音更町出身の伊林です。
「北のことばお兄さん」、今回は「敷居が高い」です。
「せっかく北海道に来たんだから、あそこの海鮮料理に行かない?」「でも、あの店、超有名な高級店だよね?“敷居が高い”よ…」冬の観光シーズン、新千歳空港や札幌駅で、こんな会話をしている人がいるかも知れません。
文化庁の平成20年度(2008年度)の調査で「敷居が高い」の意味を尋ねた所、若い世代では、さきほどのように、“自分たちには高級すぎる”といった解釈をしている人が多くなりました。
こうした使い方は、若い世代を中心に広がっています。
前述の文化庁の調査では、40代で47.4%の人が、30代以下では70%以上の人が「高級すぎたり上品すぎたりして行きにくい」と答えました。平成20年度と10年以上前の調査結果ですので、もしかすると、現在ではそのように答える人の割合が増えているかも知れません。
しかし、本来は「相手に不義理などをしてしまい、その人の家に行きにくい」という意味なんです。
『学生時代お世話になった先生に、ここ数年、年賀状を書くのを忘れてしまったし、すっかりご無沙汰しているので、敷居が高くて学校には行きにくい』などと使います。
この「敷居が高い」と同じように、本来とは違う意味で使われがちなことばに「破天荒」があります。
「破天荒」の本来の意味は“誰も成しえなかったことをすること”です。
しかし、同じ平成20年度の調査で「破天荒」の意味をたずねたところ、20代から60歳以上の全ての年代で、「豪快で大胆なようす」と答えた人の割合が、本来の意味を答えた人を上回りました。50代でも69.0%、40代以下では70%以上が「豪快で大胆な…」と答えています。
ことばは生きもの、と言われます。10年後、20年後の国語辞典に「敷居が高い」や「破天荒」の意味は、どのように記載されているでしょうか。
“ちょっと人に話したくなることばの知識”をお届けするミニ番組「北のことばお兄さん」。
放送は、(月)~(木)の午前5時59分から1分です。
これを見れば、「『○○○』って、本当はこういう意味なんだよ!」と思わず人に話したくなること間違いなし!是非、ご覧下さい!
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