NHK札幌放送局

ほっとできる“居場所” 訪ねてみたら…

ナナメの場

2022年4月15日(金)午前10時53分 更新

ちょっとしんどいな…と感じた時、ほっと一息ついて、 また一歩踏み出せる、 そんな居場所が北海道にはあります。家や学校、職場とは違うもうひとつの居場所「ナナメの場」を一緒に見つけていく特別番組「#ナナメの場 スペシャル」。MCのずーちゃんとまえだゆりなさんが道内のあたたかい“居場所”を訪ねました。ウェブ限定、ずーちゃんとゆりなさんの旅行記も!
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【放送予定】
<テレビ> 4月15日(金)午後7:57~(総合・北海道ブロック)
     「#ナナメの場 スペシャル」
<ラジオ> 4月16日(土)午後4:00~(FM・北海道ブロック)
     「ラジオ #ナナメの場」
【#ナナメの場 MC】
水野莉穂(ずーちゃん)
 … 写真左
紅茶の喫茶店アグラクロック オーナー。2017年北海学園大学を卒業して半年後、生まれ育った恵庭市で喫茶店をオープン。“自分が好きなじぶんで居られるところ”を大切にした場づくりを通して、輪づくりをしている。今後は、田舎暮らしを通して、季節と暮らしながら遊ぶ場づくりを計画中。
まえだゆりな … 写真右
北海道函館発のうたうたい。 つまずきながらもまっすぐに生きるうたをうたう。日本や海外の子どもたちとの曲作りワークショップ、演劇やダンスチームとのコラボなど、表現をすることの可能性に挑戦。2018年車で日本一周”my way tour”、2019,2020年度NHKほっとニュース北海道ED曲担当。


根室 母と子で作る居場所

2人がまず訪れたのは、根室。
学校に行きにくい子どもを持つお母さんたちが、自分たちで居心地のいい場所を作ろうと動き出したと聞き、会いに行きました。

まちなかにあるコワーキングスペースで迎えてくれたのは、大内さゆりさん(写真右)と川口梨奈さん(写真左)。
子連れでも使いやすいこの場所を使って、「学校に行きづらい子どもや家族が気軽に出かけられる居場所」を作ろうとしています。

大内さんと川口さんはともに、子育て中のシングルマザー。
居場所づくりを始めたのは、自身の子どもたちが不登校になったことがきっかけでした。
学校に行きづらい子どもの居場所がないなら、自分たちで作ろうと動き始めたのです。

「学校に行けてないと言うと、家にしかいちゃいけないみたいなイメージがあると思う。そうじゃなくて出てきて、好きなことができたり、認められて自分の肯定感が上がったり、そういう場所があったら」――そんな思いを話してくれました。

川口さん親子は、娘の奏音ちゃんが不登校になったとき、川口さん自身も奏音ちゃんを一人で家に置いておけず、仕事に行きづらくなったそう。
周りの目が気になり、二人で引きこもってしまった時期があったそうです。

そんな時、同じように子どもが学校に行けていない大内さんと意気投合。
居場所がないなら、自分たちで作っちゃおうと動き始めました。

プログラミングが大好きな、大内さんの息子、大くんと芯くんには、ここで存分にやってもらうことに。
奏音ちゃんも、自習や工作など、自分で目標を立てて過ごすようになっています。

ほかにも、みんなでごはんを作ったり、高校生に勉強を教わったり、音楽をやっている人を招いたり、地元の漁師さんにウニむき体験をさせてもらったり…ここから子どもたちの世界を広げる、いろんなアイデアがあるんだとか。

「学校に行けなくて悩んでいるお子さんにも、どうしようって思っている親にも、『一人じゃないよ』と言いたい。『みんながいるここがあるから大丈夫だよ』と」。
大内さんと川口さんの思いは、力強く、あたたかく、みんなを包んでいきそうです。


まだ自信がないところが見え隠れしながらも 、「必要だからわたしたちがつくらなきゃ」という強い気持ちを感じて 、とてもたくましく思いました。
一度共倒れした結果、こどもたちを信じ切る力がすごく強くなっていて、そんなお母さんの下で育つこどもは、きっと誰かに優しさを分けられるひとに育つんだろうなあと思いました。

シングルマザーのお母さんや、子育てでいっぱいいっぱいになっているお母さんたちにはきっと身近にあると頼もしい場所だと思うので、カフェ機能を充実させたり、イベントを開催するなどしてもっともっと広がっていったらいいなあと思いました。
まだまだここから進化していくところだったので、地域のたくさんの人を巻き込んで、みんなに自分ごとにしてもらえたら、あの場所が勝手にすくすく育っていくなあと感じて、これからがとても楽しみです!


これから居場所づくりをしていきたいと実際に試行錯誤しているお二人の、悩んだり、迷ったりしているありのままの様子と、ふたりだからこそできるという心強さのようなものも感じました。
子どもが学校に行かないということは、まだまだ周りから理解され難いことなのだと感じました。もっと、いろんな選択肢があることを受け入れられるような環境になっていけば、今実際に悩んでいる子どもも保護者ももっと生きやすくなると思います。地方だからこそ、なかなか悩んでいても相談できる場所がないのかもしれないと感じたので、いろいろな人が関わる場所になってほしいと思いました!

