NHK札幌放送局

人民裁判の絵

ほっとニュース北海道

2019年7月4日(木)午後4時49分 更新

70年前の絵からのメッセージ ※映像有り

美唄市内に70年前に描かれた1枚の油絵が眠っています。「人民裁判の絵」。縦130センチ、横193センチの大作です。

昭和21年(1946年)2月。労働組合が経営幹部を36時間にわたり拘束した、いわゆる「人民裁判事件」の様子を描いたものです。

舞台となったのは、三菱美唄炭鉱。戦後まもない当時、炭鉱では厳しい労働が強いられ、事故も多発していました。労働運動史に詳しい白戸仁康さんは、事件は賃金の交渉が発端になったと話します。

当時は能率給ですから、働いて石炭たくさん出れば給料は出るけども、悪い場所に当たって石炭があまり出ない時は給料あまり伸びないわけです。それで1日いくらという定額制にしようという要求など、さまざまな要求を労働組合側が突きつける。それが今度はだんだんエスカレートして戦時中のうっぷんが爆発するわけです。(白戸仁康さん)

労働者の権利が確立していなかった当時、一部の経営陣がぜいたくな暮らしを続けていました。
労働者たちは各地で声をあげ、「人民裁判事件」は戦後の労働運動の高まりを伝える象徴的な事件となりました。

当時、絵を制作した人が札幌市にいます。平山康勝さん。88歳。
炭鉱の美術サークルに所属していました。

会社や階級に対する怒り、圧迫されていた怒りのようなものはみんな持っていたと思います。今、またこういうふうに脚光をあびて、炭鉱のなかの歴史の1ページとして、語り継がれるということは何か本当うれしいですよね。(平山康勝さん)

平山さんは「令和の世代」に伝えていくことの必要性を強く感じています。

(作品としては)描き足りないと思います。でも未完成ではないんだよね。若い世代が作品を見てどういうふうに感じるか。さまざまな感じ方でいいと思うけども、俺たちの描いた気持ちというのがいくらかでも伝わってくれればありがたいなと思います。(平山康勝さん)

「人民裁判の絵」は、保存のため現在は公開していません。美唄市では今後、絵の複製を作製して市役所に展示することにしています。

▼文化財情報
所在地  :美唄市内(保管場所非公表)
問い合わせ:美唄市役所企画財政課 0126-62-3137
見学   :要問い合わせ

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