NHK札幌放送局

ちょっとほっとする話【芳川隆一】

芳川 隆一

2020年3月17日(火)午後4時15分 更新

千葉県に住む川本千夏ちゃん(8歳)と圭太くん(5歳)のきょうだいです。2人は大きな口を開けて、発声練習の真っ最中。実は、インターネットを使って歌のレッスンを受けているんです。

さて、2人は誰に習っているかといいますと…。

札幌を拠点に活躍するソプラノ歌手の川島沙耶さんです。川島さんは、道内外のクラシックコンサートや企業のパーティーなど年間100本ほどのライブに出演していますが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて北海道が緊急事態宣言を出してから、出演する予定だったコンサートも相次いで中止や延期になりました。
観客の前で歌声を披露する機会は無くなってしまいましたが、今、川島さんは子供たちに歌を教えることを楽しんでいます。「子供たちのオンライン・レッスンはこれまでもやっていましたが、学校から帰ってきて夕方以降の時間帯が中心でした。それが、全国で休校措置がとられてからは、日中のあらゆる時間帯にレッスンを行っています」。さらに、レッスンのやり方にも変化が生じているといいます。「きょうだいで一緒にレッスンを受けてくれる子が増えました。休校で家にいる時間も増えて、きっと、一緒に何かをやりたいという気持ちも強くなっているんだと思います」。

今、休校中の子供たちを中心にレッスンの依頼数も増えているそうで、私が取材で訪れたこの日も、2組のきょうだいが1回40分ほどのレッスンを受けていました。こちらは千葉県に住む橋爪華琳ちゃん(9歳)と蘭ちゃん(7歳)の姉妹です。華琳ちゃんは5月の大型連休に歌の発表会がありますが、現段階では開催されるかどうかはまだ決まっていないそうです。「発表会があるかどうか分からないけど、お客さんの心にしっかり残る歌を披露するために練習をがんばります」と話す華琳ちゃん。お母さんも「家にいるとできることが限られるので、川島先生との歌の時間は子供たちにとって本当に貴重な気分転換になっています」と話していました。

今、川島さんは子供たちとのレッスンに新たなやりがいを感じているといいます。「2人、3人のきょうだいで歌える曲をレッスンに多く取り入れるなど工夫をしています。これまで1人で歌っていた子が、きょうだいで一緒に歌うことで新たな歌の楽しみを発見してくれる。その様子を見るのが好きなんです」。あらゆる活動に自粛ムードが漂い“コロナ疲れ”という言葉も聞かれますが、そんな中で新たなやりがいを見出した川島さんと、レッスンを楽しみにしている休校中の子供たち。こんな時こそ、パソコン画面のこちら側とむこう側で楽しい歌声を響かせて、少しでも“コロナ疲れ”を吹き飛ばして欲しいです。そして何より、1日も早く事態が終息して、川島さんのコンサートと子供たちの学校が再開することを願っています。

大変な時ですが、子供たちのかわいい歌声になんだか少しだけほっとすることができました。


(2020年3月17日)


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