葛西選手とともに大倉山へ
NHKのアナウンサーが自ら企画し制作するインタビュー番組、インタビューここから。
葛西選手が競技人生の原点と話す大倉山で撮影を行いました。
まず、向かったのは、ジャンプ台の一番上にあるスタートゲート。
選手たちが滑り出す場所です。
普段は行くことはできませんが、安全に配慮したうえで、今回、特別に撮影許可をもらいました。
スタートゲートの高さは、着地面からおよそ133m。
ここからは、大通や札幌ドームが一望できます。
しかし、素晴らしい景色ですが、あまりの高さに足がすくんでしまいました。
今回の番組のロケは、白馬といい、大倉山といい、高さとの戦いです💧
そんな時、葛西さんからまさかの提案が。
「ちょっとここに座ってみませんか?」。
嘘でしょ、葛西さん。
しかし、ここで断ったら、後のインタビューに影響するかもしれないと考えた私は、勇気を振り絞りスタートバーに座ることにしました。

カメラが回っていたので、目は笑っていましたが、マスクの下は、もちろん引きつっていました。
スタートゲートの角度は35度。
座ってみると、数字以上に急に感じました。(※施設の許可を得て撮影しています)
ちなみに、私の足元に2本の溝がありますが、これが助走路。
選手は、スタートバーに腰を下ろして、助走路にスキー板を置いて、時速90キロものスピードで滑っていくのです。
ここから世界へ
葛西選手は小学校3年生の時にジャンプに出会い、そして、15歳の時、初めてこの大倉山で飛びました。
この時、この大きなジャンプ台で飛べたことが、その後、世界を目指すきっかけになったそうです。

「相当、根性 度胸がないと飛べないジャンプ台なんですよ。大倉山で飛んでいたからこそ、なんか、根性がついたというか。そのジャンプがすごく良いジャンプしたんですよね。あのジャンプがあったからこそ世界を目指そうと思ったのがその時でしたね」
飛び続ける50歳
初めて大倉山で飛んだあの日から35年、葛西選手は今年50歳になりました。
50歳と言えば、一般的には、現役の区切りまであとわずか。
ともすると、定年までの人生をどう乗り切るのかを考え、まして何か目標に向かってチャレンジする気持ちを奮い立たせることは簡単ではない年齢かと想像します。
それにもかかわらず、葛西選手は、なぜいまも飛び続けるのか。
そこには、辛い時や調子が悪い時に、葛西選手の亡くなったお母さんがいつもかけてくれた言葉があたのです。

いまなお進化を続ける
30代で現役を引退する選手が多いとされるスキージャンプ。
葛西選手が50歳になっても第一線で戦うことができるのは、変化を恐れないこと。
かつてどん底にいた葛西選手が、頑固な自分を変えてまでも取り組んだ試みが、50歳になったいまでも現役を可能にすると同時に成長させていたのです。

「僕もまだオリンピックで金メダルを獲っていないので、這い上がっている途中なんです」
50歳でも金メダルを目指し、進化を続けることができるそのわけとは?
葛西選手のインタビューここからは、11月3日(文化の日)午前7時30分~総合テレビ
ぜひ、ご覧ください。
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2022年10月18日