NHK札幌放送局

防災 いま わたしたちができることは・・・? 放送記録

北海道まるごとラジオ

2020年9月14日(月)午後2時57分 更新

胆振東部地震から2年、9月10日(木)の北海道まるごとラジオは、防災について考えました。

MCは鈴木遥アナウンサーと、私、キャスターの西野愛由。
スタジオゲストは北海道大学大学院 高橋浩晃教授でした。
どうすれば災害にあった時に、できるだけ被害小さくできるのか。
放送を聞いてくださった方も、聞き逃した!という方も、ここで内容を振り返っていきましょう。

胆振東部地震では、北海道では初めて震度7という揺れを観測しました。
そして全道に広がった停電、ブラックアウトを経験しましたね。

高橋さん:実は北海道は、全国的に見ると、地震が一番活発な地域のひとつなんです。この20年はたまたま平和な時だったんだなと思ってもらえたらいいのかなと。

鈴木:逆にその分パワーを溜め込んでいる・・・そういうこともあるんですか?

高橋:着々と次の地震に向けて、ひずみエネルギーが溜まっているということは、観測から明らか。いつ起きてもおかしくないと考えています。

リスナーからこんな声が。
「私の彼氏は北海道に住んでいて、胆振東部地震の時は何日も停電していました。テレビも見られないし、携帯電話の充電もできず、情報収集に大変苦労したそうです」

災害が起きたときに、どうやって連絡をとるか、決めておくのは大事ですよね。

高橋さん:ラジオはどんなときでも使えるメディアとして重要だと思うんですよね。
テレビ、携帯は電気がないと長く使えませんが、ラジオというのは電池だけで長時間使えるということで、災害時のラジオ、非常に心強いと思っています。

過去の地震では、「家具を固定していたために命が救われた」という報告もありました(NHKニュース)
ふだんは、生活を豊かにしてくれる家具は、地震の時は凶器になります。
一人暮らしをされている方だったら、冷蔵庫の上に電子レンジを乗せていることもあると思います。
(私も実際にそのように置いていました・・・。)
電子レンジのように小さいものでも凶器になる可能性があるんです。

高橋さん: 家具の固定は非常に大切ですが、揺れが本当に強い場合は家具の固定が効かない場合があるんですね。なので、家具の数を減らすことは非常に有効な対策のひとつだと思います。特に人間は、生活している中で3分の1は寝ています。寝室にはできるだけ家具を置かない。これぜひともお願いしたいと思っています。
鈴木:1Rや1K、部屋がひとつしかない場合は、置き場所がないですからね。
高橋:家具を少なくする、現実的にはなかなか難しいところもあると思いますが、“家具の配置”を考えれば被害を防げる可能性があります。

私が室蘭に住んでいたころの部屋、当時の家具の配置を高橋さんに見ていただきました。

鈴木:ベッドのすぐ近くに棚がありますね
西野:ここに漫画を置いていたんですよ。
高橋さん:あると便利なのはわかるのですが、ベッドのすぐ近くに倒れやすい棚がある。これが非常に危険なんです。

そして、クローゼット、食器棚はベッドから離れた場所にありました。高橋さんによると、この配置であれば、なんとか玄関まで逃げられるということでした。

高橋さん:3LDKでは、一般的なお宅ですとだいたい20~30個ぐらいの家具の数が目安。6畳の部屋だと5~6個が安全な数です。あくまでも目安ですが、部屋の中で家具の占める面積をできるだけ小さくしていただくという意識を持っていただきたいと思います。大切なのは、家具が倒れても逃げ道を確保することです。どうしても減らせないものについては、できるだけ地震で倒れても安全な通路、避難路を確保できるような配置を考えていただきたいです。もともと作りつけられているクローゼットなどは、ある程度は耐えると思います。ですが、震度7、厚真で経験したような強い揺れになると心許ないです。なので、ベッドは、離れたところに置いてください。

鈴木:座椅子、ローテーブル、テレビ、私の部屋にもありますけど、これはどうでしょう。

高橋さん:テレビも本当に強い揺れの時は吹っ飛んできますので、やはりテレビは紐などで固定する、そういう金具が売っていますので、飛んでこないように固定する、ぜひやっていただければなと。

