LOWさんとMUSA-Cさんの、ことし初めてのライブ配信でした。樹璃さんにとっては、ふるさとに帰ってきてから初めて音響として携わるイベントです。

会場には、樹璃さんのご家族の他、ローカルフレンズ企画者の佐野和哉さんや、十勝からフレンズに応募してくれている濱家勇さんも駆けつけました。ライブ終了後には、しおさん、樹璃さんと私の対談も。しおさんの熱い思いに触れることができましたが、それはまた今度詳しくご紹介します。

バッファローソルジャーも「ミュージシャンにとってプロの音響がいるかいないかは大きな違いがある」と力強く、何度も語っていました。心強い仲間が加わった中標津の音楽シーンの今後にも注目です。

制作陣も最若手が登板!

地域の若者と共創してきたこの番組。実は、メインディレクターも若者なんです。なんと、去年NHKに入局したばかりの1年目!ミウラD(釧路局所属)です。

KOUTA-LOWさんを従えて(?!)笑みを浮かべたり、

フレンズしおさんにロケのポイントを堂々とお伝えしたりと頑張っていました。休暇を中標津で過ごすほど、しおさんが紹介してくれた人や地域にほれこんだディレクターが愛情たっぷりにどのような番組にまとめ上げるのか―私も楽しみにしています。みなさんも、ご期待ください!

【放送予定】
◇ほっとニュース北海道
 3月4日、11日、18日と3週にわたってお伝えする予定
◇#ローカルフレンズ出会い旅(25分版/タイトル未定)
 3月19日の予定
※確定したらまた詳細をご紹介します※

なお、今週金曜日には新しいお知らせができるかもしれません。お楽しみに。それでは、また!

2021年2月9日

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