NHK札幌放送局

ほっと通信(99)【瀬田宙大】

瀬田 宙大

2020年3月12日(木)午後4時45分 更新

毎日更新される情報。その情報の海で溺れないためには、冷静に向き合う。不安はみんなあるけど、飲み込まれないことが大切です。世の中の空気って本当にコワイ。

出勤前の散歩がルーティンになっている私。
大好きな街の写真がたまっていきます。
身体を動かすことは心にも頭にも大事!
気持ちのいい空気も吸っていいリフレッシュになっています。

データで未来は見えないけど、事実は見える―。
これは普段から様々な話題の”壁打ち”に付き合ってくれている友人で取材相手の柴田涼平さんの言葉です。ハッとします。

会話のきっかけは、11日のほっとニュース北海道でご紹介した「札幌市の民間学童保育施設が2週間の休所を経て子どもたちの受け入れを再開。いまの思いは」という特集の取材でした。

この施設、ある特徴があります。
それはゲストハウスと併設されていることです。

札幌市中心部にあるゲストハウス雪結(yuyu)を運営する合同会社Staylinkの共同代表・柴田涼平さんと、学童保育を運営するNPO法人E-LINKの代表理事・日向洋喜さんは、子どものうちから世界を身近に感じて欲しいとこの施設をつくりました。

しかし、その特色が新型コロナウイルスで見え方が変わります。
ゲストハウスを運営する柴田さんは「今回は本当に難しいと思っています。まわりを見回すと不安にかられる投稿や記事があふれています。学童保育自体にもいろいろな発信がありました。しかもここはゲストハウス併設。実際いまは開店休業状態で宿泊者はほとんどいないのですが、世界中の人が来る場所に子どもたちを預けるのは不安が…という思いも、そこまで直接的ではありませんが耳に入ってきました。となった時に、預かる事で、不安をあおってしまうって可能性もある。一方、子どもたちの居場所を開くことで保護者の事情を支えることもできる。この両輪、両立させるのがすごく、すごく難しかったなというのが率直な思いです」と臨時休校に伴い休所を決めた当時を振り返ります。
学童保育の継続か休所か。その決定を担う日向洋喜さんも基本は同じ考え。その上で「学校が休みの時こそ受け入れをして欲しいという声もあります。でも、僕としてはいろんな立場の保護者の思いも含めて子どもたちの安全と安心を第一に考えた時に、やはり万全の態勢を整えるには受け入れを休止するしかないと。はじめからご家庭が最大限無理をして頑張れるのは2週間だろうと考え、最長2週間と決めて走り出しました。周囲の状況確認と情報収集、対策をしていた結果、最長としていた2週間という時間の猶予を頂くことになりました。再開を待っている人たちにはご負担をかけたと思います」と話していました。

この決定の裏で、理解はしながらも柴田さんはもどかしさを感じていました。
私が柴田さんと初めてお会いしたのは胆振東部地震後に、柴田さんが「ゲストハウス基金」という、災害時に居場所がない外国人旅行者に宿を提供した場合、協力者らとともに普段から積み立てている基金から「お見舞金」を送る仕組みをつくった時でした。このきっかけは自らが地震の後に宿の無料解放をしたこと。わずかでも補償があれば場の解放に躊躇する気持ちが減り、誰もが解放に前向きになれるのではないかと考えた末にはじめました。 災害時だけでなく、普段も地域にとってプラスになる居場所づくりを心掛けてきた柴田さん。新型コロナウイルスでは、場を持っているにもかかわらず提供できないこと、助けを求めている保護者に協力がすぐにできないことに歯がゆさがありました。一方で、仮に受け入れを停止せずに事業所を開けていたとして万が一何かあれば事業者として負わなければならない大きな責任もある。その狭間で悩んでいる様子でした。実際にそのことを柴田さんに聞くと「これまで場を提供することで喜ばれる経験はあっても、批判されるかもしれないとか、安心に繋がらないかもしれないと不安を覚えたのは初めての経験でした」と、この2週間を振り返ります。その上で、「データや情報と冷静に向き合うことが大事だと思います。SNSなどの発達で不安や心配からでしょうが、各々の感情がだいぶ乗った形で情報が拡散されています。人の影が見えることはそれはそれでいいことです。でも、誰かを振り回すかもしれない。不安を煽るかもしれない。傷つけるかもしれない。攻撃になっているかもしれない。デマもあります。確かに未来をつくるのは人です。データは過去のものなので未来は見えません。でも、そこまでの事実は見えると思っています。冷静に読み解くことを大切に、私も情報収集に努めて利用される皆さんには丁寧に正しい情報を判断して伝えていきたいと思っています」と話していました。

一方、日向さんは札幌市の起業家らと三人でオンラインの出前授業「おうちde”まなび舎”」をはじめました。写真はその授業に参加した全国の生徒の皆さんです。

発案は自らも子どもを育てながら働く新岡唯さんです。
NHKのインタビューに「普段の学校では学べないような楽しい経験をすることで休校期間をスペシャルな思い出にして欲しいと思ったのがまずあります。同時に、授業で子ども達を少しでも引き受けられれば、保護者の皆さんの作業時間も取れる。そして自宅で一緒にいるお母さんやお父さんのリフレッシュする時間も作り出せたら嬉しい」と答えていました。

実は、このオンライン授業の企画が立ち上がる1週間前、札幌市でEDU FESという初めての教育イベントが開かれていました。「おうちde”まなび舎”」はこのイベントで知り合った人たちが連携して短期間で実現させたのです。