大内さんが、イラストレーターとして子どものそばにいながらも仕事をできる生活を作ったことはものすごい努力の証で、素晴らしいと感じたし、川口さんも、実際にライターの仕事を始めていたりして、自分の子どもたちのために自分が変わっていくというのは勇気のいることだと感じました。
同じように悩んでいるお母さんたちにとっては、とても励みになるのではないかと思います。

新しい場所というのは可能性は無限大で、これからどんなことをしていくか、どんな空間にしていきたいかはお二人のイメージや想いで実現していけるんだと感じました。
お二人の取り組みは、同じように何かを始めてたいと感じている人に、わたしにもできるかな?やってみようかな?と背中を押せるような活動だと思いました。
始まったばかりの空間が、どんなふうに作られていくのか一緒に見守っていけたらいいなぁと感じました!


帯広 みんなで作る食堂

続いてずーちゃんとゆりなさんが向かったのは、帯広にある「あがり・框(かまち)」という定食屋さん。
2か月に一度、地域の人に手作りのごはんを無料でふるまう取り組みを、7年前から続けています。

仕掛け人は、中村千代子さん。みんなから「ちよさん」と呼ばれています。
「あがり・框」は障害のある人が働く就労支援施設なのですが、活動を続ける中、もっとたくさんの子どもたちやお母さんたちにお腹いっぱいになってほしいと思うようになったそう。

「あったらいいね食堂」と名付けて始まったこの取り組み。
お惣菜とり放題のバイキング形式は大人気に。コロナ禍でもお弁当に切り替えて続けました。

ちよさんの思いは共感を呼び、会社員や主婦などいろんな人が手伝ってくれるようになりました。
野菜は、地元の農家からの寄付。ほかに必要な食材は、近所のスーパーが毎回無料で提供してくれます。

料理も、みんなで楽しく。ボランティアのみなさんがどうして参加しているのか聞くと、口々に「楽しいから」「面白いから」という答えが返ってきました。

お弁当は、小さい子どものいる家族からお年寄りまで、たくさんの人が受け取りにやってきます。
ごはんを通じてつながりができ、何気ない世間話をしたり、ちょっとした困り事を相談したり。困ったときにはお互いに支え合う関係が生まれていました。

取材でお邪魔した日、ちよさんに嬉しい来客が。
高校生の時ここに通っていた、大学生の橋本佳奈さんが立ち寄ってくれました。
ちよさんたちの温かさにふれ、今、地域の役に立ちたいと福祉の勉強を始めているそう。
いつも明るくニコニコなちよさんを見て、もっと自分を出してもいいんだと思えるようになったと話してくれました。

みんなの“あったらいいね”がつまった、あたたかい場所でした!


ごはんを提供しているひとにとっても、障がいを持っているスタッフさんにとっても、さらにはそれをお手伝いしているボランティアスタッフさんにとっても、そこが居場所になっていて、ここに関わっているということが、じぶんの安心になっているのだと感じて、とてもあたたかい気持ちになりました。

ちよさんは言葉にパワーをもっていて、人を惹きつけていくんだと感じました。
ちよさんの優しくてにこにこの笑顔のうしろにある強くてたくましい芯は、みんなを安心させてくれるから、こどもたちや温かい場所を求めている人たちは、あの場所で自信を取り戻して、新しい一歩が踏み出せるんだと感じました。
あの場所でちよさんはリーダーのような存在だけれど、ちよさんが頂点に立っているピラミッドというよりも、ちよさんが真ん中にいて広がるゆるやかな輪のようなチームのようで、とても素敵だなあと思いました 。
チームみんなが同じ方向を向いているということは、あんなにも強い力があるんだと教えてもらいました!


実際に食堂を開く2日間準備から見させていただいたり、お手伝いをしたりして、現場で動く人たちの姿が皆さん生き生きしていて、一人一人がやりがいを持って楽しんで参加されていると感じました。
その場にいると、なんだかただ突っ立ってはいられない!何か力になりたい!とみんなが率先して手伝いたくなるような空気感がありました。

手伝いをしながら、実際に関わっている人と話をして、代表のちよさんの思いに共感して集まる大人の人だけでなく、実際に自分もこの食堂でご飯が食べれる場所として助けられていたから自分も力になりたいと、駆けつけている若者もいて、長い間続けることでそういったつながりも生まれるんだと感じました。

ちよさんの、一人ではできないことをみんなで補って一緒にやっていくという、助け合いの暖かい姿勢が共有されていて、誰か一人が無理をしてがんばるのではなく、みんなできることをそれぞれがやるという優しい場所になっていました。

ロケでいろんなことを感じさせてもらった感謝の気持ちを歌いたくなり、「ふぁいと」という曲を歌わせていただいたんですが、歌いながらわたしも涙がこみ上げてきて、目の前でも涙を流して聞いてくれている人がいて、こうして何かに一生懸命取り組んでいる人に歌が届くのはとても幸せなことだと感じました。

ちよさんが運営しているシェルターも見せていただき、住む場所・食べるものがないくらいに生活に困ってしまった人も、助けてと声を上げれば、生活を立て直すためのお手伝いをしてくれる場所があることに、感銘を受けました。
自分の利益のためには到底できないような、本当に必要な人のために取り組まれている事業だったので、こういった事業はしっかり行政が続けられるようサポートできる流れができて欲しいと思います。
頼れる家族や友人がおらず、本当に孤立してしんどい思いをしてきた人が、あったかい布団とあったかいご飯を用意してもらい、安心して過ごせる場所があるだけで、少しずつ心が開いていくように感じました。


【放送予定】
<テレビ> 4月15日(金)午後7:57~(総合・北海道ブロック)
     「#ナナメの場 スペシャル」
<ラジオ> 4月16日(土)午後4:00~(FM・北海道ブロック)
     「ラジオ #ナナメの場」


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