NHK札幌放送局

ジャンプ界 ニューヒーロー 二階堂蓮

小山 凌

2022年11月11日(金)午後5時38分 更新

W杯メンバーに初選出された21歳の新星・二階堂蓮選手がNHK杯ジャンプも初優勝を果たした。北京五輪では小林陵侑の金メダルに沸いた男子ジャンプ界に彗星のごとく現れたニューヒーロー、その強さの秘密とは?

王者不在のNHK杯 制したのは?

北京五輪のジャンプNH(ノーマルヒル)で金メダルを獲得し、前回大会チャンピオンの小林陵侑選手がW杯へ向けた調整を優先するため出場しない中で行われた今年のNHK杯ジャンプ。優勝候補として注目を集めたのが二階堂蓮選手。海外で行われたサマーグランプリでは初出場で初優勝、さらに夏から秋にかけての国内大会では9戦で4勝を挙げ、表彰台を逃したのはわずか1度だけという安定した成績を残し、海外を転戦するW杯メンバーに初めて選出された。

「今までの積み重ねが結果として出るようになって、W杯の開幕戦からメンバーに入ることが出来たのでうれしい。やっとスタートラインに立てた感じ。」

低く 鋭く! 追い求めてきた理想のジャンプ

二階堂選手のジャンプは、鋭い飛び出しから深い前傾をかけるこの空中姿勢が特徴。ほかの日本人ジャンパーたちからも一目を置かれるほどだ。

「自分のジャンプの特徴は、低い飛び出しから、後半距離を伸ばすジャンプ。空中が上手いというところで、思いもよらないビックジャンプが出るところが持ち味なのでそこを注目してほしい。143m50のヒルレコードを目指したい!」

大会前には自身のジャンプについて手ごたえを口にしていた二階堂選手。雨が降り、風の状況が刻々と変わる難しい環境のなかで、まさにその強さを体現するかのような素晴らしいジャンプを2本そろえてみせたのだ。

ジャンプに有利な向い風が強く吹く中で向かえた1回目。
持ち味の鋭い飛び出しから風を捉え、ヒルレコードに迫る142m50、有言実行のビックジャンプだった。

「めちゃくちゃ気持ちよかった。風もいい具合に吹いてきて高さが出ていたのでヒルサイズ(137m)を越えるなと思っていた」

1回目のジャンプで2位とは13ポイント以上の差(距離に換算すると10m差)をつけた。

2回目にむけて二階堂選手は。
「風の条件が目まぐるしく変わるのでどんな風が来ても対応できる心構えとイメージを持って挑めればと思っている」

ジャンプに有利な向かい風が収まり、ほとんど風が吹いていないような状況で迎えた2回目。
多くの選手が距離を伸ばすことが出来ていない中でも、K点(123m)に迫るジャンプを飛んでみせた。

2位とは40ポイント近い差をつけての優勝だった。

一時は引退覚悟も。周りの支えでつかんだ初優勝

会場には、NHK杯ジャンプで優勝経験がある父の学さんや、出身地でもある江別市の保育園の先生や関係者などが応援に駆け付けていた。応援してくれる人たちへの思いが二階堂選手のモチベーションになっている。

高校卒業後、企業に所属してジャンプを続けたいという思いがあったものの、所属企業が決まらず大学に進学。大学一年生のときに、「ジャンプ一本で勝負がしたい。一年間で結果が残せなければ引退」と覚悟を決め大学を中退し、昨シーズンは所属企業がない状況でジャンプに打ち込んできた。練習がない時間は、農作業のアルバイトでジャンプの資金を稼ぎながら競技を続けてきた。決して順風満帆とは言えない競技生活だった。

「高校卒業のタイミングで企業から声がかからず引退も覚悟したことがあった。そのときにコーチや、父の学さんなどから競技を続けたほうがいいという言葉をかけてもらったことでもう一度頑張ろうと思えた。今年から企業に所属してジャンプをしていて、自分を支えてくれる人たちにもっともっと恩返しのジャンプをみせたい」

初めてのW杯 いざ世界の舞台へ

優勝直後のインタビューでは、W杯への思いも語った二階堂選手。

「今まで悔しい思いをしてきたのでこのように結果で恩返しができるのは本当に良かった。W杯では初参戦だけれどすごく楽しんでいるなという雰囲気がしっかりと見ている人たちに伝わればと思っています。」

日本男子ジャンプ界のニューヒーローが世界の舞台でどんなジャンプをみせてくれるのか。

関連情報

北海道から北京へエール!

小山 凌

2022年2月9日(水)午後3時47分 更新

今月16日 ブレイキン特番 放送決定!

小山 凌

2022年10月14日(金)午後3時58分 更新

NHK杯ジャンプ ジャンプ界の新星に注目!

小山 凌

2022年10月28日(金)午後6時40分 更新

上に戻る