NHK札幌放送局

勝負のカギは、あのポーズ

笠井 大輔

2022年1月5日(水)午前11時15分 更新

あけましておめでとうございます。 私、笠井は、年末年始は、スキージャンプ女子ワールドカップの実況を担当しました。 スロベニアで行われた大会には、北海道出身の髙梨沙羅選手、伊藤有希選手、勢藤優花選手、岩佐明香選手、長野県出身の岩渕香里選手の5人が出場。 日本のエース・高梨沙羅選手が、新年最初の試合で、見事、今シーズン初優勝!! 北京オリンピックでの活躍を期待させる内容となりました。 

ジャンプは、飛んだ距離だけを争っているわけではないんです。

開幕まで1か月と迫った北京オリンピック。
今回は、スキージャンプをより深く競技を見るコツを伝授しましょう。

まずは、おさらいです。
スキージャンプは、主に飛距離に応じて与えられる飛距離点+飛行姿勢や着地などに与えられる飛型点によって選手の成績が決まります。
飛距離点は、各ジャンプ台で定められたK点まで飛ぶと、60ポイント。そこから、ジャンプ台にもよりますが、1m飛距離が増減するごとに、2ポイントの増減となります。
そして、飛型点は、5人の審判が、主に、空中での姿勢、着地、着地後の滑りについて、20点満点で採点します。5人のうち、最高得点と最低点を除いた、真ん中3人の点数の合計が、その選手の飛型点になります。
例えば、K点が85mのジャンプ台で、ある選手の飛距離が86mだとすると、飛距離点は62ポイントとなります。

そして、飛型点は、5人の審判が、それぞれ、18点、17.5点、18点、18.5点、17点と採点した場合、最高点となる18.5点と最低点となる17点を除いた、18点、18点、17.5点が採用され、飛型点は53.5ポイントなります。
その結果、この選手の成績は、飛距離点62ポイントに飛型点53.5ポイントを足した115.5ポイントとなります。

着地のその瞬間を見逃すな!!

ここで大事なのが、「テレマーク」。
選手が着地の時に見せる、左右の腕を横に広げ、片方の膝を深く曲げ、両足を前後に広げる、あのポーズです。
年末年始のワールドカップの放送の解説を担当していただいた、全日本女子コーチの小川孝博さんに教えてもらいました。

主なポイントは、上半身をやや前傾させること、そして、左右の足を前後に1足分広げることだそうです。
なぜ、これが勝敗を左右するのか。
このテレマーク姿勢が決まらないと、飛型点から最低2点減点されてしまうからなのです。
つまり、テレマークが決まっていれば18点もらえていた飛型点が、16点になってしまうのです。3人の審判の飛型点が採用されるので、それだけで、飛型点はマイナス6ポイント。特に、飛距離で差が付きづらい上位の選手になると、この6ポイントで順位が変わってしまうのです。
逆に言えば、飛距離が少し足りなくても、テレマークを決めれば、順位を上げることもできるのです。
しかし、小柄な日本人は、このテレマークを決めるのが難しいそうです。
特に、体格の良い外国選手に比べると、左右の足を前後1足分広げるのは簡単ではないうえ、審判からも両足を前後に広げているように見えづらいんだそうです。

今月予定されていたワールドカップ札幌大会と蔵王大会は、今年も中止となってしまいましたが、1月下旬には、オリンピック前最後のワールドカップがドイツで行われます。
ぜひ、このテレマークに注目してみてください。

NHK札幌拠点放送局アナウンサー 笠井大輔
2022年1月5日

こんな取材もしています!
北海道勢が走るその裏では…。

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