今が旬の秋野菜も美味しく食べられる“ぬか漬け”について、発酵・調味研究家の筒渕信子さんに教えていただきました。

コロナ禍で自宅で過ごす時間が増えたり、健康志向などりより、最近特に注目の高まっているのが「ぬか漬け」。長期保存が効いて色々な食材が利用できることも人気の理由のひとつです。
そもそもぬか漬けとは米ぬかに塩・水を混ぜた“ぬか床”に野菜などを漬けたもの。
ぬかにはたくさんの身体に嬉しい栄養素が含まれているんです。
代表的な栄養素がビタミンEとビタミンB1。血行促進や疲労回復の効果が期待されていて、さらには乳酸菌が多く、腸内環境を整えてくれる働きがあります。

そんなぬか漬けを作りたくても、手間がかかる印象をお持ちの方もいると思います。
ぬか漬けは“ぬか床”さえしっかり作ることが出来れば、後はお好きな食材を入れるだけ。
手ごろな保存容器で作れば、そのまま冷蔵庫にも入れることができて、温度管理を気にする必要がないんです。そんなぬか床に必要な材料はこちら。

・米ぬか700g ・水650ml ・塩100g
・赤とうがらしやにんにく、昆布(風味を豊かにする)
・食パン1枚
【基本のぬか床の作り方】
① 容器に米ぬかを入れる。
※最初は8分目くらいを目安に入れる。
② 塩を加え全体をまんべんなく混ぜ合わせる。
③ 水を数回にわけて入れ、粉っぽさがなくなるまでしっかり混ぜる。
※ある程度混ぜると全体の量が少なくなっていくので、残りの米ぬかも入れる。
④ 耳たぶくらいのかたさになるまでを目安に混ぜる。(ポイント)
⑤ 食パンを小さくちぎって入れ、形がなくなるまで混ぜ合わせる。

⑥ 赤とうがらし・にんにく・昆布を加えて再びまんべんなく混ぜ合わせる。
⑦ ぬか床の表面を押して平らにならす。(ポイント)
ここからが【捨て漬け】です。
このままだと発酵が進んでいないため風味も弱くしょっぱいので、野菜を下漬けして塩分や水分を調整します。

① にんじんや大根のようにアクの少ないものを捨て漬けする。
(皮つきや残り野菜でもよい)
② 野菜を入れたら表面を平らにして、しっかりふたをする。
★この状態で3日間 冷蔵庫で保管する。
★1日1回は必ずかき混ぜる。
③ 3日経ったら野菜を取り出し、再び別の野菜を入れる。
★捨て漬けを2回繰り返して美味しいぬか床の完成。

完成したぬか床には、あとはお好きな食材を入れて漬けるだけ!
★野菜だと基本なんでも入れることができます。
秋に旬の野菜で「なす・かぶ」などは1~2日間程漬ける。
これから冬にかけて旬を迎える野菜は2~3日間程漬けると美味しく食べることができます。
★“1日1回かき混ぜる”ができない場合は冷凍保存をすることが出来るので、
自分のペースに合わせてぬか漬けを楽しむことができます。
そんな美味しいぬか漬けを使ったアレンジレシピもご紹介します!

実はぬか漬けは野菜だけではなく、色々な食材を漬けることができます。
こんにゃくなどの食物繊維が豊富なものは、ぬか漬けと相性が抜群なんです。
こんにゃくはサッとお湯でゆでで、しいたけはそのままぬか床に入れてください。

材料
・こんにゃく、干ししいたけ(ぬか漬けしたもの)
・ごま油 大さじ1 ・赤とうがらし 1本(種を除き輪切りにしたもの)
・長ねぎ 1/4本(細切り) ・しょうゆ 小さじ1
【つくり方】
① こんにゃく、干ししいたけを薄切りにしておく。
② フライパンにごま油をしいて中火で温めたら赤とうがらしを加え香りが出るまで炒める。
③ 長ねぎを入れ、ツヤがでて油がまわるまで炒める。
④ ぬか漬けしいたけを入れてしんなりするまで炒める。
*旨味がでて香ばしい風味になる。
⑤ ぬか漬けこんにゃくを加え、1枚ずつ焼き目をつけるように焼く。
⑥ 焼き目がついたら裏返し、両面に焼き目をつける。
⑦ 仕上げにしょうゆを回しかけて全体に絡めたら完成。
ぬか漬けは栄養価がとにかく高く、たくさんのバリエーションがあるので毎日飽きずに栄養をとることが出来ます。塩分が含まれているので、食べ過ぎには注意ですが、バランス良くこの季節の変わり目から秋、冬にかけて健康に乗り切っていただきたいです。
腸活にもなりますので、ぜひ試してみてください!
【出演】発酵・調味研究家 筒渕信子さん
2022年9月27日放送