NHK札幌放送局

Do!|#18 Miura Seiya

札幌局広報スタッフ

2022年10月31日(月)午後5時52分 更新

第18回に登場するのは、札幌放送局の三浦聖矢カメラマン。スポーツ中継や「NHKのど自慢」などさまざまな番組の撮影を担当する中で、日々意識していることとは? これまで印象に残っている仕事や、カメラマンを志したきっかけについて聞きました。

〔Photo By 出羽 遼介〕
〔聞き手 富浦 麻穂(NHK札幌放送局 広報)〕
※感染対策を十分にとったうえで撮影しています

三浦 聖矢 -Miura Seiya-
2018年入局。理工学部卒業。
函館放送局を経て、2020年より札幌放送局で勤務。送出技術を担当した後、現在は制作技術(カメラマン)を担当。北海道名寄市出身。趣味はゴルフとスノーボード。

<目次>
1. 日々の積み重ねが良い映像を生む
2.人が一番輝く瞬間を切り取る


1. 日々の積み重ねが良い映像を生む

――カメラマンということですが、ふだんはどんな番組の撮影を担当しているんですか?

「ほっとニュース北海道」の中継コーナーや、お天気中継、あとは野球中継などを担当しています。


――NHKには同じカメラマンでも「映像取材」と「制作技術」いう仕事がありますが、どう違うのでしょうか?

「映像取材」は「報道カメラマン」とも呼ばれますが、事件や事故などのニュース映像を撮るために記者と一緒に仕事をすることが多いです。「映像取材」という名前の通り、撮影だけでなく取材も担当するので、自分で提案してリポートを出すこともあります。
一方で私が担当している「制作技術」は、ディレクターと組んで仕事をします。スポーツの中継を出したり、ドラマや音楽番組などの撮影も行います。


――三浦さんはもともと送出技術の仕事をしていましたが、その後制作技術に変わっていますよね。それは希望したんですか?

そうです。以前から制作技術でカメラマンをやりたいと思っていました。


――カメラマンの仕事をしたいと思うようになったのは、何かきっかけがあったんですか?

学生時代にNHKのインターンシップに参加したことがきっかけです。NHKに就職した研究室の先輩からインターンシップがあると教えてもらい、応募しました。
インターンシップでは東京のスタジオで実際に役者さんがコントをしている様子を撮影して、コント番組を制作したのですが、それがすごく楽しくて。そこからカメラマンの仕事に興味を持つようになりました。


――それまではカメラに関する勉強をしたことは?

大学院では光ファイバーの研究をしていたので、カメラや映像に関しては全く勉強したことはありません。入局して一から学びました。


――大学院で学んだ知識を生かして、研究職に就くことは考えなかったのでしょうか。

研究というのは、製品開発の前段階である理論を構築していくプロセスなので、ものすごく時間がかかるんです。もしかしたら私が死ぬまで成果が出ないかもしれない。そう考えると仕事として続ける自信はありませんでした。


――なるほど。それでNHKを受けたんですね。就職活動ではマスコミ業界を中心に見ていたんですか?

テレビ局でエントリーしたのはNHKだけです。民放だと撮影業務は外部の制作会社に委託しているところもありますが、NHKの場合は職員がカメラマンの仕事を担当できるという点が魅力的でした。
NHKの他に、エンジニアやコンサルなども受けました。


――NHKの面接はどうでしたか?

「研究内容を1分間で説明してください」という質問が印象に残っています。その時は55秒で説明をまとめることができて、面接官も「すごいね」と驚いていました(笑)。


――カメラマンはセンスが問われる仕事というイメージがありますが、実際のところいかがですか?

確かにセンスは必要だと思いますが、センスって必ずしも生まれ持ったものではなくて、勉強したりトレーニングする中で鍛えていくものだと思うんです。日頃から印象に残った映像を覚えておいて、自分の中の“引き出し”を増やすことを心がけています。そうした日々の積み重ねで、だんだん撮影スキルが上がっていくんじゃないかなと思います。


――ふだんから意識的にさまざまな映像に触れるようにしているんですね。

野球中継を担当するときには野球に関する資料や映像を集めて勉強しますし、将来的には音楽番組の撮影を担当したいと思っているので、NHKだけでなく民放の音楽番組も見て研究しています。


――「この人すごいな」と思うカメラマンはいますか?

やっぱり先輩方はみんなすごいですね。先輩が撮影した映像はきれいでわかりやすいし、すごく深くまで考えて撮ってるなと感じます。
ふだん番組を撮影する時は、ディレクターが書いた番組の提案表や構成表を参考にして撮影内容を考えるのですが、先輩方はディレクターが伝えたい意図をしっかりくみ取って表現しているのが本当にすごいと思います。


――良い映像を撮るために大切なことは何だと思いますか?

「番組を見た人にどう感じてもらいたいか」を意識して撮ることだと思います。
例えば紅葉と川の映像を撮る時に、紅葉をきれいだと感じてほしいのか、それとも川に注目してほしいのかで撮り方が変わってきますよね。
カフェの中継であればお店に行きたくなるような映像を撮りますし、野菜を映すのであれば、見ている人が食べたくなるように映す。あとは場所や表情など、必要なカットがすべて撮れているかどうかも意識しないといけないですし……。


――同時に複数のことを考えながら撮影しないといけないんですね。

実際にカメラを回していると、なかなかそこまで余裕はないんですけどね(笑)。


――いろいろな仕事をする中で、失敗した経験はありますか?

