
この、まるで家のようなキャンピングカー。実は帯広の夫婦が一から手づくりしたものなんです!コロナ禍で密を避けながらレジャーが楽しめるということで、キャンピングカーの人気が高まっていますが、夫婦にはこの車に乗るちょっと違う理由があるようです。

つくったのは、ウィルソン・ブランドンさんと甚内美波(じんない・みなみ)さん夫婦。さまざまな工夫が詰まっています。
中に入ると…左手にはキッチン。

その反対側の上の段はベッド。(左)下の段は書斎になっています。(右)

ウィルソンさんはアメリカ人で身長183cmありますが…

ウィルソンさん
「ギリギリですけど、寝転がったときに足が飛び出ない。寝心地もよいです」
ベッドの床板を外して下の段にはめると…書斎のテーブルに早変わり!

ここでウィルソンさんは、IT関係の仕事もこなすことができます。
さらに、趣味の空間も充実しています。ウィルソンさんの愛読書150冊がずらりと並ぶ本棚も!

美波さん
「長時間いても居心地のよいように、いろいろな居場所をつくるようにしました」
部屋の配置や寸法を2人で考え、1年半かけて、大工さんと一緒につくり上げました。

なんと!今まで住んでいた家を引き払って、電気やガスを完備したこの車で生活しながら、日本一周の旅に出るんです。車にはソーラーパネルも設置されています。(↓写真右上)

この車で旅に出る理由。そこには、12年前から日本で暮らすウィルソンさんの、外国人として見られることへの葛藤がありました。

ウィルソンさん
「1000回ぐらい聞かれたのが、『お箸は使えますか』『おすしは好きですか』という質問。人間的なつながりが欲しいところは正直ありますね」
しかし、これに乗っていると、車自体に興味を持って話しかけられることが増えたといいます。
ウィルソンさん
「このキャンピングカーができてから、外国人というより、この大きな車の方が目立つようになりました。興味をもってもらえるとすごくうれしいです」
さらに、2人がキャンピングカーで目指すのは環境に配慮した暮らしです。

この日訪れたのは、食品を量り売りで買える店。
大学院で環境問題を専攻していた美波さんは、できるだけゴミを減らそうと心がけています。
美波さん
「キャンピングカーは、出したゴミが自分の居場所を狭くしてしまうなど、自分の暮らし方が直接その日の暮らし方につながってくるので、資源のありがたさを肌で感じられます」
11月中旬、いよいよ帯広を離れる時がやってきました。

道中、道の駅で出会ったご夫婦ともすぐに打ち解け、自慢の車をきっかけに会話が弾みます。
美波さん、ウィルソンさんに、これからの旅で楽しみなことについて聞いてみると…

美波さん
「これから、どこでも自分の暮らす場所になるんだなぁっていうところがすごくワクワクしてきました」
ウィルソンさん
「たまたまなご縁とか、積極的に声をかけてくれる人との出会いがいちばん楽しみかなと感じています」
日本一周に向けて走り出した2人のキャンピングカー。これからどんな出会いがあるのでしょうか…。
その後、2人は苫小牧からフェリーで本州に行き、関東地方で過ごしているということです。(12月2日放送時)今後も、その土地その土地での人との出会いを大切にしながら、旅していくということです。
江連キャスターの最近の記事はこちら
▶鹿追町 役場職員として30年 鹿追焼に打ち込む
▶寒さだけじゃない!魅力いっぱい陸別町
▶NHK帯広放送局ホームページ
▶NHK釧路放送局ホームページ