NHK札幌放送局

○○に特化!? 帯広 ブックカフェ

江連 すみれ

2023年5月18日(木)午後5時30分 更新

5月12日のおはよう北海道では、帯広市にあるブックカフェについてお伝えしました。

去年4月にオープンしたこちらのカフェ。

ずらりと並んだ本のタイトルには発達障害自閉症の文字が目立ちます。
発達障害の当事者や精神科医が書いた専門書、さらには絵本まで、350冊ほどが並んでいます。ここは、福祉に特化したブックカフェなんです。

経営するのは、20年近く福祉に携わっている小川洋輝さん(おがわ・ひろき)です。

こちらの家族。月に1、2回ほど訪れます。
母親の瘧師祐子さん(ぎゃくし・ゆうこ)には、自閉症の症状があります。

ここでは、小川さんがお客さんの悩みに応じて、その時にあった本を薦めてくれます。この日薦めたのは、自閉症の当事者が書いた体験談。さらに、本を読むときのコツも教えてくれました。

小川さん
「ここに付箋つけて読み始めてここまできたらいったん区切りと、自分で区切りをつけてから読むようにしています。そうすると集中していても、いったんここで休憩だって目印になるので。」
瘧師さん
「お店においてある本は基本的に小川さんが一度全部目を通しているものなので、実際に小川さんが読んでこういう風に思ったという感想を聞いた上で、本を選ぶ手助けになっているのがうれしいです。」
夫 将智さん
「妻も来やすい空間で、本を選んだり、本の感想を言い合ったりできるので、気が楽なのかなと思って来ていますね。」

日中は、障がいのある子どもたちが通う施設を運営している小川さん。当事者やその家族の悩みが深刻になる前に、気軽に相談できる場所を作りたいとカフェを開きました。

小川さん
「(当事者や家族が)忙しそうだからなかなか相談できない、そんなふうに感じたのがまずきっかけで、気軽にふらっと来て、悩みやつらさが8、9たまる前に1、2の段階でちょっと聞いて小川さんって言えるんじゃないのかなって思って。」

ここは、当事者の交流の場にもなっています。
自閉症の2人の子どもを育てるこちらの父親。この日は、瘧師さん一家と当事者の家族同士、話が弾みました。

「当事者の家族とかそういった方がここに集まるので、情報交換ができるのは本当にありがたいなぁって思っています。」

当事者だけでなく、福祉施設の関係者も。このカフェは夜間営業のため、仕事終わりに立ち寄って、施設を運営する上での実務面から、子どもとの接し方まで、夜遅くまで語りあうこともあるといいます。 

「大先輩の小川さんのカフェは、自分の抱えている問題が解決できて、気軽に立ち寄れる福祉の専門店、知識箱のような場所。活力をもらえる場所です。」
小川さん
「ここにくる人がつながって、生きた情報交換ができる、ここに来て元気をもらってやっぱり明日から頑張ろうってなってくれたらいいなと思うようになりました。」

このカフェは毎日、夜の7時から11時半まで営業しています。カフェには福祉分野以外にも、幅広い分野の本も充実していて、誰でも気軽に利用できるということです。

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