NHK札幌放送局

アイヌ文化継承の思い新たに #アイヌ

ウピシカンタ

2019年10月30日(水)午後1時30分 更新

札幌大学は、アイヌ文化の担い手を育成しようと、2010年から「ウレㇱパクラブ」という取り組みを進めています。アイヌにルーツを持つ学生と、アイヌ文化に関心がある人たちが協力しながらアイヌ文化を学び、継承する取り組みです。その卒業生の1人、浦河町出身の北嶋由紀さん(47)は、来年オープンする「民族共生象徴空間」=ウポポイにできる博物館で学芸員として働くことになりました。

「ウレㇱパクラブ」で学ぶことができた喜び

北嶋さんが大学に入学したのは10年前、37歳の時でした。北嶋さんの母親はアイヌの人でしたが、自宅にはアイヌに関するものはほとんどなかったと言います。いつしか『差別されるからではないか』と考えるようになり、周囲にはアイヌにルーツがあることを隠すようになりました。

転機は30代。偶然訪れた展覧会で、初めてアイヌ文様が刺しゅうされた民族衣装を見たことでした。言葉では言い表せない魅力を覚え、アイヌ文化を学びたいと大学に進学しました。

北嶋由紀さん
「その時は言葉にはならなかったが、いま思えば大胆なところと、大胆なのに繊細なところとが混在するアイヌ文様が美しく、自分の中に大きなインパクトをもって入ってきた。私も学びたい、私も作ってみたいとこれまでの人生を大きく変えるきっかけになった」。

大学入学後は文化継承のために、言葉や踊り、歴史をひとつひとつ学んでいきました。在学中にアイヌ文様を刺しゅうした民族衣装も制作。アイヌである誇りを胸に、その衣装を身にまとい卒業式に出席しました。

北嶋さん
「ウレㇱパクラブで学んでいると周囲はアイヌの人や文化を好きな人ばかり。これまでは周囲からどう思われるのか不安が多くあったが、大学では逆に受け入れていない自分に違和感を覚えるようになった。この4年間がなかったらここまでアイヌにルーツがあることを誇りに思うことはなかったかもしれない」。

原点を確認、新たな誓い

10月26日に開かれた「ウレㇱパ・フェスタ」。学習成果を発表する年に一度のイベントで、ことしで10回目を数えます。北嶋さんも会場を訪れました。後輩たちが文化を継承していることに喜びを覚えました。

その後開かれた懇親会の席上、北嶋さんは、自ら制作し、学校に寄贈した民族衣装を身に着けている学生を見つけ、声をかけました。

その学生は「私はアイヌではなく和人だが、そんな自分でもアイヌ文化を継承する場があれば、その道を目指したい」と話しました。
北嶋さんは「継承するのにアイヌか和人かは関係ないはずだ。もし勉強したいことがあったら頼って欲しいし、来年から私が働く博物館に来て欲しい。ともにアイヌ文化を後世に伝えていこう」と笑顔で返しました。
北嶋さんは自らも「いち歴史の通過点」となれるよう、アイヌ文化を確実に後世に引き継いでいきたいと思いを新たにしていました。

2018年10月28日

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