NHK札幌放送局

ほっとニュース通信(42)【瀬田宙大】

瀬田 宙大

2019年2月1日(金)午前11時33分 更新

憧れの人にお話を伺いました。 初音ミクの生みの親。そして音の総合商社ともいわれるクリプトン・フューチャー・メディアの代表取締役 伊藤博之さんです。 

道東の標茶町出身。札幌を拠点に北海道を可能性しかない大地と称し、日々地域の課題と向き合っています。今回は地域活性化に取り組む、社内のローカルチームが人口減少と向き合った結果生まれたスマートフォンアプリ「Domingo」についてお話を伺いました。

この取り組みのキーワードが“バーチャル道民”です。いわゆる関係人口とほぼ同義ですが、伊藤さんは10年余り前からこの言葉を使ってきました。

【“バーチャル道民”とは】
“バーチャル道民”と聞くと、仮想現実の中、人間のようでいて実体のない存在・・・というイメージを持ちますが、伊藤さんは強く否定します。
北海道に住んではいないが、北海道ファンを表明してくれる人のこと。例えば国内外から毎年訪れる観光客やビジネス客、さらには北海道出身で現在は道外に住んでいる人、北海道内の学校を卒業した人など、すでにつながりを持ってくれている人たち。そうした人たちがスマホやネットを通じて、みずから道民登録できる仕組みを作り出し、情報を通じてつながり続けることができれば、再訪したり産品を購入してくれたりと北海道を支える人になってくれる」と話します。

【アプリで“道民”登録?】
では、どのようにしてバーチャル道民登録をするのか。伊藤さんたちが考え出したのがスマートフォンのアプリを活用する方法です。2年前にリリースされた無料アプリ「Domingo」。道と協定を結び、現在では道内149の市町村の協力を受けて全道の情報を発信しています。

このアプリの特徴は情報を表示する方法にあります。
自治体が出す情報や観光情報、新聞などの報道機関が配信するニュースなどを市町村ごとに整理。札幌市なら札幌市に関する情報だけをまとめて見ることができるのです。
伊藤さんは、「情報はあまたあるが自分で情報を集めるのは苦労がある。市町村単位でふかんするものがなかったので、それを形にしました」と話しています。

【初音ミクを北海道に応用】
開発の背景には国内外で人気を集めるバーチャル・シンガーの初音ミクの存在がありました。伊藤さんは、「札幌から情報を発信しているのにも関わらず、世界ツアーまで実現するほどの人気になったのはSNSの力がありました。その原理を北海道に応用したのがこのアプリ。旅行のあと、日常に戻ると北海道への思いは自然と減衰していくもの。そこで、アプリで情報提供することでつながりを保ち、関心を持ち続けてもらうことで新たな価値、新しい関係人口を築こうと考えました」と話しています。

【災害時にもリアルタイムで不安を取り除きたい】
去年9月の地震。報道機関が発信するニュースは掲載していたものの、当時本当に知りたかった給水所や電気などのライフラインの復旧情報など生活情報をリアルタイムで発信できませんでした。

開発・運営チームを中心に議論を重ね、災害時も活用できるアプリにバージョンアップさせようと取り組んでいます。

【目標はユーザー数540万人】
目標ユーザー数は、道民並みの540万人。伊藤さんに山に例えて現状を伺うと、「エベレスト並みに高い山のまだ1合目にいるようなもの。高い頂きだが不可能ではないと思います」と自信をみせます。バーチャル道民が人口減少の救世主となるのか、挑戦は続きます。

インタビューを通じて、将来、こうしたアプリが、リアル世界の住民票のように、たとえ離れた場所にいても、地域との繋がりを「証明」してくれるものになっていくのかもしれない。そんな可能性を感じました。    
そして、伊藤さんが目標達成後、さらにどのような一手を考えているのか。機会をいただけるようであれば、ぜひまたお話を伺いたいです。

今回のアプリ開発の背景にもなっている初音ミク。
大通公園では雪像が完成に近づいています。

北海道150年、70回目の雪まつり、雪ミク10周年。
メモリアル盛りだくさんの雪まつりの準備はまさに佳境です。
私もそうですが、すでに立ち止まって写真を撮る人が続出です。

いまSNS上では #元気です北海道 の進化版!? #北海道のここがえーぞ #えーぞ雪まつり など、ハッシュタグで北海道の復興を後押ししようという動きが出てきています。「なんだそれ?」と思った方はご自身でお調べいただくか、来週ほっとニュース北海道をお楽しみに。わたくし、現在取材中です!!

雪まつりをはじめ、冬だからこそ楽しめる観光スポットが道内にはたくさん!しかもかなり面白いです。私が取材で出会った、特に移住者の方も「夏よりもいい」「北海道の冬がこんなに面白いとは知らなかった」と話すほどです。

多くの人が訪れることはきっと各地域の人たちの励みになります。みなさま、北海道でお待ちしております。

それでは、また(^^)/


(2019年2月1日)


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