日本ハムの春季キャンプも第2クールに入り、2月9日には韓国プロ野球のサムスンを相手に初の対外試合を行いました。新庄監督も、今季は日本一を狙うシーズンと位置付けているなかで、初の実戦でアピールに成功したのは?
開幕スタートダッシュへ
沖縄県名護市で行われている1軍キャンプでは、初めての対外試合が行われました。
新庄監督も、キャンプ中の練習試合については「ことしは練習試合でも勝ちにこだわって、勝つ癖をつける。開幕まで全部の試合に勝つつもりでやっていく。とにかく開幕で一番いい選手がグラウンドでプレーをしてもらう」と話す通り、この試合も野手は現段階でのベストに近いメンバーで挑みました。
<打順>
1番 センター 五十幡
2番 指名打者 万波
3番 レフト 松本剛
4番 サード 野村
5番 ファースト 清宮
6番 ショート 上川畑
7番 セカンド 石井
8番 キャッチャー 宇佐見
9番 ライト 江越
7人の投手リレーで相手打線を0点に!

先発は昨シーズンプロ初登板を果たし、2月1日の紅白戦でもマウンドに上がった2年目の19歳、畔柳亨丞投手でした。力のあるストレートと、落差のあるフォークボールを中心に2回を投げて、打者6人に対して三振2つを奪うなど、ヒットなしのピッチングを見せました。
そして、来月開催されるWBCの日本代表に選ばれている伊藤大海投手が4回に3人目として、キャンプで初めて実戦登板しました。1イニングで14球を投げて、3人で退ける完ぺきな内容で順調な調整ぶりを見せるなど、この日の日本ハムの投手陣は7人がマウンドに上がり、打たれたヒットはわずか2本で、無失点の投手リレーを見せました。
新庄監督も、好投を見せた投手陣を高く評価していました。
「今日はすごくよかった。どの投手もボールのキレがだんだん上がってきたし、先発の畔柳投手も落ち着いて、しっかりとコントロールを重視してバッターを抑えている印象がありました。すべてのピッチャーたちの今年にかける思いが伝わってくる内容でした」
対外試合 チーム初ホームラン 清宮幸太郎 選手

試合が動いたのは2回裏。4番の野村選手が変化球に上手く対応して、レフトへのツーベースヒットで出塁をすると、5番の清宮選手が打席へ。初球のインコースよりのストレートを振りぬくと、打球はライトスタンドへ入る先制のツーランホームラン。今年最初の対外試合でのファーストスイングでホームランを放ちました。
ただ、試合後このホームランについて聞くと。
「ホームランについては嬉しかったのですが、あの打席のサインは進塁打(走者を次の塁に進めるバッティング)の指示だったので、『やってしまった』という感じだった。今日はストレートをしっかりとはじき返すということを課題にやっていたので、そういう面に関しては良かったかなと思います。チーム全体がどんな試合も全部勝ちに行く野球をしていこうという雰囲気なので、自分も全試合勝つつもりでやっていくつもりです」
プロ野球では初の実戦出場 加藤豪将 選手

日本ハムにドラフト3位で入団した加藤豪将選手も5回裏に代打で登場。キャンプ直前のけがの影響で出遅れたため、この日の練習試合が加藤選手にとって初の実戦となりました。最初の打席は、初球から積極的に振り、3球目を打って、強烈なセカンドライナー。2打席目は三振でしたが、ストライクゾーンに来たボールには鋭いスイングをみせるなど大リーグ経験者の力を感じさせる内容でした。
試合後の加藤選手は。
「すごく緊張をしたけれども、打席の中で気持ちをうまくコントロールできたのは良かった。今の段階では、ヒットを出そうということよりも、まずは打席に入るときのメンタルがポイントと考えている。これまでプロ選手として10年間いろいろなチームでプレーをしてきて、シーズン開幕に向けて準備の進め方をフェーズごとに考えている。フェーズ1は気持ち。フェーズ2はストライクとボールの見極め。フェーズ3はスイング。そしてフェーズ4まで達すると試合に出られる状態と考えていて、いまはまだフェーズ1くらい。ヒットというよりもいまは気持ちの部分をしっかりと考えて準備を進めていきたい。とにかく自分との勝負だけなので、これからも負けないという気持ちで、毎試合、毎試合頑張っていきたい」
新庄監督も加藤選手の打席内容については。
「今日はしっかりと左投手のストレート、変化球に対して突っ込まずに、軸がしっかりとしたスイングが出来ていた。スイングの音もすごかった。あとは感覚を掴んで、試合に慣れていければ、左投手をまったく嫌がっていなかったので楽しみだね」
ここから、紅白戦や練習試合など実戦が続く中で、選手たちがどんなアピールをするのか。引き続き、沖縄で取材を続けたいと思います。