また、みなさんの中には、水槽で生き物を飼っている方もいるかもしれません。

高橋さん:地震の時、水槽も飛んでくる可能性があります。もし、そのようなことになるとガラスが足元散乱する。これは、逃げるときに大変危険です。ふだん歩くようなところから離れたところに置いていただくといいかと。

クローゼットの中に衣装ケースなどを入れるというのもいいそうです。

防災グッズを買ったはいいものの、ふだんから使っていないと、いざという時になかなか使いこなせません。(年に1回は、きちんと動作するか確認していきたいですね。)
そして、命をまもったあとに考えなくてはいけないこと。当面の避難生活です。
いま、新型コロナウイルスの影響で、災害時の安全が確保されている場合は、自宅に留まる「在宅避難」への関心が高まっています。数日前の台風10号でも避難所が満員になってしまい、在宅避難を余儀なくされたり、ホテルを使ったという方もいました。

鈴木:在宅避難で重要なことは、やはり建物が頑丈かどうかということでしょうか。
高橋さん:在宅避難する場所が、災害のリスクがないことを確認する。これが一番重要ですね。建物の強度もそうですが、ハザードマップを見ていただいて、ここは安全なのか、あるいは被災する可能性がある場所なのかチェックをする必要があります。新しい研究が進み、より使いやすい、そしてわかりやすいハザードマップが出てきていますので、ぜひ、確認していただきたいと思います。

危機管理教育研究所 危機管理アドバイザー 国崎信江さんに
在宅避難の訓練を日常に取り入れる方法を伺いました。

その方法は、子どもを含む家族全体で取り組むと楽しい「おうちキャンプ」。

国崎さん:在宅で避難できるのであれば、そこで健康的に被災生活を送れるような準備をしておいたほうがいいって思っていて。おうちキャンプでは、基本的にすべてのライフラインを止めます。被災疑似体験をして、災害時にどのようなことに困るのか。それに対してどのように備えていくのかということを考えながら、防災グッズもそろえてきています。

鈴木:おうちキャンプはなぜ有効なんですか?

国崎さん:被災体験を事前にすることで、必要な備えがわかったり、なんといっても心構えができる。被災して何をしていいかわからない、不便な生活に非常にストレスを感じてしまうということを
できるだけ軽減するという意味でも有効だと思います。

鈴木:お子さんと一緒にされているということで、反応は?
国崎さん:すごく楽しんでやっています。例えば、シンプルだけどきょうは、布団ではなくフローリングでそのまま寝てみようというと、大人からするとちっとも楽しくないし、嫌じゃないですか。でも、子供は言った瞬間に「わーい」っていうんですね。いつもと違うことに対して楽しみを感じる感性というか、子どもならではの好奇心、どんな楽しいことが待っているんだろうというところから、やりたいやりたいって楽しんでいます。

国崎さんにおうちキャンプのイメージ写真をお借りしました。

リスナーからこんな声が。
「おうちキャンプするには、テントと寝袋がないなあ。」

国崎さん:「キャンプ」というのが、まさにテントや寝袋が必要なんじゃないかとイメージさせてしまうのかもしれませんが・・・。非日常を味わうという意味では、きょうは、布団をフローリングに敷いて家族みんなで寝てみるとか、卓上のカセットコンロを使って調理をしてみようというのもいいですし。できるところから無理せず楽しんで試されるといいんじゃないかと思います。

その中でも特に、国崎さんのおすすめ防災グッズが、“ヘッドライト”です。

国崎さん:実際に疑似体験をしてみると、懐中電灯よりもヘッドライトのほうが役に立つということに気づいたんです。両手が使えるので、食事をつくる、トイレに入る、後片付けをする、すべてにおいて、片手を撮られてしまう懐中電灯よりは、自分の目線で灯をとれるヘッドライトが非常に利用しやすい、役に立つということに気づき、我が家では全員分ヘッドライトを揃えるようになりました。ちょっとしたことなんですが、家族に明かりを当ててもらって手元で調理すると、たまにずれたりするんですね。「もっとこっち、もっとこっち!」というストレスがあって。それがヘッドライトで解消されました。

鈴木:ヘッドライト、盲点でしたね・・・。そういった防災グッズっていうのは、普段どこに置いておくんですか?倉庫においてあったらいざという時に出ないですよね?
国崎さん:在宅避難ですと、災害時じゃないので取りに行く余裕がありますし、我が家では、分散避難をしていて、2階、1階、車、外、物置・・・いろんなところに置いてあります。