教育イベントの主催者で、オンライン授業の代表のひとり嶋本勇介さんはイベント会場でのNHKのインタビューで「教育関係者の話を聞いていると、ちょっと分野が違うだけで情報が共有されていなかったり、いいものがあっても十分に知られていなかったりという状況が北海道にはあることがわかりました。それはもったいない。教育現場の様々な課題を解決していくために、まずはつながりを持ってもらうことが大事。そして、出会えた人たちと継続的に情報をやり取りしてもらうことが大事。私はそのきっかけづくりを今後も継続していきたい」と語っていました。そのつながりが、1週間後にオンラインの出前授業に進化。いわばEDU FESの成果、第1号案件となったのでした。

日向さんも「実は教育イベントまでは彼らのことをよく知らなかったんです。人のつながりは面白いし、力になるなと思いましたね。それに休所したのが27日。翌日の28日から突貫工事で走り始めて3月2日に授業スタートというのは、今考えるとすごいことだったなと思っています。いま思うと休所している2週間、子どもたちのために何かできることをしたいと思っているなか仲間から声をかけてもらい、多くの人の協力のもと離れていても子どもたちに授業を配信できたことは本当に良かったなと思っています。受講してくれた方からも『体力を持て余しているからなのか、普段と違うストレスからなのか、休校になってから夜なかなか寝てくれなかった子どもが寝てくれるようになりました。ありがとうございます』と連絡をもらって、嬉しかったです」と話しています。

1コマ40分のオンライン授業。現在、受講者は予想を大幅に上回る1500人を超えて、今月26日まで授業を延長することになりました。

ロケをしたのは今月10日。
子どもの受け入れ再開を前に日向さんは、学童保育施設を利用する家族にメッセージを送りました。その結びには「全力で子どもたちと遊び倒していきたいと思います!」と書かれていました。

(子どもたちにも人気のけん玉、右は子どもたちがよくやる技?!“ユニコーン”を実践しています)

日向さんは「新型コロナウイルスの影響で突然、日常だった学校や友人との時間がなくなってしまった。少しずつ戻せるところから戻していって、子どもたちの気持ちが和らぐようにしっかりとケアしていきたい」と話していました。

経済や地域の暮らしが次々と打撃を受ける中、続々と生まれる新たなアイデアやサービス。柴田さんが指摘していた、「データを冷静に見るためのサービス」も生まれています。それがインターネット上で公開されている「北海道新型コロナウイルスまとめサイト」です。

JUST道IT」という、道内有志のエンジニアやデザイナーが協力して開設しました。 スマートフォンで見るとTOPページにはまず「現在の患者数」が示されます。これまでに確認された患者数の累計ではなくNOW!つまり現状が示されている点は冷静さを呼び起こします。感染確認は確かに増えていますし、世界規模の事象です。だからといって不安に押し潰されていては何もできなくなります。一度深呼吸をして冷静に対処することが大切だよと、データが教えてくれている気がします。

このほかサイトでは、▽道内の新型コロナウイルスの感染者数の推移について1日ごとと累計に分けてグラフで見ることができるほか、▽これまで100人を超える感染者の居住地や年代などの情報も一覧で確認できます。 このサイトでは今後、感染拡大を防ぐため、札幌市営地下鉄の混雑度を示す情報などを掲載することも検討しているということです。

サイトの立ち上げに関わった森雄大さんは、「このサイトから新型コロナウイルスに関するさまざまな情報にアクセスできるポータルサイトの役割を目指している。道内のエンジニアたちの力でより見やすいサイトにしていきたい」と話しています。

自粛から萎縮へと心配な空気が流れる中で見られる「周りの人に思いを寄せる」「冷静に情報と向き合う」「アイデアや思いを確実に形にできる人が北海道には多くいる」という点においては気づきが多い日々となっています。
体調が悪い人達の回復を祈りつつも、冷静な対応を心がけたいところですね。
あす夜7時半から放送予定の北海道クローズアップでは新型コロナウイルスによる #自粛ストレス をテーマにお伝えします。外出を控える、旅行を控える、外食を控える…など様々なストレスがそれぞれにかかっていると思います。子どもたちの様子や親子関係などにも影響があるかもしれません。皆さんから頂いたメッセージをもとに放送します。

投稿フォームからお寄せください。なお、今夜ほっとニュース北海道では情報との向き合い方や予防、分散登校についてなど専門家に聞きます。引き続き同じページで質問を受け付けています。

そして!雑談ラジオでも皆さんからのメッセージを引き続き募集しています。

現在、なんと、な、な、なんと!!
まだあまりお便りが来ていません。。。
SNS上には #北海道雑談 のタグは見るようになりましたが…、きっと僕の投稿例文がよくなかったのですね( ;∀;)
改めて「カンディ―、ホリナホさん、ハルカくん。こんにちは。ラジオの放送、楽しみにしています。でもでも、携帯ラジオを持っていません…。スマートフォンでも聴くことができるといううわさを聞いたのですが、どのアプリで、どこを選択すれば聴けますか??教えてください。ちなみに、それぞれが気に入っている愛称ってなんなんですか?ぜひ教えてください。あと、北海道雑談だけではなく #雑ラジ とか #北ラジ とかもっとラフなハッシュタグでもメッセージ拾ってくれたりすんでしょうか?なんだか本当に雑談になってしまいましたが…回答オマチシテマス! ラジオネーム ほっとおじさん(セタチュー)」。
…これはこれでダメな気がしますがwww
近く神門アナウンサーからもお便り募集についてきっとお知らせがあると思いますので、ぜひともメッセージをお寄せください。そして、番組を楽しみにしていてください。

それでは、また\| ・vvvv ・ |/


(2020年3月12日)


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