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学生の意識調査やってみた!【投票率考えてみた。】

  • 2021年11月10日

先日の衆院選で、若者の投票率を上げるためにはどうすればいいのか、プロジェクト内でこれまで考えてきました。活動の中で、話題にあがったのが、選挙権を持っている自分たち以外の学生は選挙についてどう思っているのか、今回の選挙はみんな行くのだろうかということです。そこで、学生たちが同じ北海学園大学の学生にアンケートを取ることにしました。 (書き手:北海学園大学・細道 慧)

アンケートでは、

  • 今回の衆院選に行く気があるかどうかと、その理由(自由記述)
  • これまでに選挙に行ったことがあるかどうか、その理由(自由記述)
  • 今後、どういった形ならより選挙に行きたくなるか(選択・複数回答)
  • その他政治や投票に対して意見があるか

これら6つの質問に答えて頂きました。
事前に班のメンバーとどのような結果になるかを考えたところ、

  • 今回の選挙に行くと答える人は前回の選挙においての10代・20代の投票率も考慮すると、行くと答える人は6割程度になると思う。
  • 前回の参議院選挙が2年前に行われた以外、選挙がほとんど行われていないため、その時に選挙権を持っていなかった人も存在し、今回の衆院選に行くと答えた人よりも、過去に行ったことがあると答える人は少ないと思う。
  • 選挙に行かない理由として、自分たちの周りでは、住民票を移してない人が多い印象だ。予定もあり、実家に戻ることができず投票ができなかった人が意外と存在するのではないか。
  • 選挙に行きやすくなるための仕組みについての質問では、ウェブ投票や住民票を移さないで投票できる制度が多数を占めるのではないか。

など、事前の予想では、数多くの意見が出ました。これらを基にアンケート結果を見ていきます。

アンケートの概要

調査期間:2021年10月19日~10月29日
実施方法:オンラインアンケート
回答者数:87名

質問1「あなたの学部は何学部ですか?」

法学部の学生からの回答が、75人と8割以上の回答となり、大多数を占めています。他にも法学部を含め、あわせて5学部の方々に答えて頂きました!この結果から普段政治について勉強することの機会が多い、法学部の学生が多いことも考慮しながら見ていきます。

衆院選2021に「行く」と答えた人は8割以上!意外な結果に。

質問2「今回の衆議院選挙にあなたは行きますか?」

「はい」と答えたのが71人と、8割を超えました。私たちの当初の想定より高い結果となりました。前提として、回答者の8割以上を法学部の学生が占めているということもありますがこの結果には驚きました。数多くの若者が今回の選挙にとても関心を持っていることがわかりました。
次にその理由について見ていきます。自由記述で様々な意見をいただきましたので、ある程度抜粋して紹介させていただきます。

質問3「質問2の理由を教えてください」

まず、「今回の衆院選に行く」と答えた人の理由を見ていきます。

  • 選挙権があるから。
  • 国民の権利だから。
  • 18歳になって初めての投票になるから。
  • 選挙権を得てから初めての衆議院選挙だから。
  • 自分の1票が変化させるかもしれないから。
  • 政治に自分の意思を伝えたい。
  • 自分の意見を政治にうつせる大切な機会のひとつだから
  • 若者の投票率を上げることで、若者のことを考慮した政策を実行してもらいたいから。
  • 選挙に行かずして政治を批判することはできないと考えているから。

次いで、「行かない」と答えた人の理由です。

  • 住民票が地元にあるため。
  • 住民票が地元のままでそう簡単に帰ることができないため。
  • 予定が入っているため。
  • あまり関心がないため。
  • コロナが流行しているため。

様々な理由が挙がりました。選挙権を持っているからなどの「義務感」や自分の意見を政治に反映させる「意思表示」という意見が数多く寄せられました。
また、行かない人の意見として、多かったものとして、住民票が地元にあり、投票時に地元に戻れないという意見でした。他にも用事がある、政治にあまり興味がないという理由がありました。これらの理由から、選挙に行きたいが行けない、そもそも選挙に関心がないなど行かない人にも様々な理由があることをあらためて認識しました。

次に、選挙に行ったことがあるかどうかについてのアンケート結果です。

質問4「これまでに選挙へ行ったことがありますか?」

「はい」と答えたのが48人と半数が選挙に行ったことがあるようでした。今回の選挙に行くと答えた人に比べて割合が減少しました。これは当時、選挙権がない学生がいるため、これまで行ったことがある人が少ないのではないか、という私たちの予想通りの結果になりました。次に理由について、見ていきます。

