アイスホッケーの日本一を決める全日本選手権が長野県の長野市多目的スポーツアリーナ「ビッグハット」で開幕しました!道内から出場する社会人チーム、DYNAX、日本製鉄室蘭アイスホッケー部、タダノ、そして3連覇を目指すひがし北海道クレインズを紹介してきました。最後にご紹介するのは、国内のリーグ戦は一昨年、去年と優勝を果たしているレッドイーグルス北海道。そんななか、近年は悔しい結果が続く全日本選手権へ向けて橋本キャプテンと菅原監督にお話を伺ってきました。
3大会連続で準決勝敗退 トップリーグ王者が挑む全日本選手権
レッドイーグルス北海道は、全日本選手権国内最多37回の優勝を誇った王子イーグルスの歴史を受け継ぎ、2021年にクラブチームとして新たなスタートを切りました。国内のトップリーグでは圧倒的な強さで優勝を果たすなどアイスホッケー界を牽引しているレッドイーグルスですが、近年掴めていないタイトルがこの全日本選手権です。王子イーグルス時代の2019年、2020年、さらにクラブチームとして初めて挑んだ昨年の大会はいずれも準決勝で敗退。この選手も並々ならぬ思いをもって大舞台へ挑む覚悟です。
チームを束ねる信頼厚きキャプテンDF・橋本僚選手

日本代表選手も数多く所属するレッドイーグルス北海道のキャプテンを務めるのは橋本僚選手。今季はチームを率いて2季目、強い思いを抱いて戦い続けています。
「キャプテンに就任した時から、自分自身の高いパフォーマンスを維持しながら、チームを牽引するということは常に意識してきました。個のスキルが高いチームなので、それぞれがいいものを出し合うことが大切だと思っています。どうしても大事なゲームの時ほど、他人任せになってしまうことがあるので、全員がしっかりと持っているものを出し切ること。そこをうまく引き出すことが自分の役割だと思っています」
レッドイーグルスというと目を引くのが、相手の反則によって人数が多い状態で攻撃をすることが出来るパワープレーの成功率です。30%以上の成功率があるといいといわれることが多いなかで、今季の成功率は49%。およそ2回に1回は得点につなげているんです。パワープレーでも重要な役割を担う橋本選手も、チームの連携について手ごたえを感じていました。
「パワープレーに関しては、長く同じメンバーでやらせてもらっているので、熟成されてきた感覚があります。お互いに滑るラインや、どんな時にシュートを打つのかということは、みんなでしっかりと共有できているのでいい結果に繋がっていると思っています」
今回は絶対に勝つ 菅原宣宏監督

今季で監督として4季目を迎える菅原監督も、過去の悔しさから成長を遂げているチームで全日本選手権の頂を目指すと意気込んでいます。
「毎年チームとしてやろうとしていることが経験として上積みされていて、その中で選手一人一人がチームですべきことをしっかりとわかってきて、主体性が出てきているので成長は感じますね。あとは自分たちの持っている力をどれだけ出せるか。ファンの方のためにも目の前の試合を全力で戦う姿勢を見せたいです」
そして、取材の中で菅原監督が強調していたのが、オフェンス面の強化と若手の台頭です。
ゴール前での存在感際立つFW・大澤勇斗

今年29歳になった大澤選手は、海外でのプレー経験もあるFWです。菅原監督もシーズン開幕前から状態の良さを感じていたといいます。
「夏場の取り組みもすごく良くて、開幕前から今年はいい感じかなと思っていたら、本当に結果を出してくれました。最近はゴールが続いていますし(直近6試合で5得点)、特にパワープレーでの役割も大きいです。ゴール前でのスクリーンや、最後しっかりと決めきるという部分での働きがすごくいいですよね」
同学年には同じFWの中島選手や髙木選手、さらに30歳前後に経験豊かな選手たちが揃う中で、好調な大澤選手がどんな活躍を見せてくれるのか楽しみです。
日本代表を経験し成長著しいDF・ハリデー慈英

菅原監督が今後のチームの飛躍としてポイントに挙げた若手の台頭。今季は経験豊かなDFの選手が抜けたなかで、成長著しいと話したのが4年目の26歳ハリデー選手です。
「11月の国際大会に日本代表として出場したんですが、そのあとくらいからすごく調子が良くなっている。自信を持ってプレーしている印象がありますね。出場機会も増えてきているので活躍に期待しています。選手たちはみんな日本代表でやることを目標にしているので、そういったいい影響もあるのかもしれないですね」
DFの選手が7人というチーム状況のなかで、攻守に駆け回るハリデー選手の動きにも注目です。
チームにエネルギーを与えてくれる大事な存在 FW・相木隼斗

そして、今年24歳になる6年目のFW・相木選手はスピードが持ち味の選手です。苫小牧工業を卒業後、王子イーグルスに入団し、怪我で苦しむ時期もありましたが今季はキャリアハイの5ゴールを挙げる活躍を見せています。菅原監督は、相木選手の人間としての魅力がチームに与える影響が大きいと話します。
「スピードが持ち味の相木も成長している選手ですね。彼は、勢いがある選手で、元気という魅力的なストロングポイントがあるんですよね。全日本選手権のような一発勝負の難しい戦いの中では、チームとしてのエネルギーが大事になってくるので、貴重な存在です」
菅原監督がいう相木選手の存在感。私もこの日はリンクから少し距離のある場所で練習を見ていたのですが、フェイスガード越しからでもわかる相木選手の豊かな表情や、いろんな選手と積極的にコミュニケーションをとっている姿が印象的でした。
全日本選手権ではどんな相木選手のプレーと表情が見られるのか、目が離せません。
レッドイーグルス北海道の初戦は、12月16日午前10時から明治大学と対戦します。
放送予定
アイスホッケー全日本選手権(BS1)
12/17(土) 11:00~準決勝第1試合/14:30~準決勝第2試合
12/18(日) 18:30~決勝
全日本選手権に出場するチームを紹介しています!
ひがし北海道クレインズ
DYNAX 日本製鉄室蘭アイスホッケー部 タダノ
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