NHK札幌放送局

子どもに飛翔する力を。宇宙開発・植松努さん

野原 梨沙

2022年5月27日(金)午後3時52分 更新

もうすぐ6月!採用面接の解禁が近づいてきました。 さて、NHKのエントリーシートには「アナウンサーになってインタビューしたい人は誰か」という設問があります。皆さんだったら何と答えますか?大好きなタレント?それとも偉人…? 私は〈北海道出身のある方〉のお名前を書きました。そして、入局2年目の5月。ついに、目標が叶いました! 

こちらの記事の内容は、5月28日(土)の「おはよう北海道 土曜プラス」でもお伝えします。放送は7時30分から!

植松努(うえまつ つとむ)さん

お話を伺ったのは、植松努さん(55)。赤平市にある町工場の社長さんです。鉄などをリサイクルするために使用するマグネットの開発・製造をしています。

それだけではありません。なんと「仕事の傍ら」で「宇宙開発」に携わっています!北海道大学と協力し、ロケットのエンジンや機体を開発。宇宙開発の分野では知られた存在です。

植松さんの社長室にお邪魔してみると…飛行機のプラモデルが、ずらーっと並んでいます!奥にはロケットの模型…?

「これ実は、実験用のロケットです。ロケットって実は、大きさが違っても、形と重心が一緒だったら、同じように空を飛ぶんですよ。だから、ロケットがちゃんと飛ぶか確かめたかったら小さいのを作って飛ばせばいいんです。」

なんと、正真正銘のロケットでした!

「ダメな子もいっぱいいたけど、可愛いんだよね。」

ちっちゃな自信を身につけて

植松さん、実は道産子にとってもちょっとした有名人です。道内の小中学生が、修学旅行で植松さんの会社を訪れるのです。その数なんと、年間1万人以上!(コロナ禍前)

また修学旅行の他にも、自社で子ども向け体験教室を開催しています。

この日のプログラムは、紙飛行機の製作と飛行実験。全道各地から集まった子どもたちが、楽しそうに取り組んでいました。

長年、教育に力を入れている植松さん。その背景には、幼い頃の辛い思い出がありました。

「小さい頃から、将来飛行機やロケットを造る人になりたいって思ってたんですよね。それを聞いた人たちが、小学校3年、4年、5年ぐらいから、『それ無理でしょう』って言うようになってきて。決定的なのが中学校ですよね。『お前の成績ではどーせ無理だよ』って。」

「どーせ無理っていう言葉を受けると、すごいショックですよね。絶望するんですよ。努力しても無駄かって思っちゃうんです。」

子どもたちには「どーせ無理」と正反対の経験をさせてあげたいと、体験教室を開いています。

子どもたちが作った紙飛行機は、なかなかまっすぐ飛びません。それでも諦めずに、何度も調整を続けます。

「ちっちゃい自信をもってほしいんです。できる訳ない、自分のはダメだって思っていたのが、“できた!”っていうちっちゃい自信なんです。これがあるだけで、きっと人は優しくなるんだろうって僕は思ってるんです。」

私を奮い立たせてくれた言葉

実は私も、中学校の修学旅行で植松さんの会社にお邪魔しました!そのときの講話で特に印象に残ったのが「思うは招く」という言葉。

幼少期、周囲の大人たちから夢を否定され続けた植松さん。そんなときに、母からかけられた言葉が「思うは招く」。思い続けたらそのようになる、という意味です。

就職活動が始まる2020年。ほぼ同じ時期から、新型コロナウイルスが流行。面接が延期になったり、そもそも中止されたり。自分の将来が見えず、心が折れそうになっていました。

そんなときに思い出した、この言葉。「努力は必ず報われる」よりも、すっと心に入ってくる気がしました。
私にとって初めてのインタビュー企画で、10年ぶりにお話を伺いました!

追記
8月25日(木)放送の「北海道まるごとラジオ」、植松さんにご出演いただきます!

是非お聞きください。

『北海道まるごとラジオ』
8月25日(木)午後5時5分~ NHKラジオ第1

らじる★らじる」では、日本国内、全国各地で聞くことができます。スマートフォンアプリ、もしくはホームページから、「らじる★らじる」にアクセス!放送局選択を「東京」または「札幌」に変えて、お聴きください。

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