このところ北海道各地でお会いした方やお話してみたいと思っていた方、さらには町で人気の味が次々札幌へ!まとめてご紹介します!
十勝・広尾町からやってきた!
最初は、私が取材で今年度何度もお邪魔した広尾町から。
猟師・編集者の中村まやさんと広尾町地域おこし協力隊の黒子真侑さん。

コンブにししゃもやプリン、牛乳など広尾町の特産をたくさんもって来札していたふたりとの再会。冷たい雨が降るなか寒さもあってか、3人とも妙なテンションに!でも、結果として最高の笑顔が記録されました。
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このうち、中心に写る中村さんは11月17日、こんなところにも登場!

ひるナマ!北海道のスタジオです。
この番組では木曜日はトークスペシャルと題してさまざまなゲストが登場。取り組みや思いを語っています。

スタッフとの打ち合わせ。
緊張感が伝わってきます。

今回は、前職からの転身がテーマ。
飲食店などを取材して記事にまとめるグルメサイトのライター・編集者がなぜ狩猟免許を取得しようと考えるようになったのか。そしてどのような人と出会い、いまに至るのか。自身のこれまでを言葉にしました。
打合せ中は笑顔が見えたもののスタジオに入ると…

緊張してる…!
でも、放送が始まって猟師歴を聞かれると「5年目のペーペーです」と話す様子を見て安心。最初から“らしさ”が出ていました。
猟師の道に入ったのは、おいしいシカ肉に出会ったこと。
ヘルシーで美味しいシカ肉で冷凍庫を一杯にしたいと考えるようになっていったと話していました。
その上で、狩猟免許を取得してからは全国各地を巡ったと話し、「行ってみないとわからないことがあるな」と話す様子は前職の経験、取材者らしさも垣間見えました。

今回のトークの中で特に印象に残ったのはハンターで料理人もしていた師匠・小野寺望さんに「命と常に向き合いなさい。二度殺さないでねと言われた」という話。中村さんは放送で「猟師をするのであれば1度目、猟で命をもらったあとはお肉を絶対にダメにしてはならない。いただいた命をいいお肉として多くの人に届けることを師の教えとして心がけている」と強調しました。大切ですね。

中村さんは会うたびにシカの角の指輪やアクセサリーを身に着けています。改めて、命と向き合うひとつの象徴のように感じました。
せっかくの来札。
放送終了後、ほっとニュース北海道のスタジオも少しだけご案内。

この頃には緊張もとけたご様子。
「室蘭市では~」と、放送中だった気象情報をマネしていました。
広尾から全道、全国にシカ肉のおいしさや町の魅力を発信するお仕事、これからも頑張ってください!応援しています。

東京・府中から“大切な写真”をもって北海道へ
今度は、初めてお話させていただいたお二人。
東京在住の写真家・山本美里さん(下の写真左)と札幌市など道内5か所で医療的ケア児の支援施設を運営するNPO法人ソルウェイズの代表・運上佳江さん(下の写真 右)です。

山本さんは医療的ケア児の息子の学校付き添いをテーマに写真を撮影。付き添いが求められる一方で、子どもたちの自立の場である学校では黒子のように徹することを求められる保護者の立場を「透明人間」と題し、自撮りで作品をつくりあげてきました。
≪医療的ケア児≫
生まれつき重い障害があり、日常的にたんの吸引や、胃に直接栄養を送る「胃ろう」などのいわゆる「医療的ケア」が必要な子どもたちのこと。医療技術の進歩で命を救える子どもた増えたこともあって10年前のおよそ2倍にのぼっています。道内には620~670人ほどいるとされています。
去年9月、子どもたちと家族を支援する法律「医療的ケア児支援法」が施行。少しずつ環境や支援体制の改善が行われている。
▼より詳しく知りたい方は以下の特集サイトをご覧ください
山形放送局の風間郁乃記者の特集記事「うちの子、入園だめですか? 母の涙から入園までの3年11か月」
二人の出会いは7年ほど前。
運上さんたちがつくった「子ども用車いす」だとわかるバギーマークがきっかけだったといいます。

