NHK札幌放送局

北のことばお兄さん「耳ざわり」編

伊林 毅暁

2023年3月17日(金)午後7時07分 更新

音更町出身の伊林です。「北のことばお兄さん」、今回は「耳ざわり」です。 この前、「北のことばお兄さん、“耳ざわり”の良い番組ですね」と言われて、困惑しました…。皆さんは、このような使い方をすることはありますか? 
(*この記事は2分半~3分程度で読めます。)

このことばは、本来、聞いて不愉快に感じたり、うるさく思ったりする意味で使われます。
「車のクラクションの音が耳ざわりだ」「電車の中で音楽を聴いている人がいたが、大音量でイヤホンから音が漏れていて耳ざわりだった」などといった使い方です。

しかし、近年「舌触り」などから連想するのか、「耳ざわりのいい音楽」「耳ざわりのよいことを言う」などのような、プラスの意味で使う例も増えています。

「耳ざわり」の「さわり」は、害になるという意味の「障(さわ)る」の字になりますが、国語辞典の中には「触れる」という字で“聞いた時の感じ”という意味を載せるものも出てきています。

具体的にどのように掲載されているのか、見てみましょう。

<三省堂国語辞典 第八版>
みみざわり[耳触り]〔俗〕聞いたときの感じ・印象。耳ごこち。耳あたり。「―のいいことを言う」 
みみざわり[耳障り]聞いて〈気にさわる/うるさく思う〉ようす。「―な雑音・―な表現」
<岩波国語辞典 第八版>
みみざわり ①【耳障り】聞いていて、気にさわること。「―な話」「雑音が―だ」 ②【耳触り】聞いて受ける感じ。▽「手触り」に類推した俗用。

比較的、新語や新たな用例を豊富に取り上げるという評価のある「三省堂国語辞典」は俗語と断りつつ“聞いたときの感じ”を掲載しています。また、標準的で保守的ともいわれる「岩波国語辞典」も、俗用と記しながらも“聞いて受ける感じ”という意味を載せていました。

ただ、文化庁は、2つの使い分けは十分理解されているとは言えず、「聞いたときの感じ」の意味で使うことには慎重であった方が良さそうだとしています。

さて、札幌市営地下鉄の一部の駅では、列車の到着直前にそれを知らせるメロディーが流れます。
1972年札幌オリンピックのテーマソング「虹と雪のバラード」で、今回撮影させていただいた大倉山ジャンプ競技場に、歌詞が記された石碑があります。

鉄道の駅での、列車接近を知らせるメロディーや、発車を知らせるメロディーは、各地で導入されています。
以前勤務していた松山放送局のある愛媛県では、JR予讃(よさん)線の駅で「瀬戸の花嫁」が使われていました。プロ野球・横浜ベイスターズの本拠地「横浜スタジアム」最寄りのJR関内駅では、ベイスターズの球団歌が使われています。
人によって音楽の好みはありますし、接近・発車メロディーを使うこと自体にも賛否があるかも知れません。個人的には、その土地らしさや風情があっていいかなと思っていますが…。

“ちょっと人に話したくなることばの知識”をお届けするミニ番組「北のことばお兄さん」
放送は、(月)~(木)の午前5時59分から1分です。
これを見れば、「『○○○』って、本当はこういう意味なんだよ!」と思わず人に話したくなること間違いなし!

北のことばお兄さんWEBはこちら

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