NHK札幌放送局

初の合同緊急訓練

飯島 徹郎

2023年5月25日(木)午後7時34分 更新

5月の大型連休明け、全国放送のラジオ取材のため、札幌から450km離れたオホーツク海側、斜里町の知床に行ってきました。
今も6人の方の行方が分からないままの小型観光船沈没事故から1年が経ち、
地域の小型観光船事業者が、どのような取り組みをしているのか取材するためです。 

その中で、初めての取り組みに偶然立ち会うことができました。
これまで各社がそれぞれにおこなってきた緊急訓練を、他の事業者の担当者が見学したり、実際に訓練に参加したりしていたのです。

訓練は、救助用ボートで、乗客を安全な場所に運んだり、船内で浸水が起きた場合に備え、密閉できる扉や隔壁で浸水を防いだりするものでした。
合同で訓練をおこなうのは、これまでで初めてのことで、地域全体で安全管理のレベルを高めていこうとしていました。

地域で観光船を運営する事業者4社で組織する知床小型観光船協議会の神尾昇勝会長は「ふるさと知床の魅力を知ってほしい気持ちは変わらない。永続的に安全管理の徹底を続けていくだけ」と安全のためにやれることは何でもやるとの決意でした。

世界自然遺産に登録されている知床連山は、やはり絶景そのもの。

取材で船に乗った日は、場所によって風が急に強くなり、船長判断で、コース手前で引き返しました。
安全第一がスタッフ全員に浸透していました。

私の後ろに映るのは、カムイワッカの滝と硫黄山(いおうざん)。
途中での折り返しとなりましたが、知床のスケールの大きさ、魅力は存分に感じることができました。

ラジオ第一「NHKジャーナル」2023年5月16日放送

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