海外製の大きな車いすを使う人が増えるなか、障害がある子どもたちが使うものとの見分けがしづらくなり、周囲に理解と配慮をもとめるものです。
山本さんも使っているといいます。
当時はまだ写真の勉強をしていなかった山本さん。ただ、お互いに明るい雰囲気や人柄にふれ、印象が心に残っていたといいます。
時が経ち、山本さんは2020年京都造形芸術大学(現 京都芸術大学)通信 写真コースを卒業。息子との暮らしをまとめた「透明人間」の写真集を21年に発表します。その頃、山本さんの写真を見た運上さんが「あの山本さんだ!応援したい」と考え、連絡。22年11月12~13日に札幌市の地下歩行空間で写真展が開催される運びとなりました。

山本さんは「『透明人間』Tシャツを着て、一緒に札幌にいる。まさかこんなことがあるのかと思いました。こうして呼んでもらえたのは本当に嬉しい」と話しました。
一方、運上さんは「山本さんは少し皮肉も交じりながら作品をつくっているのがいいんです。当事者だからこそつくれるもの。大変さもあるけど同じくらい喜びも楽しさもある。その全てを見えるようにしてくれているのが特徴なんですよね」と話し、写真を通じてありのままの姿を知ってもらいたいという思いを語っていました。

この写真展の様子は野原梨沙アナウンサーが取材
北海道NEWS WEBでご覧いただけます▶医療的ケア児 家族のリアルを知って
これまではギャラリーや美術館など、写真展を目的として来る人としかなかなか出会うきっかけがなかったと語る山本さん。今回は偶然通りかかった人も多く、足を止めていました。
「興味がない人が関心を持つきっかけになったら嬉しい」と話し、可能な限り訪れる人たちと言葉を交わす様子が印象に残りました。

作品の中には「社会のしがらみ」が後ろから迫ってきたり、山本さんとシーソーに乗るような写真もありました。数年前に撮った作品ですが、いまもさほど変わらない社会を思い、深く考えさせられました。
ご本人とお話しできて本当によかったです。
写真展は近く静岡市でも開かれるということです。

「会場に来ることができない人もいるので」と話し、YouTube配信の準備をする運上さんと、去年12月に発足した北海道医療的ケア児者家族の会Team Dosancoの代表 小山内淳子さん。北海道の支援環境をより良くしようと取り組みを進めていると話していたので、今後に注目です。
空知の栗山町から札幌へ
つづいては大きく話題が変わって食のハナシ。
栗山町で愛されたお好み焼きのお店が後継者不足を理由にことし9月に閉店。「この味がもう食べられないのか…」という思いが原動力になり「味を受け継がせてほしい」と声をかけ、今月、札幌市で店名と味を引き継いだ店がオープンしました。
その声をかけたのが、先日放送でもお伝えした大学生主催のアカペラコンテストに審査員として参加していた伊藤翔太さんです(最前列の一番右)。

コロナ禍で飲食店の支援につなげようとクラウドファンディングで個人や企業から集めた資金を参加した飲食店に分配する仕組みをつくったり、飲食店のレトルト商品の開発を支援し、来客が減った飲食店の収入源を増やすとともに「味」を未来につなぐ取り組みをしたり、成人式が中止されるなかオンラインで開催したりと、挙げればきりがないほど様々な取り組みをしてきました。
私も取材でお世話になっていたこともあり、お店に伺いました。

店舗内に広がる香りが食欲をそそります。
後継者がいないことで味が途切れてしまうのは悲しいこと。
同じような事例は各地にあります。
喜茂別町では地域おこし協力隊が町の食堂の味を引き継ぐという話を以前、ローカルフレンズニュースでお伝えしました。
思いがある人の活動は応援していきたいですね。

オホーツク海側・西興部村からもやってきた!
最後はこの方!

ローカルフレンズ滞在記の西興部村編を担当した髙橋啓子さんです。

ローカルフレンズニュースを共に伝える石川晴香キャスターと「12月どうしましょうね~」と次回の放送について談笑。ひるナマ!北海道の出演前に余裕を見せていました。
2022年も残り1か月あまりですが、どんな新たな出会い、再会があるのか楽しみでなりません。
2022年11月18日 瀬田宙大