NHK札幌放送局

中止がはじまり・新成人せど君の挑戦

瀬田 宙大

2021年1月6日(水)午前11時36分 更新

「素朴な感想は成人式ってなくなるんだ・・・ってことですかね。あって当たり前だと思っていたので、残念以上にそこに驚きましたね」 そう淡々と語るのは、札幌市の新成人せど君こと宮川滉平さんです。去年11月末に決まった成人式の中止をきっかけに動き出した、VR札幌を会場とした新成人企画の「バーチャル成人式」を追いました。

「ニュースで見聞きはしていたんですけど、はじめはよくわからなくて」と振り返るせど君。中止を実感したのは、札幌市から書面が届いた瞬間でした。

封筒に印刷された「成人式案内状」の上に貼られた中止という現実を伝えるシール。延期ではなく、中止。一生に一度の機会が失われた重さを私も感じました。

しかし、せど君にとっては「中止」が挑戦のはじまりとなりました。「僕もそうですけど、残念がっている友人もいるので、無くなってしまうんだったら何かかわりになるものを自分でつくりたいなと思って」と、バーチャル成人式を企画した理由を教えてくれました。

#バーチャル成人式
1月11日の成人の日、clusterというアプリ上に成人式のためにつくられたVR札幌を会場に開かれるイベント。札幌市の新成人だけではなく、全国の二十歳、そしてお祝いしたいと考えている人なら誰でも参加できます。スマートフォンやPCから参加できますが、事前にclusterというアプリをインストールすることが必要です。

と、ここまでを見るとせど君がVR=バーチャルリアリティーの世界にものすごく詳しい人かと思うかもしれませんが、実は彼がVRの世界と出会ったのは去年8月のこと。新型コロナウイルスの影響で大学がオンライン授業となり、できた時間で偶然VRに触れることになります。以来、没入し、機材をそろえ、ものすごい集中力と向上心、熱量で知識と技術を習得してきました。
そして、去年12月。
1月11日に民間企業が開催する“サッポロオンライン成人式”の主催者に「VRで成人式をやってみたい」と相談したところ、背中を押され、バーチャル成人式の企画・製作に挑戦することになりました。

サポートするのは、VR文化を発信しようと札幌市で活動するVRアンバサダーVR∞M(ブルーム)のイエノブォーリーこと昇宇慶さんをはじめ、全国各地の仲間たち。

会場となるVR札幌の製作の他、振袖や袴など今回の成人式用に無償で提供するVR空間のアバターの衣装や、イベントコンテンツの製作を協力して行っています。

今月5日、バーチャル成人式の会場となるVR札幌で行われたミーティングの様子も取材。会場のレイアウトについて議論が行われました。VR札幌の成人式会場は大通公園。周囲には時計台や赤れんが庁舎の他、百貨店をはじめとしたビルが立ち並んでいます。その会場を見回しながら「札幌市を知る人が違和感がないようにしよう」と、テレビ塔の位置や大きさを変えることなどが話し合われました。

せど君は「成人式をカスタマイズできるって実はものすごく面白い。成人式が中止になることなんてめったにないことなので、チャンスととらえて楽しみたい」と話しています。

12月以降、せど君や、サッポロオンライン成人式の主催者と話をする中で、自らの成人式を思い出しながらいろいろ考えさせられました。札幌市の成人式がなくなってしまったこと自体は残念ですが、今は、中止によって例年以上に「成人式」「成人の日」の意味を考える人が増えたことはプラスに捉えたいと感じています。そして、同じくハタチを通過したいち先輩としては仲間だけでなく家族との時間を大切にしてほしいことや、ちゃんと祝いたいと考えている大人が数多くいることを伝えたいなと思っています。

「札幌で様々なエンジニアやXRやITに興味のある学生を集めて、札幌を世界に通用するような場所『XRのシリコンバレー』にしていくことが夢」だというせど君主催のイベントまで5日。新成人が創るバーチャル成人式の様子は、11日の開催当日の様子も含めて、週明け12日(火)のほっとニュース北海道でお伝えします。

2021年1月6日


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