また、おうちキャンプにはこんな良さも。

国崎さん:とくに携帯電話が停電していて充電できないということを考えるとなるべく必要でなければ使わずにためておきたいじゃないですか。電力を抑えたいですよね。そうすると家族で、しりとりなど、アナログな遊び方で時間を過ごそうとするんです。そういう時間も楽しいなって

避難生活、食事も気になりますよね。おうちキャンプではどんな食事がいいでしょうか。

国崎さん:基本的に自宅にある食材を使います。特に停電で冷蔵庫の中身が傷みやすくなるので、生鮮食品とか冷凍食品から使います。よく作るメニューは、平らにして凍らせておいたご飯とお肉を卓上コンロで調理して作る「ライスバーガー」ですね。我が家ではとくにこの日にやろう、というのを決めるのではなくて、全員そろって、じゃあ、きょうやろうかっていうアウトドアっていうか、バーベキューするような感覚で、やっていますね。

実際におうちキャンプをやってみようという方へ

国崎さん:新型コロナウイルスの影響で自宅にいる時間が増えたと思いますので、ぜひ家族で試していただきたいということと、必ず安全に配慮していただきたいんですね。残暑が厳しい中で停電を想定して行う必要はありませんし、ご自身の体調を踏まえながら無理しないで行ってください。また、卓上カセットコンロを使う際にはしっかりと換気していただきたいと思います。大前提として、自宅避難する建物が頑丈な建物かどうか、建物が建っている場所はハザードマップ上で災害リスクがないことを確認して行ってください。

鈴木:建物が鉄筋コンクリートの作りだとか、そういう基準はありますか?
高橋さん:特に基準はないですが、やはり水害の場合と地震に対する基準は違うんですよね。それぞれのハザードマップが出ていますし、面倒かもしれませんが、地震の場合、水害の場合と、ぜひ確認していただきたいですね。建物自体は、昭和60年以降に作られた建物は、耐震性がある程度あると言われています。ただ建物も年月経つと、だんだん弱ってきます。「耐震診断」といって建物のチェックができますので、市役所などにお問い合わせいただければと思います。

ライフラインが復旧してきたら、元の生活に戻すための“生活再建”が重要になります。
その後押しをしてくれるのが地震保険です。これは、地震・噴火・津波を原因とする火災や損壊などによる損害を補償するものです。保険代理店で火災保険とセットで販売されています。(火災保険だけでは、地震の影響で火災が発生しても保険金は支払われないということです)
1000万円あたりの保険料は、都道府県によって違いますが、たとえば北海道では鉄筋コンクリートの建物で1年に7800円。木造建築だと1万3500円くらいです。

リスナーから質問。
「公営住宅でも地震保険に入ったほうがいいですか?」

高橋さん:家の家財にも地震保険をかけられますので、気になる方は保険代理店にご相談いただくといいかもしれません。
鈴木:ですが、関東大震災、東日本大震災レベルの災害が起きてしまうと請求がひっ迫してしまうのでは?

高橋さん:関東大震災レベルの地震災害でも支払いできます。具体的には11.7兆円までは払えるという仕組みになっているんです。東日本大震災、そして胆振東部地震では、保険金については、基準を満たすとされるものに関しては、全額支払われているということになります。
そして実は、地震保険は、ふつう損害保険会社が販売しているんですが、“保険自体からの利益を得てはならない”と法律で決まっているんですね。いくら販売しても利益にはならず、一種の保険会社によるボランティアのようなことなのかなと思っています。

加入率は、札幌は60パーセント弱、根室では90パーセントくらい。
一方、旭川ではおよそ20パーセントと地域によって異なるようです。

高橋さん:今想定されている十勝沖、根室沖という大きな地震が来ると、旭川もそれなりに揺れると思いますので、保険加入を検討していただければ。

鈴木:更新などのタイミングで、見直すのも大事ですね。

国崎さん:そして家財をゼロから買い直すと、ある金融機関の試算だと1400万円かかると言われているんです。家という箱モノに加え、さらに家財を買っていくとなるとかなりの金額がかかるので、災害の保険や共済に入っておくことは必要だと思います。

ここまで、防災についてみなさんと一緒に考えてきました。
いまのうちに備えておく、それがとても大切なことです。ぜひ、参考にしていただければと思います。






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