NHK札幌放送局

世界遺産で将来のガイド育成へ

いぶりDAYひだか

2021年7月6日(火)午後5時19分 更新

7月中にも世界文化遺産に登録される見通しとなっている「北海道・北東北の縄文遺跡群」。遺跡群の1つ、伊達市の「北黄金貝塚」では遺跡の価値を紹介するガイドの育成に向けた取り組みが始まっています。(室蘭放送局 小林研太)

北黄金貝塚のベテランガイド

噴火湾に面した丘にある伊達市の北黄金貝塚。縄文時代前期の紀元前5000年から3500年にかけての集落跡です。ここからは魚の骨などが見つかっていて、漁を中心とした当時の暮らしぶりをうかがうことができます。

そんな北黄金貝塚に魅せられた1人が、地元ボランティアガイドのグループで代表を務める矢元信一さん(71)です。地元の農家だった矢元さんがガイド活動を始めるようになったのは、自宅の畑をトラクターで耕していたときに偶然土器を見つけた事がきっかけでした。

「オコンシベの会」矢元信一 代表
『これは一体何だろう?』と興味を持ったことがきっかけで、それからガイド活動をはじめました。活動を行うなかで、地域の人たちに遺跡のことを伝えていかないと『この遺跡は守り通せない』という思いになりました。また、遺跡がある伊達市の市民としても遺跡を活用しなきゃいけないと思いました。

活動をどう引き継ぐか

今後、北黄金貝塚が世界文化遺産に登録されればガイドの重要性がさらに増すと考えている矢元さんですが、グループのメンバーの平均年齢は70歳を超えています。今後自分たちの活動を次の世代にどう引き継いでいくのかが、メンバーや地域の課題だと考えています。

メンバーの1人
40分~1時間近く回って解説するので、それを3回だと、結構つらいですよね。
矢元さん
体力的にもちょっときついところがありまして、若い会員が1人でも多く入れば我々としてはとてもありがたいと思います。

高校生がガイドを目指す授業

将来のガイド候補として矢元さんが期待を寄せているのが地元の高校生です。伊達緑丘高校では10年ほど前から遺跡を学ぶ授業を取り入れていて、ことしからはガイドを目指す授業も始めました。

週に1回授業を行い、北黄金貝塚に関する資料をグループごとにまとめ、みんなの前でプレゼンテーションを行っています。7分という限られた時間のなかでいかに簡潔にわかりやすく遺跡の歴史や価値を解説できるかがポイントです。

この日、授業に講師として招かれた矢元さん。ガイド歴20年の経験を生徒たちに伝えながら、自身が縄文文化に興味を持ったきっかけを話します。この高校の敷地は、かつて矢元さんが土器のかけらを見つけた畑だったのです。自分自身が身近な場所から縄文文化にのめり込んだように、高校生たちにもこの場所で縄文時代から今につながる歴史を感じてほしいと考えています。

生徒の前で話す矢元さん
矢元さん
生徒たちには授業を通して縄文文化を知ること、そしてほかの遺跡との関連を調べること、そして、ゆくゆくは自分の地域に世界遺産になるということを知ってほしい。そしてぜひ若い人たちにはボランティアガイドになっていただきたいと思っています。

まもなく世界文化遺産に登録される見通しの北黄金貝塚。伊達市では、登録が決まれば観光客や修学旅行などで訪れる人が増え、年間の来場者がこれまでの倍の2万人になるのではないかと見ています。このため、今後増えるガイドの役割をどう果たしていくのかが地域の課題になりそうです。

2021年7月2日放送

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