「銀の滴降る降るまわりに 金の滴降る降るまわりに」という美しいフレーズで始まる「アイヌ神謡集」。才能を惜しまれながらわずか19歳で世を去った知里幸恵さんが、アイヌ民族の間で謡い継がれてきた「カムイユカㇻ(神謡)」の中から13編を選び平易な日本語訳を付して編んだものです。 番組では、アイヌ文化研究者である中川裕さんを指南役に招き、「アイヌ神謡集」に新たな光を当てながら解説。知里幸恵没後100年の節目に、知られざる豊かなアイヌの世界観を明らかにしていきます。
知里幸恵“アイヌ神謡集” 第三回は9月19日(月・祝)午後10:25 ~[Eテレ]
誰もが一度は読みたいと思いながら、なかなか手に取ることができない古今東西の「名著」を25分×4回で読み解く番組「100分de名著」
9月は、知里幸恵「アイヌ神謡集」がテーマです。

第一回では、「アイヌの世界観」をテーマに「沼貝」「キツネ」などの神謡を読み解くことで、あらゆる存在と共生するアイヌの豊かな世界観を明らかに。
第二回では、耳で聴く「アイヌ神謡集」の魅力を浮き彫りにし、口承文芸の豊かな可能性を明らかにしていきました。

指南役:中川裕(千葉大学名誉教授)…言語学者。著書に「アイヌの物語世界」「アイヌ文化で読み解く『ゴールデンカムイ』 」など。
朗読::木原仁美(知里幸恵 銀のしずく記念館館長)
語り:宇梶 剛士(俳優)
第三回 「銀の滴降る降るまわりに」
【放送時間】9月19日(月・祝) 午後10時25分~10時50分/Eテレ
【再放送】9月20日(火)午前5時30分~5時55分/Eテレ
9月26日(月/祝)午後1時5分~1時30分/Eテレ
※放送時間は変更される場合があります、NHKプラスでも配信予定!
フクロウのカムイの視点で描かれる「銀の滴」は、最も謎の多い神謡だといわれています。その謎は、アイヌの世界観や知里幸恵の思いに寄り添うと解けていくといいます。
「銀の滴」に登場するフクロウは、中盤で貧乏な家の子が放った矢で射られますが、その矢をしっかりつかんだと描かれています。
ところが、次のシーンでは死者として祭られています。なぜか。
それは魂の世界と現実世界が並行して描かれているアイヌの世界観ならではの描
写だといいます。さらには、知里幸恵の日本語訳には、そうした世界観が伝わるよう工夫がこらされているといいます。
第三回は、最も有名な「銀の滴」の深層を読み解いていきます。

100分de名著 知里幸恵「アイヌ神謡集」
9月5日(月) 第1回 アイヌの世界観
9月12日(月)第2回 「語られる物語」としての神謡
9月19日(月)第3回 銀の滴降る降るまわりに
9月26日(月)第4回 知里幸恵の想い
第二回を見逃した方は再放送またはNHKプラスでぜひご覧ください!
配信期限:9月19日(月)午後10:49まで
〈再放送〉 9月19日(月・祝)午後1時5分~1時30分/Eテレ