NHK札幌放送局

パラ競泳 宮崎哲選手 派遣標準記録突破し東京パラリンピックへ

ほっとスポーツプラス

2021年4月27日(火)午後5時24分 更新

東京パラリンピック、競泳の知的障害のクラスの出場を目指している札幌市出身の宮崎哲選手。前回のリオデジャネイロパラリンピックでは連盟などが定める派遣標準記録には届かず、連盟の推薦枠で出場しました。今回は、みずからの力で出場を勝ち取りたいと新たな挑戦を行っています。
(札幌放送局 阿久根駿介)

悔しさが残ったリオ大会

宮崎選手は、5年前のリオデジャネイロパラリンピックに、連盟の推薦枠で出場しました。200メートル自由形の結果は、予選10位と決勝に進めませんでした。宮崎選手は決勝に進めなかった悔しさとともに、派遣標準記録を突破してみずからの力で出場できなかったことに悔しさが残ったといいます。

宮崎哲選手
「正直、派遣標準記録を突破できなかったことは悔しい思いでいっぱいでした。自分のタイムを残すことだけに集中して、がむしゃらに全力で東京パラリンピックの出場権をつかみたいと思っています」


あと2秒を縮める

宮崎選手の200メートル自由形のベストタイムは1分59秒59です。派遣標準記録は1分57秒54となっていて、2秒ほど派遣標準記録に届いていません。この2秒を縮めるため、新しく取り組んでいるのが水の抵抗を受けにくいフォームづくりです。

これまでのフォームは、頭の位置に比べておしりの位置が少し沈んでいて、水の抵抗を受ける面積が広くなっています。

一方、新たに取り組んでいるフォームでは、頭を下げることで、頭とおしりの位置が同じくらいにあり、水の抵抗を受ける面積が少なくなり、より前に進むことができます。このフォームを習得するため、ここ1か月半、コーチと二人三脚で取り組んできました。

上野恭慶コーチ
「目標は1分57秒台までは持っていきたいと思っているんですけど、この泳法でいったら日本のトップスイマーも1分40秒台で泳いでいるので、そういった意味からすれば、このフォームで泳げればタイムは確実に突破できるフォームチャレンジになる」


課題は大会本番で新フォームで泳げるか

ふだんの練習では新たな泳ぎ方ができるようになってきた宮崎選手ですが、課題はレース本番で同じ泳ぎ方ができるかどうか。自閉症の特性もあって同じ泳ぎをすることが難しいといいます。

上野恭慶コーチ
「自閉症の特徴として応用するのが非常に苦手なんです。なので、ドリル練習とか1つ1つのパーツにわけて行うフォーム練習とかではできるんですけど、これが高速状態になったときにいかに再現できるのかが課題です」

そこで、基本練習が終わったあとはコーチなどとレース形式で泳ぎ、スピードをあげても同じフォームができるよう、体に覚え込ませています。

宮崎哲選手
「自分は知的障害なので、受け入れるのは難しいと思いますが、それでも日々の練習を積み重ねて同じフォーミングができるようにつかみ取るような形で頑張っています」


新型コロナウイルスの影響で泳げなかった日々も


宮崎選手は、新型コロナウイルスの影響で、去年は4月中旬から1か月半、泳げない日々が続いたといいます。生後6か月から水泳を続けていて、これだけの期間、泳がなかったことは人生で初めてだったといいます。

宮崎哲選手
「再開したときには水の感覚をつかむのに時間がかかりました。今まではすいすいと泳いでいましたけど、練習再開後にプールに入った時には、水がゼリーのような感覚で重くなっていた感じがあったのでなかなか泳ぎにくかったです」


そんな苦しい状況のなか、宮崎選手が書いたイラストには、こんなことばがつづられていました。

宮崎哲選手
「あくまで自分の書いた落書きですから実現できるかわかりませんが、今は東京オリンピックに出場することだけを考えています。この困難を乗り越えていきたいと思っています」

宮崎選手は5月に横浜市で行われる選考会で派遣標準記録を突破すれば、代表に内定します。今度はみずからの手で東京パラリンピックへの切符を勝ち取ってほしいと思います。

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