ありますよ。例えばアナウンサーとゲストが話していて、ゲストの手元で何か起きた時に、手元を映すべきか、その人の表情を映すべきか迷ったり……。結局両方映したけど、後から考えるともっと手元に寄った方が良かったなとか。一瞬の判断に迷うこともあります。


――瞬発力と判断力が求められるんですね。

撮影中はなるべく先の展開まで考えておくんですけど、一方で予想しすぎると予想外の出来事が起きた時にうまく対応できないという難しさもあります。
予想外の出来事って、番組の中で後々重要なポイントになることがあるんですが、考えすぎてとっさに動けなくてちゃんと撮れていないことも……。そういう時は、あまり考えずに素直に撮れば良かったなと反省しますね。
そのあたりの判断は本当に難しくて、撮影中は常に緊張しています。



2.人が一番輝く瞬間を切り取る

――「NHKのど自慢」の撮影も担当したそうですね。

2022年度に北海道で開催した「NHKのど自慢」の撮影チーフを担当しました。カメラマンとスイッチャーの取りまとめをして、どんな方向性で撮るかを考える役割です。


――スイッチャーというのは、何台もあるカメラからどの映像を使うかを選ぶ仕事ですよね。

そうです。「リアルタイムで編集する仕事」と言われることもあります。
私も担当経験がありますが、スイッチャーを担当するには、番組の構成やそれぞれのカメラの動きを把握しておかなければなりません。カメラマンに対して「顔を撮ってください」といった具体的な指示を出すこともあれば、今現場で何が起きているのか、状況を全体に共有することも求められます。
札幌局にはベテランのスイッチャーがいるのですが、その先輩は指示が的確でわかりやすいし、カメラの微妙な角度まで意識していて、すごいなと思います。


――奥が深い仕事ですね。三浦さんが担当した撮影チーフというのは、具体的にはどんな仕事ですか?

全体の構成の中で、この部分はどのカメラでどういうサイズで撮影しましょう、といった細かい部分を考えたり、出場者の特徴を見ながら、どのシーンでどの角度から撮るのが一番特徴を引き出せるかといったことを考える仕事です。


――出場者ひとりひとりの特徴まで把握しているんですね。

「NHKのど自慢」に出る人は「おばあちゃんに感謝を伝えたい」とか「妻にメッセージを伝えたい」など、さまざまな思いを抱いて出場している人が多いです。そうした思いをこめて歌っているのを間近で聞くととても感動しますし、一生に一度の大舞台となる人もいるので、その人たちが一番輝けるように映してあげたいという気持ちで撮影しています。


――カメラマンの皆さんがそこまで考えて撮影しているとは知りませんでした。

「NHKのど自慢」の場合、前日に予選会を開催するので、その時の映像も参考にしながら本選の撮影準備をしています。ただ、本選では観客やカメラを前にして緊張してしまう人もいれば、逆に予選会の時より調子が良い人もいて、事前に準備をしていても読めない部分がたくさんあります。そのため、出場者ひとりひとりの様子を見ながら、臨機応変に対応することを心がけています。


――自分が撮影した番組の反響を知る機会はありますか?

視聴者の方から直接反響を頂く機会はあまりないのですが、以前「NHKのど自慢」に出場してくれた高校生がSNSに「楽しかった」と感想を投稿してくれたことがありました。自分が担当した番組への感想なので、すごく嬉しかったです。


――カメラマンの仕事のやりがいはどんなところですか?

「NHKのど自慢」もそうですが、カメラの前に立つのは勇気がいりますよね。それでも皆さん番組に出てくれるのは、「自分の取り組みをもっと広めたい」とか「自分が作った野菜をもっと知ってほしい」といった何かしらの思いがあるからだと思うんです。
それを映像でしっかり表現できなかったらどうしようという怖さもありますが、一方でどうやったらその人たちの思いに応えられるだろう、と考えることはとてもやりがいがあります。


――カメラに対して苦手意識を持っている人もいると思いますが、良い表情を引き出すために心がけていることはありますか?

いきなりカメラを回さずに、なるべく緊張をほぐすように声をかけることを意識しています。良いカメラマンは撮影技術だけでなくそうしたコミュニケーションスキルも高いと感じます。
現場にはカメラマンだけではなく、ディレクターや音声スタッフもいるので、制作チーム全体で良い雰囲気を作り出すことも大切ですね。


――チームワークが必要なんですね。

複数台のカメラが入る現場では、カメラマンどうしのコミュニケーションも求められますし、あとは音声スタッフとの連携も重要です。撮影中はファインダーをのぞいていて周囲の状況が見えないので、そんな時は音声スタッフが「向こうから人が歩いてくるよ」と教えてくれたりして、そうしたちょっとした助け合いが現場では大切になります。


――入局して4年がたって、成長したと感じることはありますか?

初めてカメラを持った時は余裕がなくて、映像がぶれないようにすることばかり考えていましたが、経験を重ねるうちに、番組を見た人がどう感じるかということまで考えられるようになってきたのは、成長した点だと思います。


――最後に、今後の目標を教えてください。

これからも撮影やスイッチャーの技術を極めていきたいです。先輩たちを見ていると、番組の意図を理解して的確に映像で表現するスキルが高くて、そうした技術力が周囲からの信頼にもつながっているように感じます。
私も一緒に仕事をする人たちから信頼されるようなカメラマンになりたいです。



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