NHK札幌放送局

空から見た被災地

いぶりDAYひだか

2020年9月14日(月)午後1時43分 更新

NHKでは地震直後から被災地の状況をヘリコプターやドローンで空から記録してきた。入局2年目の私は地震が起きた時はまだ入局前。空から被災地をみるのは初めてとなる。2年たった被災地の状況はどう変化したのか、過去の現場の映像を見直しその変化を空から探った。


深い傷跡の残る山々

(2020年8月27日撮影 厚真町周辺)

地震で大きな被害を受けた厚真町に近づくにつれて見えてきたのは、深くえぐれ茶色い地面が剥き出しになった山々だ。数はあまりにも多くて数え切れない。「2年もたてば少しは山の緑は回復しているかもしれない」。そのような期待はすぐに打ち砕かれた。林業に欠かせない林道も多くの場所で土砂に埋もれたり、崩れたりしている。被災した3町で50カ所以上の林道が壊れた。急な斜面では、いくつもの重機が林道の復旧作業にあたっていた。もとの緑を取り戻すのにいったい何年かかるのだろうか。道庁は、林業試験場などと連携して、崩れた斜面の土壌を調査し、植林試験を行っている。森林の所有者と話し合いながら、順次森林の整備を進めていく。


更地が広がる吉野地区

(上2018年9月6日撮影 下2020年8月27日撮影)

深い傷跡の残る山々を越えて次に向かったのが、19人の方が亡くなった厚真町の吉野地区。山の斜面が1キロ以上に渡って崩れ、山から流れ込んだ土砂が多くの命を奪った。
地震から2年が経ち、コンクリートで補強された山の斜面が増えてきている。昨年までは土砂に押し流された建物が残っていたが、ことしは撤去されていた。住宅を押し流した土砂や流木は完全に取り除かれ、かつて家が建ち並んだ場所は更地になっていた。斜面の補強工事は進んでいるが、一方で住民が工事後すぐにこの場所に戻る目処は立っていない。


農業の復興

(上2018年10月4日撮影 下2020年9月1日撮影 厚真町高丘地区)

米作りが盛んな厚真町。地震では多くの農地に崩れた斜面の土砂が流れ込み、農業に大きな被害を出した。厚真町の高丘地区でも昨年までは土が剥き出しのままの水田もあったが、ことしは米作りが行われ一面緑の大地が広がっている。流れ込んだ土砂や流木はとりのぞかれ、町内のほぼすべての水田や畑などの作付けが行えるようになった。崩れた斜面では砂防ダムの建設が進められ安心して農業が出来る環境作りが進められている。まもなく主力のななつぼしの収穫が始まる。


もとの暮らしを取り戻す

(厚真町富里浄水場 上2018年9月13日撮影 下2020年9月1日撮影)

厚真町の富里地区にある富里浄水場。地震の直前に完成したばかりだったが、地震直後に裏山が崩れて土砂と流木が浄水場を覆い尽くし、使えなくなった。浄水場の補修がおわり、ことし7月にようやく、町内のおよそ2000戸に給水を再開した。今は裏山の斜面の補強作業が進められている。


新たな生活の場を

(2020年8月27日撮影 厚真町新町)

町の中心部で建設が進む真新しい建物。厚真町が建設を進める災害公営住宅だ。町内で32戸の建設が進められている。よくみると玄関は真ん中の道にむかって向き合うように作られている。住民たちの交流が図れるよう作られた。完成は仮設住宅の退去期限となっている10月末。もうすぐ新しい生活が始まる。


液状化した町も再建へ

(上2018年9月6日撮影 下2020年8月28日撮影)

地震の影響で大規模な液状化がおき家屋が傾いたり、道路には土砂が吹き出し大きな被害を受けた札幌市清田区里塚地区。今、新しい住宅の建設が進んでいる。昨年から続いていた住宅と道路の地盤を強化する工事がことし3月までに完了。ここに住んでいた住民のおよそ9割がこの場所で再び暮らすことを希望している。今は道路の整備や、地域の憩いの場となる公園の復旧工事が進められている。

空からみた被災地は、災害に備えながら少しずつ復興に向けた歩みをつづけている。これからどのように変化していくのか、カメラマンとして記録を続けていきたい。

(2020年9月14日)

山本青 札幌局 映像取材
2019年入局。

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