質問5「質問4で答えた理由について教えてください。」

まず、「これまで選挙に行ったことがある」と答えた人の理由では、

  • 親に連れられて行きました。
  • 学校では選挙は行くものだと習い、家族も必ず選挙に行っていたため、選挙権を持つようになったら自分も行くのが当然だと思っているから。
  • 18歳になってはじめての選挙だったから。
  • 成人した頃に友人とノリで行こうという話になった。
  • 選挙権が18歳に引き下げられた最初の衆議院選挙の時に18歳になりたてだったので興味本位で。

次いで、「行ったことがない」と答えた人の理由では、

  • 選挙権を当時は持っていなかったため。
  • 住民票を移していないため都合がつかず、実家に帰れなかったから。
  • 当時、投票場所が、堅苦しい雰囲気で中々行きにくかったから。

以上のような理由が挙げられました。行く理由としては、親がいつも選挙に行っていることや親に連れられて行くという意見があり、両親や家族が選挙に行く習慣に日常から触れている影響は、大きいということがわかりました。さらに、行ったことがないという人の多くは、当時選挙権がなかったという意見が寄せられた回答のうち、7割を占めていました。つまり、行く意志は強かった可能性があることが今回の質問でわかりました。
次にどのようにしたら選挙に行きたくなるかについて見ていきます。

WEB投票の実現を求める声が大多数

質問6「選挙、今後どういった形ならより行きたくなりますか?」(複数回答あり)

1番意見として多かったのは60人が回答した「WEB投票」の実現でした。投票所まで行くという行為自体が負担である人が多いようです。WEB投票であれば、場所を選ぶことなく投票できるため、住民票の問題も解決する可能性が高く、多く票を集めたといえます。次いで多かったのは、38人が回答した「職場や学校で投票できる」で、これらから、投票の利便性を多く望む人が多く見られました。

投票に限らず、その他の意見としては以下のような声が寄せられました。

  • 政策をしっかり明言してそれを実行している姿を国民に見せて欲しい。
  • よく情熱があるとか思いやりのある政治をしますとか口にしている演説を聞くけど、そういうものじゃなくて具体的な政策を述べて演説してほしい。
  • 若者が選挙に行かないのは若者を優遇してくれる存在がいないからだと思います。また高齢者向けの政策が目立ちます。せめて若者に利益誘導してくれる「若者族」議員を用意すべきです。
  • 日本の若者の投票率が低いと言われているが、ドイツやイギリスの有権者教育制度を取り入れてみてはどうだろうか。現在日本の若者の投票率が低い理由として有権者としての教育が未熟な点があげられると思う。また、日本でデモ等が少ない理由としても若者の主体性や自己肯定感というものが育っていないと言えるからではないか。
  • WEB投票が実現すれば間違いなく投票率は上がるが、本人確認が大きなハードルであり、どう解決できるのか今後の展開を楽しみにしている。
  • 政治に興味はあるが、立候補者等の詳細を調べる余裕もなく、フィーリングで投票しかねない状況であったりします。時間のない人でも投票する意欲の湧くようなプレゼンスが欲しいなと最近よく思います。仕事で忙しいって言っている人ほど不満は何かしらあると思うので、その不満はどこの政党なら解消してくれるかもよ、という塩梅のデータ収集が可能で、かつ無責任でない政策を挙げてないかという検証もされていたりすると、より多くの人が投票に行ってくれるのかなと感じます。
  • 選挙に関するルールをより緩和すれば全国民に各候補者についての様々な情報が行き届きやすくなるだろうし、選挙カーやビラ配りなどの必要性も小さくなるのでは?

このような意見が寄せられ、今の政治に対しての疑問や、政策の明確化、若者向けの政策を考えてほしいという意見が印象的でした。そして、日本の教育からの改革を掲げる学生、質問6で多くの学生が望んだWEB投票への課題をあげる人もいました。

学生の目
今回アンケートを通して、今のニュースや若者の投票率を見ると、興味を持っている学生は半分近くがいい所であると思っていたため、自分が思っていたよりも学生の選挙や対する意欲はとても高いと感じました。今回の選挙がコロナ渦で行われ、争点が多いことなども重なるとは思いますが、このくらい意欲が高く、選挙に参加するとなればよい方向に日本が転がっていくと感じています。そして、若者のいろいろな政治的意見が反映されればもっと良くなると感じました。また、利便性を高めるためにWEB投票などの投票に行きやすくなるための改革も必要だと感じました。政治に興味がない人たちにどう興味を持っていただくことが1番重要だと考えました。このアンケートに答えて頂いた方は元から選挙に興味がある人が多い可能性もあります。興味のない人も難しいかもしれませんが、選挙に行く社会になって欲しいと願います。

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